マネジメントの1つの仕事は「引き出せ」
タイトルにある「引き出せ」というのは海外で15年近くマネジメント職を経験してきて常に意識してきたことです。組織において私が最も意識するのは「最も若い社員」です。この社員から彼が持っている能力を100%以上引き出すにはどうするかを考える事で組織マネジメントの中長期計画の軸が定まるという事があります。
私は結構本格的にサッカーをしていました。ポジションはセンターバック、自分で点を取って勝つ役割ではありません。私たちがどんなに失点0でも勝ち点3は取れません。つまり他人の結果で勝ち点3を得られる立場です。最後方から勝ち点を取るためには自分の周囲、そして前線にいる選手たちが最大限の力を発揮できるような組み立てをする必要がありますし、オフサイドを仕掛けたり、パスの速さを管理したり、センタリングを上げる前に潰す・または上げさせて中で潰す等をしたり、前線との距離をコンパクトに保ちとにかく自分達の守りのテンポを良くしてFWの能力を最大限引き出す必要があります。そしてFWは常に若手が活躍するフィールドで私たちのディフェンス側に先輩格が入るケースがよく見られます。私もそうでした。つまり若手をどう活かすかを後ろから頭をフル回転させる必要が常にありました。
企業でも同じだと思います。新たに入社した新人さん。新卒でも中途採用でも同じで若手にはこれから伸びる「要素」があります。その「要素」を引き出すのがマネジメントの役割です。現在の仕事はベテランがある程度形を作ってくれ結果も出してくれます。サッカーで言えば例年通りの順位でチームを引っ張ってくれる感じでしょうか。しかしそこからさらに上の順位にいくにはワンダーボーイの存在が必要です。全ての若手がワンダボーイではなく、各自が持つ「良さ」がワンダーボーイであり、それをどう引き出せるかはマネジメントの才能に関わってきます。
他人を使って負けない戦いを続け、若手を使って勝つ。
20年以上前のサッカー論は今でも私の信じるコアです。
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