【CLE】ヤバイヤバイヤバイヤバイ【8月振り返り】
お疲れ様です。いつも読んでいただきありがとうございます。Windiansです。
先月は野手が揃って打撃不振に陥ってしまい、苦しい試合を続けていました。今月は厳しい対戦相手の中に首位攻防戦もあり、トレードデッドラインを過ぎて戦力がほぼ固まった強豪チームに対してガーディアンズは戦えたのでしょうか。
…と書くのも無理があるくらい惨状が知れ渡っていますよね。前置きはこのくらいにして、先月より更に酷くなった1ヶ月を振り返りましょう。
1. 8月の成績
8月は12勝17敗で借金5、シーズン成績は77勝59敗の貯金18としました。8月3日から7連敗、その後なんとか5連勝で立て直したと思いきや、直後の2週間で3連敗を3回と、7月から全く調子が戻らないどころか更に落ちていきます。そして27日のロイヤルズ戦に負けたことで、一度は地区首位の座を明け渡してしまいました。すぐに奪首し、なんとか2.5ゲーム差をつけてこの月を終えましたが、この調子ではワイルドカードすら確保できるか心配になってきました。
また、ツインズにはタイブレーカーを確保しましたがロイヤルズには取られてしまいました。調子が右肩下がりなガーディアンズとしては、少しでも地区優勝するために楽な条件が欲しかったです。対照的に右肩上がりなロイヤルズよりも1勝多くしなければならないということが、とてつもなく重く感じます。
詳しい成績は以下のとおりです。
チーム打撃成績
チーム投手成績
思ったよりホームランが出ているし、得点も取れています。月間84得点とかいう地獄みたいな数値を叩き出した先月からしたら、全然いいように見えてしまいます。それでもwRC+が低い理由は、ツーベースがものすごく少ないからでしょう。8月のツーベースの本数は、マリナーズをギリギリ上回って33本の30チーム中29位でした。昨年はこの状態でホームランが出なかったので、それよりはマシといったところでしょうか。
月間で負け越した理由は、投手成績を見ればわかりますね。凡そ地区首位を走っているチームの成績とは思えません。先月までは無双していたリリーフ陣のおかげでギリギリメジャー中位を維持していましたが、もはやどこにポジティブな点を見出せばいいのかわかりません。6月に驚異的な数値を記録していたリリーフの残塁率も70%を切ってしまい、歯止めが効かなくなっています。
2. ピックアッププレイヤー
2-1 Lane Thomas
この章では本来選手の調子に関わらず選んでいましたが、今年は開幕からずっと好調だったため、調子のいい選手ばかり選んでいました。ですので、悲惨な月であればその中で目立ってしまった選手を選びます。
トレードデッドラインにナショナルズから加入したLane Thomasですが、ここまでは期待外れの成績を残しています。ナショナルズでは極端な左殺しのような成績でしたが、ガーディアンズに来てからは相手投手の利き手にかかわらず凡打を連発しています。特に右投手相手には、2,3球であっさり追い込まれてインハイの速球に空振り三振という打席をうんざりするほど生産しています。苦手な右投手が先発のときでもファンが困惑するほどスタメンに名を連ねていますが、それを言い訳にできないほどです。環境の変化でここまでの不振に陥るとは思いませんでした。
無理矢理ポジティブに見るならば、27日のロイヤルズ戦で右のCarlos Hernándezから打ったタイムリーヒットは良かったですね。現地で見ていましたが、すっぽ抜けみたいに浮いたスライダーにうまく合わせられていました。
この試合のHernándezは、ハムストリングを痛めて緊急降板したMichael Lorenzenのあとを引き継ぎ、ここまで素晴らしい投球を見せていました。そんな相手から打ったことを自信に変え、これをきっかけに右投手へのアプローチが改善することを願います。
2-2 Jhonkenzy Noel
毎日がBig Christmas!!!!!!!
