1分で☕クスッとほっこりエッセイ~リラックスタイムのおともに~
子どもの頃の話。
クスッと笑える、ほっこりエッセイ☕
平易な言葉で読みやすい。
1分で読めちゃう。
肩の力を抜きたいときに。
よろしければ、お立ち寄りください。
世紀の大発見。
小学生高学年の頃、「総合的な学習の時間」というのが始まった。
他の授業が、「体育」とか、「国語」とか、大体漢字で二~三字なのに、やたらと長い。「総合的な学習の時間」。
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※「総合的な学習の時間」:ゆとり世代の象徴的な授業。自分で考えて意見をまとめたり発表したりする活動をする。今までの勉強で蓄えてきたインプットを総動員して、自分で考えてアウトプットしてみよう!というもの。
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その総合的な学習の時間に、「各々、調べたいことを調べましょう!」となった。
すごくざっくりしてて、戸惑った。
そんな急に言われましても調べたいことなんてございません。
と思ったけど、周りは皆テーマをとんどん決めていて、これまた驚いた。
その波にのまれて、私も知った風でテーマを決めた。
私のテーマは、
【川の水質調査】。
こうなったら、ものすごい調査結果を発表するしかない。
近所の川の水を小さな容器にすくい取った。
わざわざ数地点から水をまんべんなく採取した。
この時点でかなりドヤっと思っていた。
※近所の川は浅くて流れのほぼ無いような小川。
先生からリトマス試験紙を貰い、水質チェーック。
更に、その水を顕微鏡で見る。
プレパラートを用意して、スライドガラスに水を垂らし、カバーガラスを被せて、顕微鏡で見る。
お!なんかいる!
ミミズみたいにぐにょぐにょした微生物。
その微生物は、透明で、カバーガラスを被せなおすと、向きが変わる。
わー!微生物だー!
発見しちゃったー!
世紀の大発見だー!
浮かれた。
意気揚々と、発表用の模造紙に、微生物を模写した。
大発見とばかりに、ふふん♪と発表した。
発表し終わって、ふと模造紙に描いた微生物の絵を見る。
…
…
ん…
これ、もしかして……
そう。
お気付きのとおりです。はい。
スライドガラスとカバーガラスの間に入った空気が、微生物のように見えていただけ。
空気が入らないように、カバーガラスを被せてよ~ってことです。
あんなに、世紀の大発見!風に発表したもんだから、恥ずかしくて、穴があったら隠れたかった。
先生ももちろん微生物の正体に気付いてたけど、言わないでいてくれた。それがまた妙に恥ずかしかった。
先生、へへへ。
お読みいただきありがとうございます。
ほっこりしていただけていたら、嬉しく思います。
次回もお楽しみに~☕