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石川の肉も魚も芋も食らい尽くす【金沢ひとり旅1日目】

 偶然取れた月曜日の有給。祝日のない12月に突如現れた3連休、折角ならどこかに行こうと考えに考えたのですが、なかなか行き先が決まらず。

 そして迎えてしまった連休初日、こうなりゃ仕方ないとあみだくじで決めた結果、石川県の金沢に弾丸旅行に行くことに。

 すぐにホテルを抑え、新幹線の往復チケットを取り、次の日からの1泊2日旅行をセッティング。

 美味しそうなお店をネットを駆使して調べ、予約の入れられそうなところは電話をかけ、もちろんお芋スイーツもしっかり下調べ。うーん、我ながら中々の行動力笑。

 そしてワクワクして中々眠れぬまま迎えた日曜日。朝早くから新幹線「はくたか」に乗り込み、弾丸石川旅行が始まりました。

・そば屋の天むす【駅弁】

 今回の石川旅行、名古屋とどっちにするかでものすごく迷っていたのですが、先ほど言った通りあみだくじの結果で金沢に行くことに。

 ならばせめてほんの少しでも名古屋も楽しもうと、未練たらたらにも駅弁は「天むす」を購入しました(天むすは三重発祥ということには目を瞑って)。

 なんとなく、新幹線が動き始めてから食べた方が美味しい気がしているのは私だけでしょうか。出発まで今か今かと我慢して、新幹線が動き始めると同時に開封しました笑。

 海老天がちょこっと顔を覗かせた、小さく丸々としたおむすびが5つ。お漬物にはたくあんが付いています。

 海老の食感はぷりぷりで歯応えも良く、また薄い衣に甘塩っぱめの出汁がしっかりと染み込んでいるため、噛むたびに海老の旨みと出汁が混ざり合ってすごく美味しい。

 ご飯に混ぜ込まれているのはキクラゲの佃煮だそうで、ほんのりと甘く、シャキッとした食感もまたアクセントで美味しくいただけました。

 揚げ物でほんのりクドくなってしまった口の中も、たくあんでさっぱりリフレッシュ。お漬物のおかげで、食べ飽きることなくペロリと完食。

 すごく美味しかった、いつか本場の天むすもいただきたいなぁなんて考えながら、ひとまず名古屋への未練を駅弁と一緒に消化した私。あとは石川を楽しむだけ、と気持ちを切り替えて到着を心待ちにしていました。

・もりもり寿し 金沢駅前店

 時刻は9:40。金沢駅に無事到着し、新幹線を降りると、そこは東京では想像できない極寒の地。しかも、どうやらこの日が初雪の日だったそうで……。そりゃあ寒いよ笑。

 しかし寒いと感じたのはほんの一瞬だけ、すぐに身体も慣れていきました。案外そんなもんなぁなんて気楽に考えながら、最初に向かったのは金沢フォーラスの6階にある「もりもり寿し」さん。

 市場が近く、ネタも鮮度も抜群とのことで、かなり人気の回転寿司だそう。もりもり寿しさんは11時開店なのですが、金沢フォーラス自体が10時開店で、その時間から整理券を配っているということで、速攻で向かい整理券をゲット。

 結果は9番目!悪くない滑り出し。開店時間までに戻れば良いとのことで、金沢フォーラス内を散策することに。

 すると、同じフロアで任天堂のポップアップストアを見つけたので、折角なので立ち寄って色々物色し、気になったものを購入しました笑。

 だらだらと過ごし、時間は10:55。お店に戻ると沢山の人だかりができていてびっくり!整理券発券機を見ると、なんと60組待ちとの表示……。とてつもない人気だなぁ……。

 11時になると同時に、順番に番号が呼ばれ続々と席に案内されていきました。自分の番号も呼ばれ、通されたのはカウンターの一番端の席。

 目の前にあるタッチパネルから注文するよくあるシステム。絶対に地元の特産品を食べたかった私は「店長のおすすめ5点盛」「生がすえび」「のど黒」「のど黒塩炙り」を注文しました。

 注文してからほぼ待たずに、続々とお寿司が届きました。

左からトロ、ぼたんえび、ブリ、のど黒、香箱カニ
がすえび
のど黒
のど黒塩炙り

 ……本当に回転寿司なの?と疑問を口にしたくなるほどのネタの厚みや大きさ。いやいや問題は味だと、食べるまでは分からないぞと早速ひと口。

 最初に味の美味しさに驚き、その次に鮮度にも驚き、気がつけば夢中でペロリと食べてしまっている自分がいました笑。

 いやいや、本当に美味しくてびっくりしました!特にがすえびのぷりっぷりの食感と濃厚な甘さは絶品の一言。飲み込むのが勿体無いと本気で思ってしまいました笑。

 のど黒も白身魚とは思えない脂の乗り具合。塩の炙りはその香ばしさと絶妙な塩加減で、のど黒の良さが全力で引き出されていてとても美味しい!

