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1分で☕クスッとほっこりエッセイ~リラックスタイムのおともに~

子どもの頃のお話。
クスッと笑える、ほっこりエッセイ。
平易な言葉で読みやすい。
1分で読めちゃう。

肩の力を抜きたいときに。

よろしければ、お立ち寄りください☕。

ミュール。

小学生の高学年の頃、母のヒールに憧れた。
か、か、というヒールの音。
少し背が高くなる感覚。

たまらなく好きだった。

そんなヒールを小学生の私も、親に頼んでなんとか買ってもらった。
たしか千円もしなかった。
でも、よくよく吟味して選んだ、特別お気に入りの1足。
3㎝ほどのヒールのミュール。
全体は淡い水色で、ふわっとした白いレースのリボンが足の甲あたりに施されていた。
淡い水色に、白というコンビカラーが、水色好きな私の心を掴んだ。
憧れのヒール。大好きな水色。ふわふわのレースのリボン。それに千円以下。
パーフェクトだった。

そんな大のお気に入りのミュールが、無い。
え、無い。
え?
え??
え、え!

いやいや、あるはず。
必死に探した。
玄関の靴入れをくまなく探した。
靴を全部引っぱり出して探した。
あっちもこっちも。

無い。

無の境地。

そう。無い。
て、いやいや困る困る。
母に聞いた。

「え、カビが生えてたから捨てたよ~」(軽っ)
えーーーーーーーーーーー
えーーーーーーーーーーー
ぽかん。

泣いた。

お気に入りのお財布を初めて外に持って出てすぐに無くしたときと同じくらい、泣いた。

なぜかお気に入りの物に限って無くなりがちだった子どもの頃。私だけ??
大人になった私は、あの頃の教訓を胸に、お気に入りは大事に大事に使っている。



お読みいただきありがとうございました。
ほっこりしていただけていたら、嬉しく思います。
次回もお楽しみに~☕


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