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#004 グリーフについて

●喪失体験した時、心が反応して起こること

大切な人を亡くしたり、大事なものを失ったりするなど、大きな喪失体験をした時に、感じていることを誰にも話せず、心の中に抑え込んでしまっている時、「グリーフ(Grief)」という状態におちいっている可能性があります。
 
死別だけではなく、災害などによって、故郷(ふるさと)などの大切な場所や、そこでの大切な思い出など、形のない物を失うことによっても、同様に、「グリーフ」と言われる状態になることがあります。
 
例えば、大切な人を亡くした時には、以下のような体験をする人がいます。

  • 食欲がない、又は食べ過ぎてしまう

  • 眠れない、又は眠くて仕方ない

  • 涙が止まらない、又は全く涙が出ない

  • 誰かと一緒にいないと不安になる、又は引きこもりがちになる

  • 何も感じない、又は色々な感情がとめどなくあふれてくる

  • 時間の感覚がなくなる

  • 怒りが込み上げてきたり、罪悪感や後悔にさいなまれたりする

  • 人との話の内容や、ほんの少し前のことを覚えていられない

  • 生きていくのがつらい、又は生きる気力が湧いてこない

  • 誰にも自分の気持ちをわかってもらえないと思う

眠れなくなることもあれば、いつも眠くて仕方がなくなることも

●あなたはおかしくなんかありません。

グリーフの状態にあると、上記のような体験をしたり、また今まで体験したことのない未知の感覚に襲われるので、心も頭も混乱し、時には身体にまで影響が及びます。

死別を境に、今までと世界が全く変わってしまったように感じる人もいるかもしれません。その人にとって、大切だった何かがもぎ取られてしまったように感じたり、心や胸のあたりにぽっかり穴が開いてしまったように感じる人も多いでしょう。

また、いつもなら、何の苦もなくできていたことが、死別を境にできなくなってしまった時や、相手が話している声は聞こえていても、中身がなかなか入ってこなくて理解ができない時、常に亡なった人や亡くなった時のことを考えて眠れないことなどが続いている時には「自分はおかしくなってしまった」とか、「このままでは自分の頭がおかしくなってしまうかも…」などと思う人が多いのですが、大切な人を亡くしたときには自然な反応なのです。
 
ところが、こうした状態のままでいると、周囲の人からは「なんだかおかしい」とか、「人が変わってしまった」ように思われてしまい、さらに心を閉ざしてしまう方も多いと思います。

●「グリーフ」の状態は、自分の心を守る自然な防御反応

「グリーフ」にある人は、そんな自分のことを、誰もわかってくれないと感じます。すると、苦しかったり、困ったことがあったりしても、周囲に助けを求めることができずに、ひとり苦しむことになってしまうのです。
 
「グリーフ」の状態は、大きな喪失体験をした時に、自分の心がこれ以上傷つかないようにするための防御反応で、自分の心を露わにしないことで守る自然な対処法です。
 
しかし、心に湧き上がってくる感情や考えを抑え込んだ状態が長く続くと、心身だけでなく、人間関係、自分の生きる意味や生きがいなどにも影響を及ぼします。

●悲しみと向き合えるようにするには

そうならないようにするためには、喪失に伴って湧き上がる、後悔や自責の念を始めとする感情や、思いを誰かに話すことが必要になります。自分の話しに共感してもらえたり、話したことをありのまま受け止めてもらえると、少しずつ心の中が整理されて、自分で心を開けたり閉じたりコントロールできる余裕が生まれます。
 
普段でも、自分の感じていることを言葉にするのは難しいものです。特に初めて体験している感覚は、なんと言ったらいいかわからず、人に伝えることができないと感じる人も多いと思います。
 
まず大切なのは、どんな言葉づかいや表現方法であったとしても、それをダメだと否定したり、途中で話を遮ったりせずに、最後まで話を聴いてくれる人に話を聴いてもらうこと。そういう安心感のある信頼できる人に、勇気を出して、自分の心のフタを開けて気持ちを外に出してみることです。

それが拙い表現でも、言葉にすることによって自分の状態を把握することができます。
 
また、自分の気持ちを外に出すためには、話すだけではなく、文章を書いたり、絵や音楽で表現することでも同じように気持ちの整理をつけることが可能です。

自分が表現したものは、自分の気持ちを目に見える状態にしたものだとも言えます。見えなかったものが見える状態になると、自分と向き合いやすくなり、気持ちの整理もしやすくなっていくのです。 


【大切な人を亡くして、どうしたらいいかわからない方へ】

(株)ジーエスアイでは、死別や喪失体験をして苦しいけれど、誰に相談していいかわからない、安心して相談できる人が思いつかない、という方に対するご相談をお受けしております。

カウンセリングや分かち合いの会などに参加する前に、どのような状況なのかをお聞きした上で、グリーフサポートの専門家が最適なサポートメニューをご紹介させていただいておりますので、お気軽にご相談ください。

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