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日々の食事に 〜五観の偈〜
鎌倉などを観光して良く精進料理を食べることがあると思う。
一つの観光名所であり、鎌倉に来たという食を通しての体験になる。
若者もインスタ映えにもなるので、
食事をしている光景を良く見る。
しかし精進料理を通して、その料理の考え方まで体感してもらいたいと思う。
精進料理には五観の偈という思想が組み込まれている。
【五観の偈】
一つには巧の多少を計り彼の来所を量る
二つには己が得業の全缺を忖って伴に応ず
三つには心を防ぎ過を離るることは貧等を崇とす
四つには将に良薬を事とするは形枯を療ぜんがためなり
五つには成道のためには故にいま此の食を受く
ちょっと難しい‼
簡単にすると
1つ目は
この食事が運ばれるまでに多くの人の労力と神仏の加護があるので、それに感謝すること。
2つ目は
この食事を頂くほどの徳行を積んでいないことを理解し、頂けることを過分に思う。
3つ目は
この食物に向かって貪る心、厭う心を起こしません
4つ目は
この食事は天地の生命を宿す良薬と心得ております
5つ目は
悟りを開く道の為にこの食事をいただく
最後の5つ目は仏教の教えがあるが、
ここは個人的には抽象度を下げて、自分が生きていく為にと捉えても良いと思います。
これを感じながら食事をすることで、本当の精進料理となる。
インスタ映えなどの、自分の承認欲求や経済活動などの枠組みで精進料理を食べたとしても、なんの意味もない。
食とは命に向き合う時間であり、
食べるものではなくいただくもの。
栄養信仰で栄養を手早く接種している現代は身体だけ大きくなり、
精神は成長していないことに気が付かされる。
精神への栄養補給は
精進料理によって現代人にも受け継がれることができるはずだ。
高級な松茸だから大切に食べる、安価な大根だから粗末に食べるのではなく
平等に大切に食べることで、社会の差別もなくなる。
高級だから有り難いというのは、資本主義が染み付いた我々には考え直さないといけない価値観だ。
日々の食事に五観の偈を取り入れるだけで、
温かく、豊かな生活ができるのではないでしょうか?
この記事を読んで頂き、あなたに感謝申し上げます。