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【清水由起のデータから読み解くギフト事情 vol.4】企業がギフトの利用価値に注目!!多様化する「法人ギフト」


対消費者/取引先/従業員に加え、自治体案件でも伸長

企業から贈られるギフトを指す「法人ギフト」は、主に、BtoC向けの販促ギフト、取引先との関係構築を目的に贈られるBtoB向けの進物(中元・歳暮含む)、従業員や内定者に贈られるBtoE向けの社内ギフトに大別することができる。

2019年以前は、法人ギフトは好調な景気感と共に増加の一途をたどっていたが、コロナ禍では多くの企業が予定していたイベントや展示会の中止や縮小を余儀なくされ、対面がメインとなるノベルティ配布の機会を失った。また、従来セールスプロモーションに投資していた予算を大幅に削減するようになり、2021年中頃まで市場は停滞が続いた。

しかし、2021年下半期以降は、配布するアイテムや配布方法・シーンを見直し、法人ギフトの最適化を図る企業が増えている。BtoBやBtoEの分野でのギフトシーンも多様化し始め、企業がギフトを利用することの価値に注目が集まっている。
特に、BtoEギフトである福利厚生のシーン拡大の勢いが増している。

また、法人ギフトには、自治体から住民(GtoC)に対して贈られる現金以外のギフト(長寿ギフトや子育て支援ギフト等)も含んでおり、昨今は同分野の施策を手厚くする自治体が増えていることも追い風となっている。


注:2023年は見込み値、2024年は予測値
(株)矢野経済研究所調べ

1:販促用途では顧客の囲い込みを企図して単価上昇傾向

法人ギフトのうち、来場特典や呼び込みなど、金銭の授受無しに配布する「ノベルティ」は、景品表示法上の理由から、ティッシュやボールペン、クリアファイルといった低単価のアイテムが占めている。


一方、商品の購入や契約を交わした際など金銭の授受の上で贈られる特典を「プレミアム」と呼ぶが、低価格のものではペットボトル飲料等に付けられるエコバッグなど、高単価のものでは保険や自動車の成約特典として贈呈されるカタログギフトや旅行券などが挙げられる。
昨今はバラマキ型のノベルティより、顧客の囲い込みに焦点を当て、高単価で高品質な商品の需要が高まっており、今後も企業間競争のさらなる激化に対してプレミアムギフトがより広い領域で活用されることが予想され、価格帯の幅は広がっていくと見られる。

2:福利厚生用途ではエンゲージメント向上目的でも着目

永年勤続やインセンティブ、周年記念といった、古くから福利厚生を代表するシーンは現在も多くの企業で活用されているが、昨今は人材の流動化が激しくなり、社員の転職・離職などによる流出を最小限に留める目的として、日々の勤労への感謝の意を込めて定期的にギフトを贈呈することで従業員のモチベーション維持向上につなげようとする企業側の意思がより活発化している。

さらに、働き方改革関連法の施行やコロナ禍での在宅勤務の浸透を背景に、社内コミュニケーションやエンゲージメントの向上としても福利厚生が注目されている。

こうした福利厚生需要を牽引している新たなギフトシーンの具体例としては、繁忙期の業務への労いギフト、業績表彰・社内コンペでの表彰、誕生日祝い、出産祝い、内定者への内定祝いギフト、従業員の家族へのサポートのお礼ギフトなどが挙げられ、シーンや贈る相手の多様化が特徴となっている。


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