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増田で経済学について書いていましが、引っ越しました。 https://anond.hatelabo.jp/20200229093951  著書に"ブエノス・ディアス、ニッポン―外国人が生きる「もうひとつのニッポン」"(2005)があります

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増田で経済学について書いていましが、引っ越しました。 https://anond.hatelabo.jp/20200229093951  著書に"ブエノス・ディアス、ニッポン―外国人が生きる「もうひとつのニッポン」"(2005)があります

最近の記事

アベノミクスのレガシー

 凶弾に倒れた安倍晋三もと首相ですが、彼の最大の功績は、いうまでもなく"アベノミクス"で停滞する経済を、不十分とはいえ建て直した点です。  詳しくは以下のnoteを参照していただくとして、彼が亡くなったのを機会に、あらためてデータで振り返り、何人かの経済学者の意見を参照してみます。  需給ギャップ。金融緩和、さらに初年度は財政出動で需要喚起に成功し、長らく続いていた供給>需要を、供給<需要に逆転しました。  供給>需要を、供給<需要へと転換した結果、1997年以来続いてい

    • たいへんだ!税金で返さなければならない国の借金1000兆円!

       先日NHKのニュース番組「おはよう日本」(俺の本のタイトルと同じだ…)を見ていたら、給料が上がらず、将来に希望が持てない、日本の借金は重すぎるから考えなおしてほしいという若者の声が紹介されていました。  これを引き取って首藤奈知子アナ、私の世代も不安です、と続け(ちなみに首藤さんは42歳だそうです)、以上のようなグラフを示して、借金がこんなに増えたんですね、これでは希望が持てませんね、と日本の公的債務の残高について解説し、元大蔵官僚・現大学教授の経済学者が痛みを伴う改革を

      • 各国の新型コロナウイルス感染症死者数の推移(2020年10月18日)と9月のアメリカ雇用統計など

        10月18日現在の各国の新型コロナウイルス感染症の死者数です。世界の死者は昨日現在で1,114,167人とされています。 各国の高齢者(65歳以上)人口10万人あたりの死者数です。留意すべき点については過去のエントリーをご参照ください。 引き続きラテンアメリカ諸国の感染状況が極めて深刻です。 ラテンアメリカは、都市部を中心にサービス業に従事する非正規労働者が多い地域です。それだけ感染が経済に与える打撃も大きくなっています。 メキシコ国立自治大学(UNAM)の開発研究プロ

        • 男性ホルモン値 先天的に高い陸上女子の出場制限 問題なし-スイス連邦最高裁の裁定によせて

           男性ホルモンの値が先天的に高い女子選手が国際大会に出場することを制限する陸上の国際競技団体の規定が差別に当たるとして南アフリカのキャスター・セメンヤ選手が撤回を求めていた問題で、スイスの連邦最高裁判所は8日、規定に問題はないとする裁定を発表し、セメンヤ選手の敗訴が確定しました。  陸上の国際競技団体、世界陸連は男性ホルモンの一種、「テストステロン」が競技力の向上につながるとして、この値が先天的に高い女子選手に対して薬の服用などで一定の値まで下げなければ400メートルから1マ

        • アベノミクスのレガシー

        • たいへんだ!税金で返さなければならない国の借金1000兆円!

        • 各国の新型コロナウイルス感染症死者数の推移(2020年10月18日)と9月のアメリカ雇用統計など

        • 男性ホルモン値 先天的に高い陸上女子の出場制限 問題なし-スイス連邦最高裁の裁定によせて

          各国の新型コロナウイルス感染症死者数の推移(2020年9月6日)と8月のアメリカ雇用統計

          9月6日現在の各国の新型コロナウイルス感染症による高齢者(65歳以上)人口10万人あたりの死者数です。留意すべき点については過去のエントリーをご参照ください。 1週間ごとの死者数の4週間の推移です。8月11日にCovid-19の死者の定義を大幅に変更したイギリス、4週間分のデータがないエクアドル、ロシア、ドミニカ共和国は除いています。 ラテンアメリカ諸国の死者数にははっきりとした減少傾向がみられません。少なくとも7月初め~8月初め頃までは感染が高いレベルで推移したことが見て

