個別の教育支援計画に関するニュース

気になったニュースについて

みなさんは「個別の教育支援計画」ならびに
「個別の指導計画」をご存知でしょうか。

私は小学校の教諭時代に
特別支援学級の担任と特別支援のコーディネーターという
校務分掌を担当していました。

通常学級でも作成する場合があり、
小学校では教員全員が作成に関わるモノです。

そして、非常勤講師である今も
理科の教科担当をしているため
特別支援学級在籍の児童については
「理科」の項目で、今も担任の先生と話し合い
目標や手だてを決めています。

このニュースについて、ふと
個別の指導計画を書きながら、治療家として
活動している人は少ないだろうと思い
このニュースについて問題提起や説明が
できたらと思います!

このニュースのコメント欄がもうなんとも言えない状況

いわゆるヤフコメっていうやつですね。
コメント欄を見てみると、
現役の教員たちからのコメントが「ズラーッ」と
書いてあり、それを見た一般の保護者たちからの
なんともリアルなコメントがあります。

簡単にどんな感じになっているかというと

教員側➡時間を費やすかなりの作業の割に
あまり必要性を感じない。作成が大変。
(全部ではありませんよ)

それに対して保護者➡うちの子はこの支援計画などを
中学、高校へと引き継げたことが助かった。
我が子の個別の指導計画を立てている保護者からは
大変な作業をやらせてしまう我が子ですみませんと。

まあ地獄のコメント欄でした。

このニュースにはもっと知っておくべきことが

このニュースの大切な所は「地域差がある」ココだと思います。

私の立場というか意見を表明しておくと
個別の指導計画、教育支援計画は
「絶対必要なもの」だと思っています。


個別の教育支援計画とは

めっちゃ簡単に言うと
障害の有無だけではなく、学習の困難さなどのグレーゾーンも含めて
通級指導教室などでの対応をする場合、誰が見ても分かる
「その児童についての情報がまとまったもの」が必要です。
家族構成やかかりつけの病院なども含め、発達検査等の内容も含んでいます。これを見れば、その子の今までにどんな人や機関が関わってきたのか
分かるという事です。
担任や支援員は毎年変わります。変わっても、そこにブレないものが
必要でしょ。というようなイメージです。
様式なども自治体の地域によって異なります。

支援が必要な子は必ず最初にこの「教育支援計画」を作成します。
(大前提として教師が勝手に作成して進めるのではなく、保護者の方と
一緒に考え作成するかどうかも含めて進めて行きます)

そして、個別の指導計画については基本的にドンドン
積み重ねで更新していきます。

教科などに分けて、目標を立て
そのために必要な手立てや配慮事項を考えて学期末には
振り返りも行います。

地域によってはこの必要な資料がうまく生きていない

たしかに、この資料の作成は学校長等への回覧含め
時間も手間もかかります。
しかし、グレーゾーンの児童にとって
この目標や手だてを考えていく事も貴重な機会であり
複数の大人でその子のカラダの中で起きている事を
共有できるチャンスなのです。

また、中学に向けての引継ぎにも
どのようにして困り感を抱え
その困り感をどうしたらその子がクリアできていったのか
その過去のステップがはっきり分かる訳です。
他にも色々と思う理由はあります。

担任の仕事だけど…担任の仕事が多すぎて・・・・

そもそもみんな私と同じです。
ゼッタイ先生達みんな必要だという事や
その重要性は分かってるんです。
でも、担任の業務量が多すぎるんです。
日々の業務に追われるなかで、
指導計画の締め切り日を言われ
本質の手だてを深く深く検討する
ここの意義を成せない状況です。

そして、この資料の内容や項目に
地域差があるのも問題です。

市外へ移動すると、個別の指導計画や
教育支援計画に書いてあるはずの
必要な項目などが書かれていない…
おいこれになんの意味があるんだ。

という県内でも自治体によって
差があるんです。

おそらく上手く情報伝達や
教員同士での講習が仕組化されている地域と
そうでない地域がどうしても発生してしまうのでしょう。

まず皆さんに知ってほしいこと

個別の指導計画 教育支援計画は
悪いものではない。
作って支援が届く、支援を広げられるのはかなり
子どもにとって良いことです。

そして、あなたのお子さんにも
いつか作成の機会があるかもしれません。
その時は、先生たちも必ず確認の時間を取ります。
その内容や文言、状況についても一緒に話し合う
時間をすごく大切にしてください!

そして何より、そういった資料がある。
これを知るだけでも多方面で価値があると思います。

学校の先生の見えないお仕事の中の一つです。

あ、最後に
教育支援計画をつくる。立てる。と簡単に言っても
かなりの時間を要します。
先生達の中でも何回も会議をします。
会議や話し合いを繰り返して、
作成しない場合もあるのです。

少しでも見えない仕事の認知と共に
この教育支援計画と個別の指導計画の
認知が保護者のかたや支援機関の方に進みますように。

教壇に立つ子ども治療家 ぎゃお先生でした。


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