【詩の翻訳】『古い噴水』ハンス・カロッサ
古い噴水
明かりを消して眠れ!ずっと目を覚ましたままの
水音だけが古い噴水から響いている。
しかし同じ屋根の下にいる客は
いつだってすぐこの音に慣れてしまう。
きっといつか、君がもう
夢のただなかにいるときに、家の周りで騒ぎが起きるかもしれない、
井戸のそばの砂利がぎこちない足音できしみ、
水面を打つさえた音が突然止まり、
そして君は目を覚ます、——そのとき決して驚いてはいけない!
星々はみんな揃って大地の上に佇み、
一人の旅人だけが大理石の水盤に歩み寄り、
丸めた手で噴水から水をすくっている。
旅人はすぐに行ってしまう。そしていつものように音が響く。
おお喜べ、君はここでは寂しい思いをし続けることはない。
多くの旅人が星の瞬くなかを歩き続け、
何人もがまだ君のところにくる途中なのだ。