がすえびの唐揚げ
いか3点盛
たまご

 堪らず追加で注文。がすえびの唐揚げにイカの3点盛、大好物のたまごのお寿司も頼みました。

 イカは臭みもなく、コリコリの食感がとても楽しく美味しいし、がすえびの唐揚げも殻までサクサクで、何もつけなくても甘さとほんのりと塩味を感じられて、贅沢ですごく美味しい!

 ラストはたまごを頬張ってごちそうさま!まだまだ食べられそうですが、この後おやつも食べたいし、お夕飯分のお腹の隙間もとっておきたいのでこの辺でフィニッシュにしました笑。

 お会計を済ませてお店を出ると、まだまだ沢山の人だかり。これは早めにお店を出て正解だなと思った私。早く出れば出るほどお店の売り上げも上がるし、お客さんも早めに美味しいものにありつけるし。……まあどのお店もそうかもしれませんが笑。

・もみの木カフェ 金沢駅店

 続いてやってきたのは、金沢駅内にある「もみの木カフェ」さん。

 こちらは色々な味のワッフルを楽しめるお店で、もちろん私の目当ての1つでもある五郎島金時芋を使用したワッフルもあります。しかも今回は焼きたてが食べられるとのこと!

 早速レジにて「いもっ!」を注文し、待っている時にふと見たワッフルの説明文に動揺してしまったのですが……。

 ……あ、あれ?シールで上書きされて紅はるかになってる??金時芋は……?

 良く見てみると「加」の文字。恐らく「加賀野菜」と書いてあったと思うのですが、ここにきてまさかの五郎島金時のお預けを喰らってしまいました……。

 ……いやいや、お店に非はありませんし、もしかしたら今日は在庫がまだ届いていなかっただけかもしれませんし!と自分を納得させていると、ものの数分で出来立てが届きました。

 受け取ってみると、予想以上に大きめのワッフルで、そこそこ手の大きな私が持ってみても手から溢れています。

 その場でいただこうと思ったのですが、折角なら焼きたてワッフルを楽しもうとわざわざ外に出て寒い中でいただきました笑。

 ワッフルはほんのりとした甘さで、ホクホクした温かさが寒さで冷えかかっている体に染み渡ります。甘さが控えめなおかげか、中に挟まっている紅はるかペーストの素朴で優しい甘さをしっかり感じることができました。

 五郎島金時には出会えなかったけれど、美味しいことには変わりないし、これはこれで幸せ!と上機嫌の私。しかし、次こそは五郎島金時を食べようと心に誓い、次の目的地へ向かいました。

・いも屋cafe 楽

 お次は金沢駅からダラダラ歩き続けること約50分ほど。やってきたのは忍者屋敷で有名な妙立寺の近くにあります「いも屋cafe 楽」さん。

 店内はカウンターのみで、どうやら元々バーだった物件を居抜きで改装したんだとか。

 人気商品は焼きいもブリュレとの事でしたが、今回は個人的に気になった「焼き芋トースト」をコーヒー付きのセットで注文しました。

 元々フレンチシェフをやられていたオーナー。慣れた手つきでトーストを焼き、焼き芋を切り分けながら、見ず知らずの私と笑顔で色々な話をしてくださいました。作業しながらも、こういう配慮が自然とできる方って本当に尊敬してしまいます。

 楽しくお話しさせてもらっている間にも、いつの間にかトーストが完成し、私の前に出されました。

 おぉ……。想像以上におしゃれなものが出てきて、思わずニヤけてしまいました笑。

 トーストの上にはカスタードが塗られ、その上にはスライスした焼き芋とシナモンパウダー。因みにシナモン以外にもキャラメルとメープルがあり、好みのものを選ばせていただけました。

 ではでは早速……いただきます。

 ひと口食べて最初に思ったことは、そもそもお芋自体がすごーく甘い!シナモンの香りに負けることなく主張してくるねっとりとした焼き芋の美味しさ。むしろシナモンがいるおかげで、お芋の甘さが際立っているとまで思えます。

 後から追いかけてくるのはカスタードの優しい甘さと、カリカリのトーストから香る小麦の風味。全てが喧嘩せずにマッチしていて、すっごく美味しい!

