本日の読書 #069 「数感」
参考書籍:『数学に感動する頭をつくる』栗田哲也
第一章 「数感」とは何か より
数感。
著者によれば、音楽の世界に「音感」があるように、数学にも「数感」が存在するという。
我が家はコンサートをよく聴きにいく。
ここ最近は2才の娘でも入場が可能なファミリーコンサートばかりだが、それでも多くの場合、クラシックに触れることができる。
ただ、正直に言おう。分からないと。
コンサートに何度行こうとも、私に「音感」は無いままだ。
感じられるのはせいぜい「キレイな音色だな」とか「木琴の音が好きだ」とかその程度で、たとえば曲を聴いて「悲哀を感じる」といったレベルには到底、至っていない。
本書によれば、音感は急に「身に付く」のではなく、音楽に毎日触れていたらある日突然に「目覚める」ものらしい。
そしてそれは「数感」も同様なのだと。
数学に面白さを感じ、ずっと向き合い続けていると、ある日突然、「数式の美しさ」とか「定理の存在意義」とかが感じられるようになる。
これが「数感に目覚めた」状態だ。
さて、数感についての話はここまでとする。
私は本書を読んで、数年前に読んだ別の本を思い出した。
それは須黒達巳さんの『図鑑を見ても名前が分からないのはなぜか?』だ。
「生物の同定」に関するこの本によれば、「感覚の精度を鍛える」ことで目を養わなければ、生物の違いを見極めることはできないという。
本書には「この写真のうち、どれが蚊でしょうか?」というクイズがある。
虫の写真が6種類ぐらい載っているのだが、これがどう見ても、全てが蚊にしか見えないのだ。
でも著者に説明されるがままに着眼点を絞っていくと、そのうちのたった一つが「蚊」であることが分かる。
そうした様々な目線で繰り返し繰り返し観察することで、いつしか、見た瞬間に生物種が分かるようになっていくのだと。
これを須黒達巳さんは「眼」と呼んでいたが、今回の「感」と近しいものがあると思う。
「音楽」や「数学」に限らず、どんなものであっても「感」を身に着けることができるのではないか。
そしてその条件は、たぶん以下の2つだ。
毎日さまざまな本を読めば、読書感が。
毎日さまざまな文章を書けば、文章感が。
毎日noteに入り浸れば、note感(?)が身に付く。
もちろんこんな条件を満たせるのは「それに熱中している場合」だけだろうから、自分の中から湧き上がるモチベーションを意識して、余すことなく「感」の醸成に活用していきたい。
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