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再帰動詞的休日
「再帰動詞」という文法用語がある。
英語では myself を使って、
I pride myself on having a sense of art. 私は自分の芸術的センスを誇りに思う。
のように使う。
スペイン語やフランス語にもある。むしろ英語よりも概念としてはわかりやすいかもしれない。(フランス語は「代名動詞」という)
たとえばフランス語なら
Je me lève à six heures. 私は私を6時に起こす=私は6時に起きる
となる。
今日の外出、それは私にとって休日となるが、この半年を振り返り、あまり良いことが起きなかったことを鑑みて、この1日を「再帰動詞的休日」と名付け、自分に対して特段に寛容的になることを決めた。
手始めに、私は私を褒めた。
私は知的で美しく魅力的ある。
私は人に親切で温かく接することができる。
私はどんなときも笑顔を忘れず感謝して過ごすことができる。
次に、私は私に大変美味しい食事を食べさせた。
今日はけして雑に食事を摂ってはいけない。何せ、私は私の上客なのだ。
数日前に調べておいた「肉寿司」なるものを、美味しくいただいた。
それから、私は私が欲しかったものを、躊躇せずに購入した。
こちらも、数日前からネットでいくつかのブランドを見て回っており、欲しいと思うイメージにあったモデルが見つかったので、実物を見て買おうと思っていた。
ところが、何店舗かに問い合わせてもそのモデルは在庫切れだという。
オンライン注文はできても、それは高価なもの。プロレタリアの私は、まず試着をしてからでなければ買うことができない。
欲しいモデルではなかったが、在庫のあるという店舗が見つかり、そこへ行くと…
なんと欲しかったモデルが入荷していた!
私は私の幸運を喜び、感謝した。
こんなふうに、私は私の再帰動詞的休日を、心から楽しく過ごすことができたのだ。
あとは、私は私の請求書を見て私に対してため息をつくのみだ…