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入笠山で日本すずらんを!
初夏登山にお勧め!日本三百名山入笠山に日帰り登山してニホンスズラン自生地を鑑賞するコースをご紹介します。
より楽に行きたい場合は富士見駅よりシャトルバスで富士見パノラマリゾートまでバスがありますので、往復ゴンドラ利用で行くことができます。
登山時期
6月初旬
アクセス
すずらんの里駅は新宿から特急あずさを利用して約3時間です。
帰りは富士見パノラマリゾートのゴンドラで山麓駅まで降り、「ゆーとろん水神の湯」に立ち寄った後、富士見駅まで歩いています(約50分)。
より楽に
富士見駅からは富士見パノラマリゾートへの無料シャトルバスが出ています。1日1本(行きは10:00発、帰り15:00発のみ)で富士見パノラマリゾートまでは10分です。
紹介コース
約18km 累積標高差 登り1,332m 下り535m
すずらんの里駅~登山口~ヒュッテ New CASA~入笠山~大阿原湿原~入笠湿原~山頂駅~山麓駅~ゆーとろん水神の湯
※山頂駅~山麓駅は富士見パノラマリゾートゴンドラで下山
すずらんの里駅~登山口
すずらんの里は無人駅です。交通系ICは使えますが、そうでない場合は証明書をとってほかの駅で要清算です。駅前にはコンビニなどは無く、途中「ハッピードリンクショップ」という自動販売機があるので飲料のみそこで買えます。
暫く舗装路歩きです。駅からまっすぐ進み、国道20号を右へ進みます。マンホールや街灯がすずらんなので町ぐるみですずらん推しなのが分かります。
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左側に石碑が見えたら左方向に分岐した道を登っていきます。その先には旧甲州街道の一里塚跡があり、立派な欅の木が在ります。
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この木の先を左に入っていき、暫く道なりに歩いて行くと登山口に至ります。登山口の案内板が割と地味なのと、登山口までにいくつかの分岐があるので、間違えないよう注意しましょう。
登山口~ヒュッテ New CASA
車高が高い4WDなら1台通れそうな広い林道が続きます。なのでこちらの登山道は初心者向けです。ですが序盤は分岐が多いので地図をよく見て進みましょう。特に木に赤い右矢印が沢山書かれている分岐は要注意。山頂へは矢印と逆、左に進みます。右に進むと暫く進んでから道がなくなります。
登山口から30分くらいのところに水場がありました。ここで給水が可能なので汲んでいきましょう!今回は水場があると知らなかったので家で汲んできてしまいました。
稜線に出ると山荘跡のような廃屋があります。ここで山頂までの3分の1くらいです。コースは樹林帯で展望は望めませんが、木蔭が初夏の日差しから護ってくれるので歩き易いです。ここから先は分岐があっても同じ道に戻ってくるのでどこを通っても構いません。登山道にはクリンソウやレンゲツツジが咲いていました。
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さらに歩いてお花茶屋(跡?)の建物が見えたら山頂まで3分の2くらい。周辺の森には次第にモフモフの苔が増えてきます。
次に建物が見えたら別荘地の端に到着です。この最初の建物には「風の音山荘」の看板がかかっています。失礼しての奥のほうに入っていくと一部だけぽっかり空いた場所がありベンチが設置されています。この空間から諏訪湖や美ヶ原高原が見えるので立ち寄ってみると良いでしょう。
別荘地?バンガロー?のあるフラットな道を歩いて行くと広い通りに出ます。右が登っているので間違えそうですが、ここは一旦左下に降ります。すぐに鐘打平の案内看板にでます。
鐘打平はもう入笠湿原の上部です。地図をみると左から回れそうですが行き止まりマークが書いてあります。素直に右に進みましょう。
右上に登る分岐があったら登った方が静かです。ここまではほとんど歩く人が居ない静かな登山道でしたが、この先からはゴンドラで登って来きた観光客が沢山います。
分岐は多いですが大体同じ所に出るので自分を信じて歩きましょう。 暫く歩けばヒュッテ New CASA(旧マナスル山荘)に出ます。
入口には既に名物ランチを求める長蛇の列が既に並んでいます。残念ながら今回のルートで登山道を登ると、よほど早く歩かない限り11時前には着きません。食べたい方はゴンドラで登ってきた方がよさそうです。
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ヒュッテ New CASA~入笠山
ニホンスズランを見るためにはここから下れば入笠湿原がありますが、入笠山山頂はヒュッテからは15分ほどで行けます。先に登ってしまいましょう!
途中で岩場コースと迂回コースの分岐がありますが岩場コースと言ってもところどころ岩が転がっている程度で岩登りというほどではありません。距離も近いので岩場コースを選択します。多少急ではありますが少し歩けば開放的な山頂に到着します。
入笠山頂は360度展望の開放的な山頂。ランチを楽しむ人も沢山います。南の稜線の先にはは南アルプスの甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳が、東には八ヶ岳の山塊がどーんと端から端まで見渡せます。西側の中央アルプス木曽駒ヶ岳は残念ながら雲の中でしたが、北側は諏訪湖や美ヶ原高原、霧ヶ峰などを望むことができます。好きな山を眺めながらランチを楽しむと良いでしょう!
