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詩まとめ

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詩をまとめました。
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#詩

【詩】『Ladybird』

海と風を口実に あの娘を誘ってみた 成功するとは 思いもしなかった 三連休の最終日なのに デートに引っ張り出せるなんて 長い付き合いの彼氏が いるってのは嘘なのか それともこれしきでは びくともしないほど そいつと固い絆で 結ばれているのか デートに応じてくれたのは ただの気まぐれか 猫の首に鈴をつけるのは 僕の役目じゃない でもさ 一度は勇者になってみたい ピエロでもいいんだ うまくいったら もうぜったい離さない それぐらい好きなのは 嘘じゃないから

【詩】『Street Life』

あいつのnoteなんて見なきゃよかった   また、あの子を思い出してポエムなんか書いてるんだね こんなこと言える立場でもないけどさ そんなだから、フラれるんだよ   渋谷のね、誰もいない いつもの通りにいるよ      

【詩】『あの娘のカレー』

ふと思い出して食べたくなるカレー あの娘のお手製のカレー カトマンズからやってきた 不思議なカップルに招かれて 一緒に食べたあのカレー レシピを教えてもらってからは あの娘のカレーになったのさ 喧嘩しちゃった明くる日に 黙って出てきたあのカレー ちょろい奴だと思わせて カレーをいただく作戦さ 何度目かの大喧嘩 とうとう愛想をつかされて 腹ペコ歩く寒空の下 カレーの切れ目が縁の切れ目 漂う香りも絶えはてた やっぱり食べたいあの娘のカレー 今もどこかの空の下 食べてい

【詩】『コンクールなんて大嫌い』

市民会館の二階席 パンフレット丸めて 照明が当たる前のステージを覗き見る バストロンボーンの一年坊主は あぶなっかしい足取りで席に着いた プールが気持ちいい季節になると いつも待ちぼうけ わたしの大好きな季節を台なしにして こんな薄暗い場所の片隅に追いやって これが終わるまで 夏が終わるまで あなたを夢中させる   コンクールなんて大嫌い   演奏が終わった あなたの頬が きらっとしたのは気のせいじゃないよね わたしは拍手したよ 心から 図書館のあの場所で待っ

【三行詩】『井の頭公園』

花吹雪舞う夜更けに池のほとりを君と彷徨う 纏いつく花びらと獅子座の君 振りはらう花びらとフラッシュバック こちらからお題をいただきました。

【詩】『Your Song』

(僕の歌は君の歌) 鍵を探していた あれがないと先に進めない ホワイトマーカーで書いた頭文字が 掠れて残る小さな鍵 歌を書きたいんだ 君の歌をね 君を探して彷徨う街は 大学の校舎が点在する古い街 街自体がキャンバスのようなもの 一番古い校舎の階段下ベンチに君を見つけた ヘッドフォンをして目を瞑っているから 肩を掴んで揺すってみたら ブーツの先で蹴っとばされた   鍵を見なかったかい   探してるんだ 君は大きめのキャンバストートに手を突っ込み それを取り出すと僕に

【詩】『君が遠くへ行ってしまう前に』

君はいつもつるんでいた友達の妹で 僕が君の兄貴の友達だったころ まったく行き場のない僕らは くたびれた僕の車に揺すられて 海を見に行ったよね   水筒の蓋についていた方位磁石を頼りに とにかく東に向かって走ってさ まったく行き当たりばったりの僕らは いったいどこに行き着くかなんて 気にもしていなかった   人気のない海辺で君の肩に手をおくと そうするのが当たり前だったみたいに ふんわり抱きつかれて きらきらの海をずっと眺めてた 永遠にこうしちゃいられないって 思い

【詩】『銀河売り』

銀河売りを呼んだ 餅は餅屋 銀河は銀河売りに始末してもらうのがいい 君の小さな銀のリングは 洗面台に置かれたまま こんなことは一度だけにしよう 君に背を向けてレコードをかける そいつがどんなに青い空を歌ったとしても 僕らは大人になってゆくんだ 小さな銀河がリングの中にできたのは きっと君のせいじゃない 銀河売りがもうじきやってくる      こちらからお題をいただきました。  

【詩】『それでもまだ』

池を囲む柵の上に 両肘をついて顎を載せて 並んで池を眺めている 夜の公園 くすんだ緑色のケープ付きのコートと笑顔 デートの帰り 腕を組んで歩く雑踏 電車に乗る君を 見送る駅のホーム 楽しかった出来事は鮮明に思い出され 思いも寄らず別れを告げられた日に 頭の中が真っ白のまま ひとり帰りの切符を買った それはどこの駅だったか 都合の悪い事は忘れ去られて 残るのは見つめていた やけに白い券売機のイメージ それでもまだ 僕の体には君との日々の断片が 埋もれている それ

【詩】『本当にリセットしますか?(Yes/No)』

リセットしていいんだよね このゲーム リセットしていいんだよね すぐに すべて消えて無くなります (Yes) 元に戻せません (Yes) 今度はどんな季節に 何を纏って 現れてくれるんだい 別にいいんだよ 僕らが好きな夏に いつものデニム&シャツで リセットできません! だってさ だったらリセットしますかなんて きかないでほしいよ ちょっと待ってそんなはずじゃない リセットボタンが効かない ポップアップが憎らしい リセットできません! だってさ 次に出会う時には

【詩】『ひっそりと』

夜更けに一人キーボードを打つ 「てしっ」と音がした 目を向けると実家の庭から採ってきた 牡丹の花びらが ひとひら床に落ちたのだった 今は施設に居る母が育てていた花だった ほったらかしの庭でひっそりと それでも毎年ちゃんと咲いていた また、キーボードを打つ 「ふそっ」と音がした 今度は花びらが何枚か塊で崩れたようだ お願いだから わかっているから 子供っぽいいたずらは あなたらしいけれど       

アルバム/君といた街で〈初回限定版〉

作詞:ブルーGT 作曲:Yotei Nashi 01.だからやめなよ 02.壊さないで 03.ここにいるのに 04.すぐにいくわ 05.君といた街で [Bonus Track] 06.どこへでも

【詩】『どこへでも』

助手席で靴を脱いだきみは ぼくの膝に足を投げ出した それからサングラスを奪い取ると 鼻の上にちょこんと乗せたんだ グレーのタンクトップに ゆるく羽織った薄いシャツ 赤い唇だけがやけに気になってた いいよ どこへでもいくよ ゆらゆらしてないでいこうよ さあ この道のおわりまで   浜辺を素足で歩くきみは ぼくの背中に飛びついた それから首に腕を巻き付けて 耳たぶをちょっとだけ齧ったんだ 眩しそうに伏せた目に さらさら流れる長い髪 耳にかかる息がくすぐったかった いいよ

【詩】『すぐにいくわ』

今日も夜にとけています 蒼い月がうるむような夜なのに ああ 私が好きなら あなたも夜にとけて 希望をそそぎこんでね きっと それは実を結ぶでしょう すぐにいくわ 海に それを探しに    今日も夜にとけています 白い雪が舞い落ちる夜なのに ああ 私が好きなら あなたも夜にとけて 悲しみをふりまいてね きっと それは羽ばたくでしょう すぐにいくわ 空に それを攫いに   すぐにいくわ 何度でも すぐにいくわ 私