コミュニケーションスキルって何?
本ブログ記事は『ビジネススキル 完全攻略 -基本編-』からの抜粋になります。全部まとめて読みたい方は、是非、電子書籍をご購入ください。
コミュニケーションスキルとは?
基本スキル使い分けまでの一連の流れ
コミュニケーションで求められる基本スキルを使いこなすためには、まずは、コミュニケーションのモデルをどう分類できるか考える必要があります。
その後に、分類したコミュニケーションのモデルごとに、シーン(シチュエーション)や目的、対象者を明らかにして、どんなコミュニケーションをとっていけばいいか考えていくことが大事です。
図表で整理すると、以下のような手順を踏んでいきます。
コミュニケーションのモデル分け
コミュニケーションスキルを効果的に活用するためには、まず、分類したコミュニケーションのモデルを理解し、それぞれに適したアプローチを考えることが重要です。
コミュニケーションのモデルは4つに分類することができます。
これは、
1対1(個別の面談など)
1対多(プレゼンテーションなど)
多対1(集団から個人への報告など)
そして多対多(会議や議論など)
の4つです。
図表で整理すると、以下のように分類することができます。
各モデルを理解することで、適切なコミュニケーションのやり方を選ぶことができます。
1対1のコミュニケーション
個別の面談や個人間の対話などがこれに該当します。
ここでは、相手の意見を理解し、個人的なフィードバックや指導を行うことが一般的です。
このパターンでは、相手の感情やニーズに敏感であることが重要です。4つの中で、この1対1のコミュニケーションが一番ベーシックなパターンになります。1on1と呼ばれる面談方法なども、このモデルに該当します。
1体多のコミュニケーション
プレゼンテーションや講演などがこれに該当します。
一人が多くの人に情報を伝える場合、分かりやすいメッセージと効果的なプレゼン資料を使うことが重要です。
聞き手を引き込むためには、興味を持たせる内容とプレゼンテーションスキルが求められます。
世界中の思想家やビジネスパーソンが短い形式の講演を聞き手に向けてプレゼンするTEDトークなども、このモデルに該当します。
多対1のコミュニケーション
チームメンバーから上司への報告などがこれに該当します。
ここでは、多様な視点からの情報を整理し、要点をまとめて伝える能力が重要です。
自治体などが主催するタウンミーティングで、市長などに対して住民が意見を述べるなども、このモデルに該当します。
多対多のコミュニケーション
会議やグループディスカッションがこれに該当します。
ここでは、異なる意見を調整したり、共通の目標に向けて合意形成していくことが鍵となります。
効果的なコミュニケーションのためには、リスニングスキルや共感する能力、そして、明確な議題を設定する能力が求められます。
ニュース番組でよく見る各国首脳の政府間協議なども、このモデルに該当します。
4つのコミュニケーションモデルは、参加者の数やモチベーション、状況などによってアプローチ方法は変わってきます。
これを理解し、適切に活用することで、より効果的なコミュニケーションができるようになります。
4つのコミュニケーションモデルの理解は、ビジネスの成功に欠かせないものですが、このようなスキルは練習と経験によって向上できるものなので、少しずつ習得していきましょう。
シーン、目的、対象者の明確化
次に、コミュニケーションのシーンごとに、対象者、目的、状況を明らかにすることが大切です。
以下の図表は、コミュニケーションのシーン(シチュエーション)を社内と社外に分け、対象者や目的を整理したものになります。
たとえば、社内コミュニケーションとしては、週次ミーティングでの進捗共有や上司への稟議承認の場などがあげられます。
週次ミーティングでは、チームメンバーが週ごとの進捗状況を共有し、目標達成に向けた取り組み状況や課題を話し合います。このシーンでは、各メンバーの努力を認め合い、今後の行動計画を明らかにしていくことが重要です。
また、稟議承認の場では、新しいプロジェクトや予算の承認を求める際、事前にしっかりと準備し、必要な情報やデータを提供することが求められます。ここでは、説得力あるプレゼンテーションが不可欠です。
また、社外コミュニケーションとしては、顧客へのプレゼンや、お客さまとのプロジェクト進捗会議などがあげられます。
顧客へのプレゼンでは、製品やサービスを紹介する際、顧客のニーズや関心に合わせて内容を調整することが大切です。ここでは、顧客の視点を理解し、魅力的な提案が求められます。
また、プロジェクト進捗会議では、プロジェクトの関係者が集まり、進捗状況の共有や今後の計画を話し合います。ここでは、明確なコミュニケーションと効率的な会議運営が成功の鍵です。
いくつか事例を挙げてみましたが、これらのシーンでは、コミュニケーションの方法が参加者や目的によって変わってきます。
たとえば、社内ではオープンなディスカッションを促し、アイデアの共有やチームワークの強化を目指します。
一方で、社外では、企業のできること(ケーパビリティ)や提供価値を伝えることが重要となり、より戦略的かつ専門的なアプローチが求められることが多いです。
こういったコミュニケーションの機会を通じて、ビジネス上の関係を強化し、共通の目標達成に向けて進むことができます。各シーンでの適切なコミュニケーション方法を理解し、効果的に適用することが、ビジネス成功の鍵となります。
経営者とのコミュニケーション
最後に、経営者とのコミュニケーションに関しても、少し触れておきます。
現場のみでコミュニケーションを行う場合と、経営者(取締役や執行役員など)に対してコミュニケーションを行う場合では、コミュニケーションの仕方を大きく変えていく必要があります。
特に経営者向けには、何らかの意思決定を促すコミュニケーションが求められるため、話す内容も工夫しないといけません。
たとえば、話す内容は明確かつ簡潔に伝えることが重要です。また、事前の準備を怠らず、ファクトやエビデンスなどの定量的なデータを活用した説得力ある話し方が求められます。
また、自分の意見やアイデアを積極的に伝え、同時に感情をコントロールしてプロフェッショナルな態度を保つことが大切です。
経営者の話を注意深く聞き、フィードバックやアドバイスを受け入れて実践に移すことで、信頼関係を築き、効果的なコミュニケーションを行うことができるようになっていきます。
コミュニケーションのモデルに関しては、まずは、基本形となる1対1のモデルをマスターするところからスタートしてみてください。
また、コミュニケーションのシーン(シチュエーション)においても、まずは、部門内で実施している定例会議のような社内のコミュニケーションレベルからマスターし、その後、お客さまやビジネスパートナーなどの社外の人が同席する会議体にも参加して、徐々にレベルアップを図っていってください。
次は残りの2つのカテゴリーに関して解説していきます!