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救いたかった友達。
※ ちょっと重たい話です。珍しく。
今でもふっと思い出す人が私にはいる。
その子はリク(仮名)という友人だ。
たまたまnoteでリクを思い出す記事を読んだので、書いてみようかなぁと思う。
彼女に会ったのは、働き始めた頃。
同期入社だった。
年下の子が多い中、1つ年上のリクと良く話すようになった。
平日休みだった為、同じ会社に勤めるリクと時間が合うようになり。
職場も同じで話も合うし。
休みの日は遊びに行くようになった。
そんなある日、車でドライブ中。
彼女が私にこう言った。
「実はさ俺、女の子が好きなんだよね」
びっくりした。
確かに彼女の一人称は俺だったし。
服装もボーイッシュだった。
でもそういう子もいるしなという、認識でいたから。
まさかそう言うこととは思いもしなかった。
LGBTQって知ってる?と聞かれ。
当時はそんなポピュラーな単語ではなかったので、キョトンとしていたら。
自分はそれで、女だけど男として生まれ。
女の人が好きなんだよねと。
しゃんは友人としてこれからも付き合っていきたいから話そうと思ったと。
正直そういう性の子に出会ったのは初めてだったけど。
友人として私は彼女が好きだったから。
友達として変わらず付き合っていくよと返事をした。
後から聞いたら、私の反応にリクは凄いびっくりしたらしい🤭
私があまりに普通のことを聞いたみたいに、反応したから。
いや、めちゃくちゃびっくりしたけどね🤣
しゃんは、女としてみれないから恋愛感情もったりしないから安心してとも言われた。
超失礼🤣
そんな感じでリクと友達として付き合うようになった。
飲みに行ったり、リクの運転でドライブしたり。
共通の友人も入れて、ワイワイ楽しく遊んでた。
リクは繊細な子で。
よく悩む子だった。
真面目な人だったんだろうな。
仕事の事、恋愛の事をよく私に相談してくれた。
しゃんは幸せそうでいいよな。
リクは、よく私にそう言っていた。
でも正直、私はそれが悩みだった。
私にだって悩みはあるし、苦しい時もあるのに。
リクは、私には悩みがなく幸せそうだという。
そんな感じだから、私が相談することもなく。
聞く一方で、それがちょっと辛いなぁと思っていた。
リクの事情をしる共通の友達も他に何人かいたのだけど。
何かあって相談をうけるのはいつも私で。
サウンドバックのように一方的に悩みを話され。
苦しい時もあった。
それでも、リクは私には素を出して弱いとこをみせてくれてるのだからと。
悩みを聞いてあげていた。
そこから何年かの付き合いがあり。
それぞれ会社をやめ。
お互い違う仕事に就いていた頃。
リクがとても大好きだった、彼女と別れた。
何度か今までも失恋して落ち込んでたのを支えてあげたことはあったけど。
今までにないくらいの落ち込みっぷりだった。
毎日のように、泣きながら電話がかかってきて。
休日は、もぬけの殻になったリクと気晴らしに出かけたりもした。
リクは、鬱だったんだと思う。
正直、私も辛かった。
ただ悩みを聞かされ。
解決しないまま、何日も経過し。
話す度に、おまえは悩みがなくて幸せだと言われ。
共通の友人に、私も鬱になりそうだと相談をしていた。
そんなある日だった。
突然、夜にリクから電話が来たのは。
「なぁ、しゃん。俺これから死のうと思う。」
呂律の回らないリクにびっくりした。
オーバードーズしたらしい。
何言ってんの?
しっかりして?
どこにいるの?
しばらくして、電話が切れた。
明らかに様子がおかしい。
家にいるということだけ、わかったので。
私は、車がなくすぐ駆けつけれないから。
悩んだ末に、救急車に連絡しリクを助けて欲しいという旨を伝えた。
搬送先の病院を聞き。
後から、共通の友達と合流し病院に向かうと。
意識が朦朧したリクが点滴をして、横になっていた。
横にはリクの母親がいて。
連絡してくれてありがとうとお礼を言われた。
リクは、その後持ち直したが。
その後も何回も、自殺未遂をした。
その度に私に電話をかけてきた。
「今から死ぬ。」
と。
私は、その度にリクの母親に連絡したり救急車を呼んだ。
次第に私が辛くなってきた。
私が鬱になりそうだった。
私が電話に出ないとリクが死ぬという脅迫観念に襲われて。
とにかく、このままだと自分が駄目になるというくらい追い詰められていった。
リクは本当は死ぬ気がないのもわかっていた。
私が止めるのもわかっていたし。
止めて欲しくて電話をしてるのも知っていた。
死なないギリギリのラインを繰り返していた。
友達と相談し、もう私たちに出来ることはない。
彼女は病気だ、私達には救えない。
しゃんもこのままだと、もたない。
ここは、親と先生にまかせて。
自分の為に少し距離をおこうと。
良くなった頃にまた会おうと。
それで私は彼女と距離をおくことにした。
暫くしてリクは、入院した。
長い入院生活になったらしい。
病院で同じ病の彼女も出来たらしい。
退院後、彼女と暮らして幸せにやってるというので。
私の出る幕はないなと。
それからも、リクと会うことはなかった。
それからまた何年かたち。
「リクが、亡くなった。自殺だったらしい」
という知らせがきた。
どうやらその彼女と別れ、絶望したリクは死を選んだようだった。
なんとも言えない気持ちになった。
幸せに暮らしてると思ったのに…。
今でも思う。
あの時の私の対応が違ったら、リクは生きてたのかな?と。
私の対応は間違ってたのではないか?と。
今更、悔やんでも仕方ないのだけどね。
たまに、ふっとリクの顔を思い出します。
リクが生きていたら。
今の私をどう思うのだろう。
結婚して、子供がいて、母親になった私になんていうだろう。
相変わらず、おまえは幸せそうだなと笑うのだろうか?
リク、私は幸せに生きているよ🩷
生きていれば良かったのに、人生は色んな事があって楽しいよ。