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入笠山~大阿原湿原
山頂を逆側に下ります。しばらく下って左に行けばヒュッテに戻れますが、そのまま真っすぐ進むと大阿原湿原に向かいます。予定はしていませんでしたが時間があるので大阿原湿原の方へ寄り道してみることにします。寄り道と言いつつ戻ってくるまでに90~120分はかかると思いますので足を延ばす方は時間に注意しましょう!
大阿原湿原は広々とした開放的な湿原で、周りを木道で周回できます。北側ルートは湿原を見渡す開放的なコースで、南側ルートは森林の中を歩く樹林帯コースになっています。景観が全然異なっていて飽きさせないルートになっています。東の端に1か所だけ展望デッキがあり、ここにベンチもあるのでのんびり休憩すると良いでしょう。
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湿原には綺麗な水が常に流れていて心が和みます。とても良い場所だと思いますが認知度が低いのか人は割と少なくゆっくりランチをとることができました。湿原周辺にはズミ(コナシ・コリンゴとも言う)の白い花が咲いていてとても綺麗でした。
大阿原湿原~お花畑・入笠湿原
湿原からは舗装路とハイキング道があってどちらでも戻れますが、ハイキング道は狭くすれ違いづらいので帰りは舗装路歩きがお勧めです。暫く舗装路を歩いてから八ヶ岳ビュースポットに向かう看板を入り、お花畑に戻ることにします。
八ヶ岳ビュースポットはスマホ台も置いてあるので、みんなで写真を撮るのにお勧めです。入笠山頂では八ヶ岳には雲がかかっていましたが、赤岳山頂も徐々に雲が晴れてここからは良い山容が見れました。
さらに進んでいくと鹿除けゲートがあります。ここをくぐればお花畑に戻れます。遠目には一面の緑にしか見えませんが、しゃがんでみると小さな花が丘を埋め尽くしているのが分かります。
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お花畑ではが色々な花が咲いていますが、本日の目的はニホンスズランです。葉っぱの下に控えめに並んだ鈴の花はとても可愛らしく、写真を撮るのが大変でなかなか足が進みません。
お花畑をゆっくり下ったら、入笠湿原に移動します。こちらの群生地にもたくさんのスズランが咲いているのを観ることができました。木道近くに咲いている花しか写真に撮れないのは残念です。
入笠湿原の丘を登り、鹿柵のゲートを過ぎたらゴンドラ山頂駅へ向かって歩いて行きます。
入笠湿原~富士見パノラマリゾート
山頂駅まではすぐ到着します。山頂駅周辺にはドイツスズランや釜無ホテイアツモリソウ等の花を楽しむことができる様ですが、今回は大阿原湿原に足を延ばしたせいであまり時間が無いので、ゴンドラを使って早々に降りていきます。
下りゴンドラチケットは本当は山頂駅の券売機で買えますが、この日は故障していて下に降りてからチケットセンターで買うことになってしまいました。因みに下りのみのゴンドラは1,400円でした。
ゴンドラに乗るときに何故かおしぼりを渡してくれるので手や顔を拭いてさっぱりします。ゴンドラの正面には八ヶ岳が見えて景色を楽しみながら山麓駅まで下山することができます。
ふとゴンドラ下に目を移すと、夏場はスキーコースをMTBコースとして開放しているらしく猛スピードで駆け降りていくMTBライダー達が見えました。この日はマウンテンバイクのイベントもあったらしく特に盛況だったようです。ちなみにMTBで下った後はゴンドラにMTBごと乗れるらしく、反対側を登っていくゴンドラの中にはMTBを積んだライダーたちの姿が見えました。
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富士見パノラマリゾート~ゆーとろん水神の湯
下山してゴンドラチケット料を支払ったあと「さてどうしょう?」と一思案。センターハウスレストランで下山飯も良いですが今日は温泉に入ってから帰りたいので「ゆーとろん水神の湯」で食べることにします。
ちょうど来ていた15時の富士見駅行き無料シャトルバスには乗らずに歩いて車道を下っていきます。
15分ほどで「ゆーとろん水神の湯」に到着です。下り坂ですのでそれほど苦にはなりません。
本日もお疲れ山でした!
下山飯・温泉
入浴料は大人950円でアメニティあり。内風呂×1、外風呂×4のアルカリ性単純硫黄泉です。
アルカリ性泉はぬるぬるしたお湯でお肌がスベスベになるのが特徴です。当然すべりやすいので浴室内は歩行に注意しましょう。ほんのり硫黄の香もして良い温泉気分です。まだ混雑する時間ではなかったので、すべてのお湯船に入って疲れを取ります。
風呂から上がったら生ビールに信州ローストポーク丼で下山飯としました。信州なので当然野沢菜が付いてきます。ローストポーク丼は夏でもがっつり&さっぱり食べれるどんぶりでとてもおいしかったです。
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後記
ゆーとろん水神の湯から富士見駅までは3.1kmです。バスはありませんのでタクシーを呼んで帰るのが良いでしょう。私の場合は駅まで八ヶ岳を眺めながら歩けるのでお散歩がてら歩いて行くことにします。
富士見駅には駅そば「丸政そば」があり、山賊そばが有名な様です。駅の外だけでなく待合室でも食べられます。一度食べてみたいと思っていますが、今回もゆーとろんで下山飯を食べてお腹いっぱいなのでおあずけです。
お土産は駅前やゆーとろん内にありますが、規模は小さいので富士見パノラマリゾートで探すのが一番種類が豊富かもしれません。