
Photo by
tamami_no_tane
【詩】『どこへでも』
助手席で靴を脱いだきみは
ぼくの膝に足を投げ出した
それからサングラスを奪い取ると
鼻の上にちょこんと乗せたんだ
グレーのタンクトップに
ゆるく羽織った薄いシャツ
赤い唇だけがやけに気になってた
いいよ どこへでもいくよ
ゆらゆらしてないでいこうよ
さあ この道のおわりまで
浜辺を素足で歩くきみは
ぼくの背中に飛びついた
それから首に腕を巻き付けて
耳たぶをちょっとだけ齧ったんだ
眩しそうに伏せた目に
さらさら流れる長い髪
耳にかかる息がくすぐったかった
いいよ どこへでもいくよ
ふわふわしてないでいこうよ
さあ あの空のむこうまで
いいよ どこへでもいくよ
ぼくといっしょにいこうよ
さあ この世界の終わりまで