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うたかたの…

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短編…より短いかな。小話かな 詩…とか、心のささやきとか
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いま、ここ。そして明日

忘れられない時代がある 忘れられないひとがいる なれど刻は残酷で 思い出は美しいまま現実に押し流されていく ひとはキレイな記憶に縋るが 風化していく時間の中に留まることはできない 立ち止まっても追いかけてはこない 振り返る過去に明日はないから 過ぎゆく時間のそこかしこ 記憶のほころび忘れ物 こころの痛みにふたをして ぼんやり手放す置き土産 真綿にくるまれるようなぬくもりを欲し 穏やかでやさしい時間を夢見て歩く たとえ足元に道が見えなくとも、 茨の橋を目指していよう

連想ゲーム

コレはアスファルト ココは駐車場 その日は特に雨が降ったわけでもなく そこになにか零した様子もなく 端っこでもなく 真ん中でもない けど、足が止まった・・・・ なにか出てくる? 噴き出しそうなの? なにかの途中? 圧がかかったの? 傘の先端 ピンヒール 内から? 外から? だれの仕業? なにが引金? でもヒビが気になる・・・・

D.N.A. take7

ふたり:どうも~DNAで~す(*゚▽゚ノノ゙☆ ねずみ:『アシタカ』で~す うさぎ:『カンタ』です ねずみ:カンタぁ!? うさぎ:すげ、カンタのばーちゃんに似でる! ねずみ:似でねーわ。てかなんでカンタ うさぎ:ジブリキャラで好きなやつっていうがら     個人的に好き。あ、でもやっぱ『パズー』 ねずみ:あぁパズーね。それならわがる。あたしも好き うさぎ:なんだ、ライバルが!? ねずみ:いやいや別に、普通に推しかぶりだがら うさぎ:やだな。お揃いは ねずみ:別にい

D.N.A. take6

ふたり:どうも~DNAで~す(*゚▽゚ノノ゙☆ ねずみ:『りんご』です🍎 うさぎ:『桃』です🍑 ねずみ:いや、そごは梨だべ うさぎ:いや、ゆずれねな (¬_¬) ねずみ:なんでよ うさぎ:梨はあんまり。さっさしねーべ ねずみ:なにがよ!? うさぎ:歯ごたえ? ねずみ:桃だってそうでもねーべ うさぎ:それでも桃だべ、色でそろえんだら ねずみ:いやいや、だったらすいかだべ うさぎ:スイカは野菜だべ? それに大きさで言ったらおめがスイカだべ ねずみ:大きさじゃねーがら

D.N.A. take5

ふたり:どうも~DNAで~す(*゚▽゚ノノ゙☆ ねずみ:『れもん』で~す うさぎ:『めろん』で~す ねずみ:なんで? レモンって言ったら うさぎ:メロン。ゴロがいいべ? ねずみ:そうじゃない。レモンときたら普通ライムでしょ うさぎ:ばが、レモンっつったらスカッシュだべ ねずみ:そういうことじゃない。しかもスカッシュ言ってねーし うさぎ:いぎおいってのがあっぺ? んじゃなにが正解よ ねずみ:だから、ライム うさぎ:ライムって、カエル色やん ねずみ:緑ね うさぎ:カエ

D.N.A.

これは『ねずみ』と『うさぎ』の耳をつけた姉妹のコントシナリオです M-1を目指しているかどうかは解りませんが、姉妹がコンビ名やお互いの呼び名について議論する動向をお楽しみください

理不尽でなく

女は、 たった一度の過ちを許せないほど、 ココロが狭いかもしれない けれど、 たったひとつの優しい思い出だけで生きていけることもある 男は、 たった一度の過ちで すべてが壊れるとは思っていない けれど、 小さな傷も見逃せず一生引きずることもある 女は、 強気な言葉をたくさん知っている分、 こころの中は繊細で傷つきやすい だからこそ 心ないひと言や嘘が見抜ける 男は、 弱音を吐けないと思っているが、 案外とこころの中は単純でわかりやすい だからこそ 他人の家で靴下を脱いで

