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生成AIの登場で基本スキル習得はどう変わる?

本ブログ記事は『ビジネススキル 完全攻略 -基本編-』からの抜粋になります。全部まとめて読みたい方は、是非、電子書籍をご購入ください。


生成AIの何が凄いの?

ChatGPTをはじめとした生成AIの登場によって、基本スキルの習得にどのような変化がおこるのか、軽く触れておきます。

生成AI(Generative AI)とは、大量のデータを学習して新しいコンテンツを作り出すことができる人工知能の一種です。

このタイプのAIは、既存のデータや情報をもとに、テキスト、画像、音楽、動画などの新しいコンテンツを自動生成することができます。

生成AIの一般的な使用例には以下のようなものがあります。


テキスト生成:
与えられた情報やキーワードに基づいて、AIが新しい文章や物語を作り出します。たとえば、ニュース記事の作成、小説や脚本の作成、自動化されたカスタマーサポートなどがあります。


画像生成:
与えられた説明やパラメータに基づいて、AIは新しい画像やアートワークを生成することができます。これは、デザイン、アート、ゲームのキャラクター作成などに利用されています。


音楽生成:
特定のスタイルやテーマに基づいて、AIは新しい音楽を作り出すことができます。これは、映画やゲームのサウンドトラック制作、アーティストによる音楽制作の支援などに応用されています。


データ分析と予測:
大量のデータを分析し、未来の傾向やパターンを予測するためにも生成AIが活用されています。たとえば、株式市場の分析、気候変動のモデリング、医療研究などに利用されています。

ChatGPTは2か月で1億人を獲得

Netflixが1億人のユーザーを獲得するのに10年、Google翻訳は6年半、Instagramは2年半、TikTokは約9か月かかったと言われています。
一方で、OpenAI社が提供するChatGPTは、わずか2か月で1億人のユーザーを獲得したと推定されています。ユーザーの関心度がとても高いことを示す数字ですよね。
(出典は以下のサイトより)

プロンプトと呼ばれる命令文を、生成AIの入力画面にテキストで打ち込むと、提案書の骨子やリリース文のたたき案を作成してくれたり、かっこいいイラスト画像を自動で生成してくれます。

また、必要なデータファイルをアップロードするとデータ分析をしてくれたり、プログラムコードなども自動生成してくれます。今まで人間にしかできなかった作業タスクを、いとも簡単に再現してくれます。

生成AIを活用して感じるのは、今まで人間が行っていた知的生産活動の大部分が生成AIに置き換わっていくだろうということです。

一方で、生成されたアウトプットの品質が高いか低いかをきちんと見極めることはとても重要なので、生成AIを使いこなす能力と並行して、アウトプットの品質そのものを評価できる能力は引き続き求められると思います。

生成AIを使いこなす能力とは、適切なプロンプトを作成する力や問いを立てる力です。
また、アウトプットの品質そのものを評価できる能力とは、「洞察力」や「審美眼」などの本物を見極める能力になります。

図表.基本スキルに対する生成AIの影響度

それでは、12の基本スキルに関して、生成AIがどのような影響を及ぼすか細かく見ていきたいと思います。

コミュニケーションスキルへの影響度

まず、「話す」と「聞く」です。コロナの影響もあり、リモートワークでの仕事がだいぶ進んだこともあり、Zoom等のリモートツールを活用したコミュニケーションが一般的になってきました。

ツールを介したコミュニケーションの場合、(ほぼ)リアルタイムでの言語変換が一般化していくため、言語の障壁はだいぶ下がる可能性が高いです。

また、オンラインミーティング終了後に、ミーティング内で話し合われたことが即座に自動で議事録化され、ミーティング内容の要点を整理し、メンバーに共有されるようになります。
現状は、専用のAI議事録ツールを活用して文字を書き起こすのが主流ですが、今後、要約や論点整理まで即座に対応されていくと思われます。

OJTの一環で、議事録をまとめることで業務内容を理解していくという、若手社員定番の作業タスクの位置づけは、だいぶ変わっていくと思われます。

「質問する」に関しては、一般的に、市場背景や業務知識、業務経験を有する人が、より的をえた質問を行うことができます。

ここで重要なのは、一定期間にわたって培われた業務経験です。

しかし、生成AIの使用により、業務経験が少ない人でもある程度の効果的な質問を行うことができるようになります。

「伝える」や「仕切る」は、メールやSlackなどのオンラインコミュニケーションツールにAI機能が組み込まれ、自動化が進んでいくでしょう。

プランニング系スキルへの影響度

プランニング系スキルは、生成AIの影響を一番大きく受ける領域だと思われます。前段でもお話したとおり、人間にしかできないと思われていた知的生産活動(クリエイティブな作業)を代替することができるからです。

インプットに該当する「理解する」や「調べる」に関しても、AIと対話しながら、新しい知識を吸収する学習スタイルが一般化していくと思われます。

特に、理解したり調べたりするレベル感(難易度)をAIが適切に読み取り、初心者向けには分かりやすく、ある程度、精通している人にはそれなりのレベルで情報を提供してくれるため、今までよりも理解度は早まっていくと思われます。

「考える」に関する部分、特に論点整理や提案書の論理構成などは、苦手な人にとっては非常に時間がかかる作業ですが、生成AIを活用することでこれらの作業を簡単にこなすことができるようになります。

さらに、生成AIをオフィス関連のツールと連携させることにより、文書や提案書の作成なども、ある程度のレベルまで自動で行うことができます。
これにより、考えるだけでなくドキュメントを作る作業時間も大幅に短くすることができます。

エグゼキューション系スキルへの影響度

「処理する」や「段取る」に関しても、生成AIの助けを借りることで、作業時間を大幅に短縮できます。

最短で実行できる計画(工程管理や作業タスク)をAIに作成してもらったり、作業工程の一部もAIに対応してもらうことで、業務を効率化できます。

生成AIの活用と基本スキルの習得

生成AIの活用は多くのメリットがありますが、若手社員に任せるべき作業がAIに取って代わられると、人材育成に問題が生じる可能性があります。

さらに、AIによって作成された成果物であっても、その品質の維持と管理が求められます。品質管理には「洞察力」や「審美眼」といったスキルが求められますが、これらの能力をどう鍛えるかは重要な課題です。

今までは、さまざまな業務経験を通じて、求められる品質レベルを理解し、スキルを身につけてきました。しかし、AIによる作業代行が増えると、若手人材が新しいスキルを学ぶ機会を失うことにつながります。

解決策のひとつは、スキル習得を目的とした業務は、あえて生成AIを使わずに、本人の力のみでやらせてみるなどの工夫が必要になるかもしれません。

もしくは、そんなことは全然心配する必要はなく、学生時代から生成AIに親しんでいる世代は、生成AIを使いこなして、仕事で求められる基本スキルをいとも簡単に習得していくのかもしれません。

次は、OJTをどのように進めていくか、便利な管理ツールを紹介します!


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