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音楽トリビア「キエフの大門」~ウクライナの教会と同じ名の女の子の無事を祈って~

だいぶ前のお話。
ウクライナ人の若い研究者一家が来日し、1年ほど、東京の私大の大学院で研究をすることになった。
確か、ご主人は物理学、奥様は科学の専門家だったと思う。
お嬢さんが幼稚園に入園するにあたり、そのお手伝いをなぜか私が引き受けることになる。

基本的なサポートは大学や行政が行っていたようで、事務関連の難しいお手伝いは殆どなく、お嬢さんが幼稚園に行っている間、その子のママとランチを食べたりお茶を飲みながら、いろいろと話をするというのも、お手伝いのひとつだった。

彼女は、日本語は片言であり、英語も流暢ではなかった。

2月のある日、ホテルのロビーに飾ってあるお雛様を見に行った時のこと。
お雛様についての説明が終わると、彼女が聞いた。
「11日は祝日になっていて、建国記念の日だと言うけど、どういう意味を持つ日で、日本人は何をするの?」

え? 
建国記念の日、何かするんだっけ?
建国記念の日についての説明は、たどたどしい英語でなんとか理解してもらったようだが、さて、何をする日なんだろう?
だいたい日本人も知らない人が多いのでは??
建国記念の日ってどんな日か。
まして、何をする日って言われても……。

国旗を飾る?
今時そんな家も見かけない。
ケーキを食べないし、プレゼント交換もしない、ご馳走を食べることもなく、なんらかのイベントもなく、建国記念の日仕様特別バーゲンもない。
君が代や、日本を称える歌も歌わない。

しばし考え、こう答えた。
Nothing in particular(特になにも)
私のこの答えが正しかったのかどうかは、今もわからない。

1991年にソビエト連邦が崩壊し、ウクライナは独立した。
そのことにウクライナの人はとても誇りを持っている。
ロシア語はもちろん話せるが、絶対に一言も口にはしない。
どこかから独立したことがない国は、そのような誇りがなくても仕方ないように思うし、愛国心も希薄な気がするが、その国によって歴史が違うので、
差もあって当然と思う。
しかし、この時の彼女との会話は、とても強い印象として刻印された。

女の子が小学生になり、それからしばらくして一家は帰国したが、交流はあった。
一度、ウクライナ正教のクリスマスである1月7日に電話をかけたことがあるのだが、ひどく電波が悪く、殆ど会話はできなかった。
その後、アドレスが変わったことを知らせたのだが、何度やってもエラーになってしまい、全く連絡が取れなくなってしまった。

お人形さんのようにかわいらしかった女の子の名前は、ウクライナでも有名な教会と同じ名前だった。
その子の命名についても、彼女から詳しく聞いた覚えがある。
叡智を意味する名を持つ女の子は、あっという間に日本語を覚え、日本に溶け込んでいった。
写真が何枚か残っているが、3人とも、本当にしあわせに溢れた輝く笑顔で写っている。
彼女も、女の子も、いつも繰り返し繰り返し、日本が大好きと言っていた。

当時はそれを普通に聞いていたが、今は、その言葉の持つ重みがわかる。

あれからずっとウクライナにいるのか、また日本に来ているのかわからないが、もしウクライナにいるのなら、どうか無事でいてほしいと願う。

バラの花束ライン

本日の音楽トリビアは、ムソルグスキー展覧会の絵」より、
キエフの大門」です。

           「展覧会の絵」

ロシアの作曲家ムソルグスキーのピアノ独奏のための組曲。1874年。
前年に世を去った友人の画家、ビクトール・ハルトマンの遺作展が
直接の創作動機となった。
10枚の絵とそこから受けた印象を個々に描写したもので、「こびと」
「古城」「キエフの大門」など10の小品に加えて、「プロムナード」と
題した前奏が間奏としても幾度か現れて、全体に統一性を与える。
自然主義的な表現と叙情的な表現が錯綜したロシア民族楽派特有の音楽。
この作品には6通りの管弦楽用編曲があるが、その中でもっとも有名なのはラベルによるもの(1922)

         ~ネットより引用・抜粋~

10の小品のラストの曲「キエフの大門」(キエフはウクライナの首都
オーケストラ版をご紹介します。

その前に「キエフの大門」についての簡単な説明です。

ウクライナの首都キエフにある大きな門と言えば、9世紀後半から1240年にかけてキエフを首都とした東欧の国家「キエフ大公国」の時代に建築された「黄金の門」が有名である。
1037年にキエフ・ルーシのヤロスラウ賢公がキエフを開発し、町の境界線に土塁を盛り、その上に城壁を作らせ、西へ向かう入り口に大門「黄金の門」を構築した。
黄金の門は、1240年にモンゴル帝国の軍勢によって破壊され、
1982年に復元されるまで、一度も再建されることがなかった。
新しい建物は、元の門の遺跡を、カプセルのように覆い隠すように建てられているという。
           ~ネットより引用~

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ビクトール・ハルトマン画 「キエフの大門」
~画像はネットより~

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キエフにある「黄金の門」
~画像はネットより~

6分ほどありますが、早送りして、4:40からお聴きください。
聴いたこと、ありますよね?
さて、なんという番組で使われているでしょうか。
クイズではないので、下に答えを書いておきます😊

ナニコレ珍百景」の中で、使われていますね😊

本日もありがとう2s-