本『いつか別れる。でもそれは今日ではない』
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『いつか別れる。でもそれは今日ではない』
著 : F
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大学生だった頃、
糸を絡める様な暗い感情の入口に立っていた本。
全ての不確定を愛しながら、
全ての確定を直視できない侭に独りで読んだ本を
喧騒の都会で再び読んだ。
耽溺の代わりに乳酸を纏い
起きれない日々が眠れない日々に替わった中で、
それでも鋭利に言葉が感覚を研いでくれた。
受け取る印象は全く違う筈なのに、
やはりほんの少しだけ孤独をくれた。
他人の代わりに私を見せてくれる本だった。
学生は思い立つままに旅をしろ。
私も未だ旅をしようと思う。
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