 生クリームをつけて食べたとしても、甘ったるさを感じる事なく、寧ろさらに完成形に近づいて美味しさが増します。ほろ苦いコーヒーとも相性抜群で、これは幸せすぎる……。

 普段なら美味しくてペロリと食べ切るところですが、オーナーのお話が面白く、ひとり旅にしては珍しく会話を楽しみながらゆっくりと食事をいただきました。

 因みにオーナーの話によると、この焼き芋はシルクスイートだそう。その時期やタイミングによって、1番甘く美味しくなるお芋を選んで使っているんだとか。

 なるほど、確かにひと口食べた時にお芋の甘さにびっくりしたし、そういえばワッフルも紅はるかだったのはそういう理由だったのかも!と勝手に納得していました笑。

 美味しい焼き芋トーストと温かく楽しいオーナーとの会話を楽しみ、凄く良い気分でお店を後にした私。偶然にも雲の間からは青空が見え、まだ会えぬ五郎島金時に思いを馳せながら、今日のホテルのチェックインをしに向かいました。

そういえば金沢は宿泊税がかかるんですね

・うし重 てらおか

 ホテルでまったりした時間を過ごした後、この日最後に向かったのは「うし重 てらおか」さん。

 折角石川に行くのだから、能登牛は絶対外せない。どこかホテル近くでいただけそうなところは……と、調べて辿り着いたのがこのお店でした。ギリギリではありましたが、なんとか予約も取ることができました。

 お店の方に予約を伝え、通されたのはカウンター席。お店は少し静かで、緊張感のある雰囲気。なぜだか自然と背筋がスッと伸びた気がしました。

 今回は「うし重 葵」という、1番高いサーロインステーキ重を注文。なんとなく、旅行先では1番いいものを奮発してでも食べたくなってしまうのは私だけではないはず……笑。

 カウンターからは料理風景がよく見え、その洗練された手捌きに見惚れながら料理を待つこと15分ほど。注文の品が運ばれてきました。

 到着したそのお重から溢れる気品の高さに、思わず目も眩んでしまいました。

 お吸い物にお漬物、小鉢はしぐれ煮。能登牛のサーロインステーキは、照りの良いタレに、食べなくても想像で理解できるキメの細かいサシと最高の赤身加減。真ん中に乗せられた黄卵は、その色から間違いない濃厚さが伺えます。

 シャッター音に気をつけながら写真をササッと撮り、早速いただきます。まずは何もつけず、そのままひと口。

 分かっていたことですが、感動せずにはいられませんでした。口に入れた瞬間から、能登牛の甘くてまろやかな脂が口いっぱいにトロけて広がります。しつこさは全く感じられず、するすると喉の奥に流し込まれていく様は、まさに飲み物笑。

 飲み込んだ後でも、その上品な余韻が口の中を満たし、たったのひと口でこの満足感……と、今日ここに来られて良かったと心の底から思いました。

 その後も、卵に絡めてはその濃厚なコクとまろやかさに舌鼓を打ち、薬味をつけてはその美味しさに目尻が下り……。気が付けば最後のひと口も惜しみなくペロリと完食。

 食べ終わった時には気持ちの高揚感からくる謎の達成感を感じていました笑。

このしぐれ煮も絶品でした。

 余韻を楽しもうと思ったところでふと目を横にやると、席が空くのを待っている人たちが視界に入りました。そりゃあそうだよね、とささっと会計を済ませて退店。

 ホテルまでの帰り道も、味の感覚を思い出しながら幸せな気持ちになっている私。この幸せな感覚を絶対に忘れないようにしようと心に誓いました。

・ビーバー【夜食】

 ホテルに戻り、大浴場で疲れをとった後は、もちろん夜食タイム!

 今回の夜食には、北陸のソウルフードである揚げあられの「ビーバー」をいただきました。それも任天堂ストアで見つけた限定の味。

 サクッとした軽い食感で食べやすく、確かにエリンギのような椎茸のような……分からないけれどキノコの風味を感じます笑。

 ソウルフードになる理由もなんとなく理解できました。パクパク食べられて、病みつきになる食感と美味しさでした。

 合間にいちご牛乳を飲み、甘いと塩っぱいの幸せループを堪能ながら、ペロリと完食。美味しかったぁ。

 ……食べ終わって少しすると、小腹が満たされたせいか、血糖値の関係か、じわじわと眠気に襲われました。

 寝ぼけ眼のまま、なんとか歯を磨いてからベットにダイブ。お寿司に能登牛、さつまいもスイーツもどれも美味しかったなぁと幸せに浸りながら、この日は夢の中へ落ちていきました。


文責:げき

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