神秘

ここ数日眠れない夜が続いていて 朝目覚める時には、 目を開けた瞬間から頭が痛い あぁ、今日も頭痛がするのかしら まどろみの中でそんなことを考えていたら 見知らぬだれかが わたしの中のどこかの部屋で こうするとスッキリ起きれるのよと云った 彼女はその部屋の中でちょこちょこと動き、 まるでなにがあるか知っているかのようにして なにかを片付けた そこで目が覚めた ぱちくりと目を開けた 漫画かなにかのワンシーンのように、 まさにパチクリと目を開けたのだ どうせまたいつもの

『今日のアナタは他人のフリ』

ある朝目が覚めたら、置き去りにされていた。 わたしの。わたしの専用の飲料水のボトルが、冷蔵庫から出され、シンクの上で汗をかいていたのだ。 考えるに、夜中に目覚めた夫が、冷蔵庫の奥に重ねられている小さめの清涼飲料水をとるため、手前にあったわたしのボトルを取り出してシンクに置いたのだろう。喉を潤し、渇きを満たした夫の脳はさぞ満足したことだろう。それゆえ、シンクの上に取り置いたわたしのボトルの存在など、脳裏からかき消され、ひょっとしたら急激に冷やされた食道以下腹部あたりに刺激が走

フェミニン石化

女は愛されないと「石」になってしまうのよ 身も心も頑なになって、柔和さを失うの 内からも外からも、なにも受け入れられなくなってしまう… 「最近おっぱいが固くなった気がするの」 これは別に誘い文句じゃないわ 孤独な女の独り言…でも、そうね、あなたの前で呟いたのには少し、意図があったのかもしれない 「おっパイが硬い? それってどういうこと」 「年齢が行くと、触れられなくなるでしょ。だからなんだか、そんな気がするだけ」 「へぇ、じゃぁ確かめてみようか?」 なんとなく、店に入っ

結露のためいき

仕事帰りに時々、夫が缶ビールを買ってくる。 夫はお酒を飲まない。だからその缶ビールは私のためのモノだ。いつからか、そうするようになった。 だからと言って買ってきたその日に飲まなければいけないわけではない。冷蔵庫にストックがないわけでもない。 それでも時々、夫は私のために缶ビールを買ってくる。それは私たち夫婦の会話のようなもの、無言のルール。 夫はお酒を飲まない。だから私のための缶ビールは、夫のアピールであり、意思表示。 時折、寝室に向かう夫が、無言でテーブルに缶ビールを置

愛は続いているか…

実家からの帰り道、高速道路を走っていると、わたしはいつも「このひとでよかった」と運転する夫の横顔に安堵する。特になにがあるわけではない、ただの帰省の途中だ。それでもいつも、帰り道でふと思い出しては、その都度再認識するのだ。 結婚すると、ときめきや恋心は「失われる」というが、自分はどうだろうかと自問する。そして「まだ大丈夫。わたしはこのひとが好きだ」と、自分の心の声に安心した。そんなことをしてしまうのは、自分の気持ちがいちばん信用ならないと思っているからかもしれない。 自分

D.N.A. take4

ふたり:どうも~DNAで~す(*゚▽゚ノノ゙☆ ねずみ:ね、ねずみ・・・です うさぎ:う、うさぎ・・・ですって、なに、そのさっさしねー態度 ねずみ:だって、こないだあんな感じだったから うさぎ:あんた意外にちっちぇな ねずみ:うっさい! 繊細なんだわ うさぎ:どごが!? そんなにガタイいいのに!? ねずみ:見てくれじゃないの、心なの、繊細なのは うさぎ:ねずみらしからぬむちむち・・・・あ! ねずみ:あ? うさぎ:あんた、今『ねずみ』って言ったね ねずみ:あんたも今

待ち時間のえちゅーど6

最近自分のやることに限界を感じている・・・・ 進退を迫られているわけではない。むしろ期待されていると感じていい。 ただ、これ以上は「登れないのかな」という諦めに似たものが、自分の中に在るということ。 寝不足だった。 珍しく、活字を追うのに夢中になって、気が付くと朝だった。いや、途中「明るいな」とは感じていた。その日は遅出で、昼前の出勤だったから、時間こそあれいい加減「寝なきゃ」とは思っていた。それでも、区切りのいいところを探しながら、新しい章を繰っていた。 久しぶりだっ