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「抱っこ!」3歳の息子がせがむたびに思うこと
「抱っこ!」
3歳の息子は、ちょっとでも疲れたり、機嫌が悪くなったりするとすぐに抱っこをせがんでくる。
買い物中でも、公園でも、家の中でも関係なし。
「また抱っこ?歩こうよ」と言いながらも、結局抱き上げてしまうのが常だ。
SNSでは「抱っこ癖は良くない」とか、「たくさん抱っこしてあげたほうがいい」とか、いろんな意見が飛び交っている。
でも正直、僕はそんなことを気にしたことがない。
なぜなら、抱っこは最高の愛情表現だと思っているからだ。
僕が覚えている最も幼い記憶
34歳の僕が、今でも覚えている一番幼い記憶。
それは、母親に抱っこされている瞬間だ。
たしか、幼稚園の入園の日だったと思う。
不安でいっぱいで、どうしても行きたくなくて、玄関で大泣きした。
そんな僕を、母は優しく抱き上げ、
「大丈夫、大丈夫」と背中をぽんぽんと叩きながら、あやしてくれた。
あの時の母の温もりも、柔らかさも、なんなら匂いまで覚えている気がする(笑)。
その記憶だけが、ずっと僕の中に残っている。
だから、抱っこというか、ハグというか、そういう類の愛情表現が子どもにとってどれだけ大切か、僕は知っている。
なぜなら、自分自身がそうだったからだ。
「抱っこ」って結局何なのか
世の中にはいろんな育児論がある。
「抱っこしすぎると自立できなくなる」とか、
「抱っこをたくさんした子どもは自己肯定感が高くなる」とか。
でも僕が思うのは、
抱っこはただの移動手段じゃないということ。
抱っこは、
「君のことを受け止めているよ」
「君はここにいていいんだよ」
っていう、無言のメッセージなんじゃないか。
だから、息子が「抱っこ!」と言ってきたら、僕は迷わず抱き上げる。
たとえ腕がパンパンになろうとも、
たとえ周りの目が気になろうとも、
たとえ「歩いてよ…」と心の中で思ったとしても。
だって、いつか必ず、抱っこをせがまなくなる日が来るのだから。
その時、僕の腕にはもう息子の重みはなくなってしまうのだから。
だから今は、求められる限り抱っこしようと思う。
だって、もしかしたらいつか、息子にとって「一番幼い記憶」が、この抱っこの時間になるかもしれないから。