          各国の新型コロナウイルス感染症死者数の推移(2020年9月6日)と8月のアメリカ雇用統計

          続:アベノミクスに関する私的な覚え書き(アベノミクスのダメだったところ)

          成果が乏しいまま、財政・金融政策のアクセルを踏み続けた結果、残ったのは借金の山である。 国と地方の借金残高は今年3月末で1100兆円を超え、政権発足時から200兆円近くも膨らんだ。20年度に財政を立て直す目標もあったが、首相は5年も延期した。膨大な「負の遺産」は将来世代に重い負担としてのしかかる。 500兆円もの国債を持つ日銀の信用も揺らぎかねない。国債の金利が上昇すると、巨額の損失を抱えるからだ。円が急落するなど経済が混乱する恐れがある。首相は消費増税を2回実施した。とはい

          続:アベノミクスに関する私的な覚え書き(アベノミクスのダメだったところ)

          アベノミクスに関する私的な覚え書き

          経済からみた場合、第二次安倍政権の最大のポイントは、わが国ではじめてデフレ、すなわち物価の継続的な下落を日本経済の最大の課題と規定し、その克服は経済政策によって実現可能であるとした点にあります。日本経済は1997年に非金融法人のISバランスが貯蓄過剰に転じ、1998年から物価の継続的な下落が始まりました。以来、日本の低成長の原因としてデフレに注目した政治家は何人かいましたが、雨乞い的にその解消を願う人、人口減少だからしかたない、技術革新で製造コストが削減されれば不可避だと諦め

          アベノミクスに関する私的な覚え書き

          各国の新型コロナウイルス感染症死者数の推移等(2020年8月9日)

           下記のグラフは8月9日現在の各国の新型コロナウイルス感染症による高齢者(65歳以上)人口10万人あたりの死者数です。    留保すべき点についてあらためて確認します。 ・ 人口、高齢化率とも2018年、一部2019年のデータに依拠しています。したがって2020年現在の正確な数字ではありません。もっともCovid-19の死者の全員が65歳以上に限定されているわけではありませんし(東京都のデータによると6月末までの死者の平均年齢は79.3歳)、基礎疾患の有無で死亡率はかなり

          各国の新型コロナウイルス感染症死者数の推移等(2020年8月9日)

          各国の新型コロナウイルス感染症死者数の推移

           もともと私は毎朝経済統計-各国の株価、金利などのマーケット関連統計から、景気動向指数、ISM指数などの景況統計、GDP、需給ギャップやインフレ率、失業率などのマクロ経済統計、さらに国民生活基礎調査やジニ係数などの生活関連統計まで-をExcelに書き込むことを日課としていました。3月15日にCOVID-19の死者数を記録し始めたのは、新型コロナウイルスの経済に与える影響があまりにも大きすぎて、感染状況を記録せずに経済統計だけを記録しても意味があるのか、経済を知るにはむしろ感染

          各国の新型コロナウイルス感染症死者数の推移

          「生ぬるい」対応の日本、なぜ欧米より死者が少ないか

          私たち素人が新型コロナウイルスの感染状況を国毎に比較しようと考えた場合、検査方針や検査数の違いに左右される感染者数よりも、死者数で比較するのがもっとも簡便です。基礎疾患を持つ人の多さなど死者数に影響を及ぼす要因には様々なものがあり得ますが、COVID-19はワクチンも決定的な治療薬もないので、基本的には死者の多い国ほど感染者も多いといえるでしょう。また死者数を比較する際に、人口や高齢化比率を考慮しない数字はあまり意味がありません。同じ感染状況なら人口が多い国ほど、高齢者の死亡

          「生ぬるい」対応の日本、なぜ欧米より死者が少ないか