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このおじさん、ただ者ではない / 【書籍】復活への底力

ライフネット生命創業者で立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さん。この方、不死身だ。

以前講演を聞いたことがある。「人・本・旅」が彼を作り、いろいろな人にその重要さを説いている。確かにそれらを通じて人生は豊かになることは間違いないだろう。
メディアへの出演もちょくちょくあることから、「最近見ていないな」と思っていたら本屋で平積みになった「復活への底力」を目にした。

驚いた。
2021年1月に脳卒中で倒れたのち、一年少々のリハビリでAPU学長に復職、2022年4月の入学式で祝辞を述べたというからたまげる。「落ち込んだことがない」というこの方の講演は、立て板に水というか博識からこぼれ出る言葉の端々が突き刺さる。

書籍では脳卒中になってなお、「悲観的になる必要はない」と述べていて、「復職をあきらめる発想はありません」。これを不死身と言わずに何と言おう。

ほとんどの脳卒中患者に対するリハビリの目的は、自宅で何とか生活できるレベルに戻すというものだそう。(もちろん症状に応じて個々人の状態は異なる)

彼のリハビリ奮闘記は、残り少ない会社員生活を惰性で生きている自分を戒めて余りある。先週会社から退職勧奨を受けて、本屋をさまよっていたのだが、このおっちゃんの「底力」に肩を大きく揺すられた。

へこたれそうな方は一読をお勧めしたい。

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