ぐん税ニュースレター vol.42 page02 -マーケティングコンシェルジュ-
新年に発行した紙媒体の1月号(vol.41)を挟みまして、今回は引き続きSTP分析の解説を再開します。
part1、2の記事
ポジショニング
これまでセグメントとターゲティングについて解説しました。まずは自社が戦う市場を決めるセグメンテーションをして、そこに自社のリソースや戦略をどのように投入するかターゲティングを行います。ここまでは外部分析ですが、これから解説するポジショニングは自社の内部分析になります。セグメント内で競業する企業がある中で自社がどのように差別化し、どんな強みがあるのか、これらを分析して他社に対しての優位性を築いていくことがポジショニングです。
ポジショニングマップ
ポジショニングは直訳通り「立ち位置」を確認することです。このプロセスでよく使われるのがポジショニングマップです。一般的には縦軸と横軸に比較する要素を設定し自社がどこに位置するのかプロットすることで視覚的にポジションを確認していきます。
ここで比較する要素は価格、品質、技術力、流通チャネルなどの商品的な要素やユーザー属性、趣味嗜好、デザイン性など市場的な要素があります。全てを同時に比較しようとすると却って複雑化してしまいますのでシンプルに縦軸横軸の要素で比較した方が分析には適しています。
例えばスマホケースを販売する企業があるとします。ここで考えられるのは価格帯とデザイン性です。この場合、ポジショニングマップでは縦軸にデザイン性(ポップかクール)、横軸に価格帯(高価格か低価格)を設定します。
低価格でポップな場合は左上の部分(A社)にプロットされます。この場合、子どもあるいは若者向けの商品と考えられます。高価格でクールな場合には右下の部分(B社)にプロットされますので、大人向けの商品と言えます。自社の商品がどの位置にプロットされるか確認し、近い部分にプロットされる他の企業があれば、それがライバル企業になります。(D社)
活用のポイント
軸を決めたら、自社がどこにプロットされるかは正確なデータに基づいて判断しないと効果がありません。例えば価格帯を設定するのであれば市場での価格帯や競合の価格設定をリサーチする必要があります。
また比較する要素を変えることで見えてくるポジションもあると思います。有効なポジショニング分析をするためにはこの軸に設定する比較要素が重要になります。ポジショニングが明確になることでより洗練されたマーケティング・ミックスを構築することができます。
今回はSTP分析としてセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングについて解説してきました。これらは三位一体で関わり合っていますので、どれか疎かになっては効果ありません。そして現代のマーケティングにおいて外部環境は速いスピードで変化しています。一度行った分析が数年後も正しいとは限りませんので、メンテナンスとブラッシュアップをしながら取り組んでいくと良いでしょう。
マーケティング 原
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