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ロング バケーションのススメ
「若い頃は時間があってもお金が無い、年を取るとお金はあっても時間が無い。」、こんな思いを抱きながら生活してきたが、今、期間限定ではあるものの、時間もお金もあるという稀有な体験をしている。一言にまとめるなら最高。今回はその辺りの話。
理由:転職に伴う有給休暇の消化
転職することになり、溜まっていた有給休暇をまとめて使うことにした。結果、6月は丸々、有給休暇消費に充てている。これほどまとまった休みがあるのは学生時代以来かもしれない。最初の転職の時は有給休暇の消費はせずに、ギリギリまで働いて週明けから新会社のようなスケジュール。今の会社への転職の際は、子供たちは小さかったのに加え身内の不幸などが重なり、休みはあったがドタバタしていた記憶しかない。
自分のキャリアを思い返すと、最長の休暇は2週間程度だったろうか。外資ITになってからは休暇中もデフォルトで仕事メールには目を通していたので、本当に心穏やかなのはメールが海外からも国内からも途絶えるクリスマスから年末年始という時期ぐらい。仕事のメイン関係者には既に退職の話をしてあるので、今は業務メールのほとんどを目を通さないで消している。
効果:デトックスとゆとり
休暇が始まって最初の頃は雑用があって会社に立ち寄ったりもあったのだが、少しずつ手放す状態へと移行した。生活のリズムは何も変えていないので、会社の仕事をしていない以外は特に大きな変化もないのだが、1週間ぐらいした辺りからデトックス効果を強烈に感じるようになった。
一番大きなのは気持ちのゆとり。スケジュールに急かされる感がなくなったということだ。仕事中は公私共々、日々のチェックリストがあり、それをこなしている内に一日が終わるのは当たり前だったが、今はチェックリストがあっても、何をやって何を後回しにするのか、その時の気分で決められる。子供たちが食事中に大騒ぎをしていても普通に許容できるというのも一つの発見。
海外の同僚にこんな長期休暇が初めてであることを伝えると驚かれたが、彼らがいう仕事からのデタッチメントの意味が今更ながらに分かった気がする。
意外なこと:退屈しない
転職を決め、社内手続きを進めていく過程で1ヶ月もの休みを何に充てるべきか考えた。最初は妻の提案もあって海外の友人たちに会いに出かけようかとも思ったのだが、このご時世で諸々の手続きが煩雑なのでそれはパス。国内旅行で感触を掴むところから始めることにした。
それ以外の時間をどう使うか。最初は退屈するのかと思っていたが、日々の稽古や道場関係の業務その他、やることに困ることはまったくない。そしてその場その場の思いつきで長編映画を見たり、過去の武芸資料に没頭して検証したり、本を読んだりしていると学校から子供たちが帰ってきて一日はあっという間に終わる。
社会復帰と次のステップ
7月からは新しい会社で新しい仕事が始まる。転職も3度目となると取り敢えず何とかなるだろうという気持ちが強い。むしろカレンダーで大人の休暇の半分が過ぎたことに愕然。この楽しい時間に対して名残惜しむ気持ち半分、新しい環境を楽しみにする気持ち半分と言ったところか。
年齢的にいつまで働くかは未知数。外資ITに移行して約10年。かなり自由にさせてもらっているので仕事のせいで何か犠牲になっている感はあまりないけれど、経済的基盤がしっかりさえすれば、いつまでも会社勤めをしなくても良いかなとは思う。FIREムーブメント(Financial Independence, Retire Early)はあまりピンとこないが、子育てと会社勤め後のやりたいこと、そのための資金繰りについてはきちんと計画した方が良いだろう。
いずれにせよ、自分に決定権があることが幸福感の基盤。この時間、大切にしよう。