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纏いたい香り
小さい頃から香りのするものが好きだった。しかし、どんな香りが好きなのかを言うのはとても難しい。
去年の2月くらいから、試した香水を片っ端からリストアップし、5段階評価で好きから苦手までを記録していった。
あまりの試香の多さに途中で止めてしまったのだが、もし香水選びを迷っておられる方はぜひリストをつけてみてほしい。
そのリストを香水店や香水フロアで販売員にみせれば、たちまちいくつか見繕っていただけるので、とても便利だ。
リストは「好きか嫌いか」だけを評価しているが、眺めていると香水には
1.良い香りかどうか
2.好きな香りかどうか
3.纏いたい香りかどうか
の3つの評価基準があるのではないかという気がしている。
1の良い香りかどうかについては、ミシュランガイドのような評価本もあるが、何をもって「良い」と言えるのかは非常に難しい。
エポックメイキングなのか、発表から現在に至るまでマーケットに残り続けていることなのか、他の芸術と同じように普遍的なものがあるのか、私にはそれを論じるだけの知識も知性も持ち合わせていない。
2と3については密接ではあるが、私は若干異なるものだと思っている。
今回は纏いたい香りに焦点をあててみたい。
纏いたい香りの第一条件は、言わずもがなその香りが好きかどうかだ。
その中で好きだけれど自分が纏う香りではないと思うものがある。
私にとってのそれはChanelのNo.5がそうだ。若い頃は使ってみたこともあるが、今はNo.5がもつ「格」のようなものに私がついていけてないように思う。
纏いたいけれど実際に肌に乗せるとうまく香らないものがある。
私にとってはレザー系の香り、スパイス系の香りなどがそうだ。
次が、自己イメージに合う香りだ。
私自身、自己イメージをあまり持ってはいないけれど、ヘアスタイル、メイク、服装、アクセサリーなどを統合すると、女性的なフローラル系でパウダリーな香り、たとえば
Diptyque : Fleur de Peau
L'artizan Parfumeur : Passage D'enfer
Perris Monte Carlo : Mimosa Tanneron
Guerlain : L'heure Bleue
Frederic Malle : L'eau D'hiver
Les Prfums de Rosine Paris : Vive la Mariee
などがそれにあたる。
これらの香りの共通点はパウダリー、粉っぽさという点だが、他にも優しいとか、きれいな香りとか、安心感というイメージを持っている。
纏いたい香水の条件には季節や天候、あるいはその日の気分といった要素も大きいが、上記の香りは外出時も在宅時も、寝香水としても、季節や場所を問わず定期的に纏いたいと思うものだ。
私の香りの原点は和光堂のベビーパウダー(シッカロール)なのかもしれない。
幼いころから、夏のお風呂上りに母がはたいてくれ、夏風が肌を撫でる時にふんわりと香ってくる白い花とムスクと粉っぽさが、清潔感と幸福感と安心感の象徴だった。
今でも夏のみベビーパウダーを使っている。熱風と防犯上、窓を開けられず、エアコンで過ごすことが多くなった昨今、夏風に乗って漂ってくる香りの感覚は失われてしまったが、相変わらず安心感の象徴であることに変わりはない。
月曜日の朝、さてどんな香りを纏おうか。