メジャーデビューから何度も衝撃的なホームランをお披露目しているJhonkenzy Noelの勢いが止まりません。
今月の攻撃での貢献度は英雄José Ramírezに勝るとも劣らず、長打率、OPS、HR、wRC+は チームトップを記録しました。前章でも述べましたが、先月のガーディアンズはホームランがなければ単打や四球だけになり、塁上を賑わすだけで終わりかねない閉塞感がありました。それを吹き飛ばしてくれる彼の活躍は、ガーディアンズファンの心の拠り所となっていました。調子が良すぎたときはこんなドン引きホームランまで打ってしまうほどです。
ただし弱点は徐々に見つけられているようで、逃げる変化球を我慢できなかったり、待ちが外れて何もできなかったという打席が散見されます。ポストシーズンを含めるとあと2ヶ月、この成績を維持できるのか注目です。
2-3 Matthew Boyd
かつてはタイガースの先発として長年ガーディアンズを苦しめてきた男が味方となり、決壊した先発陣を救ってくれるかもしれません。
6月末にガーディアンズとメジャー契約を結んでいたMatthew Boydは、契約時点では昨年受けたトミー・ジョン手術からのリハビリ途上でした。年齢や手術明けすぐのパフォーマンス低下という懸念もあって過度な期待はしていませんでしたが、メジャー復帰後は全員の成績が崩壊したローテーションの中で、唯一安定した成績を残しました。5四球のうち4つと2被弾全ては、かなり慎重に投げていた20日のヤンキース戦で出したものです。その他の3先発17.1回で18奪三振、1与四球、被弾なしは賞賛してもしきれません。
※上のポストは最初の3先発の成績
今年のガーディアンズ先発陣は、イニングを全く食えない代わりに崩れるギリギリで交代していたので、印象よりも成績が良かったです。ただ、今月は遂に序盤からズルズル失点するようになってしまいました。他の投手たちの疲労がピークに達した中で、元気で経験豊富なベテラン左腕には9月も引っ張っていってもらいましょう。同じく8月が今シーズンの投げ始めだったAlex Cobbも頼んだよ!
3. トピック:Clase、球団最多セーブ記録を更新
8/30のパイレーツ戦で、Emmanuel Claseが今季40セーブ目を挙げました。これでインディアンス期からのセーブ数が「150」となり、今まで球団のセーブ記録を持っていたCody Allenを抜いて単独トップとなりました。
2019年のオフにCorey Kluberをメインとした1対2のトレードでレンジャースから加入したClaseは、4年弱で286試合というとんでもない数の登板数を重ねてきました。100mphオーバーのカッターに90mph前半のスライダーを操りながら、マイナーも含めたキャリアで一度もIL入りを経験したことがない頑丈さを持ち合わせていたことが、これだけの早期達成を実現させた要因でしょう。
2020年に禁止薬物使用による80日間の出場停止処分を受けた過去があるので、彼が残した記録にはどうしてもケチが付いてしまいます。ただ、ここまで4年弱休まず多大な貢献をしてくれたことには素直に感謝し、賞賛を送りたいと思います。最低でも2026年までは保有権があるので、この記録をどこまで伸ばすのか注目です。
ちなみに、27年と28年にはクラブオプションがあります。Ramírezの契約最終年が28年ですし、何事もなければ、ここまではガーディアンズに居てくれるでしょう。
4. 9月の展望
9月は8月と比べれば対戦相手が緩くなりますが、それでも怖い相手が並びます。その中で最重要な試合は、9月上旬のロイヤルズ戦でしょう。
8月末の対戦ではホームでの4連戦シリーズであわやスイープを食らい、一気に地区優勝が絶望的になる寸前まで追い込まれました。1週間空けて、ホームとアウェイを逆にしての対戦となりますが、ここで地区優勝の趨勢が決まると言っていいでしょう。ガーディアンズがアウェイですが、勝ち越しが絶対条件となります。スイープして息の根を止められればなお良いです。
また、中旬に対戦するホワイトソックスは、今シーズンの悲惨な成績の中で5勝をプレゼントしている相手です。他28球団であれば楽にスイープを狙える相手ですが、ガーディアンズとしては全く油断できません。全力で叩きに行く必要があります。それでも勝ち越せるかどうか…。ここで負け越そうものならロイヤルズ戦を勝ち越してもまたわからなくなるので、スイープが絶対条件になります。
独走していた6月頃は、この時期まで地区優勝争いがもつれるとは夢にも思いませんでした。チーム状態が日に日に悪化していく中、ガーディアンズは残り約30試合を力尽きることなく走り切れるのでしょうか。