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3つのランプ点灯の法則

人が行動を起こすためには、「知るきっかけ」が3回必要だと聞いたことはありませんか?

ぼくはこの話を聞いたときに、ものすごく腹落ちしたのを覚えています。


みんなの胸にウルトラマンみたいなランプが3つあるイメージ

テレビに出たのに、本が動かない(売れない)。一方でラジオで紹介されたら、すごく動いた(売れた)。この現象は、いったいどういうことなんだろう、と考えたのです。

ぼくが頭の中にイメージしたのは、みんながそれぞれの胸にウルトラマンみたいなランプを3つずつ持っている状態。

たとえば、テレビのゴールデンタイムの番組で紹介されると、たくさんの人が見てるので、街中にいるみんなの胸のランプがバーッと無数に光る。

それでも、みんなのランプはまだ1つしか点灯していません。

翌日、学校や職場に行くと、その話題になります。
「ねー、昨日の金スマみた? 私、あのダイエットやろうと思うんだよね」「あー見たよー、面白かったよね」

ランプ2つ目の点灯です。

ここでもまだ買いません。
気になるけど、買うまではいかない。

週末、家族でドライブ。
車内で不意にかかったラジオで、この本の著者がゲストで出てきます。

旦那さん「えー何この人面白いね」
奥さん「この間、金スマでやってて、気になってたの。会社の人も、買ったって言ってた!私も買ってみよう!」

ここでやっとランプ3つ目点灯。
コンプリートです。

よくある日常の話なので、当たり前のように聞こえるかもしれません。けれど、PRがうまくいってないという場合、たいていは、こんなふうにみんなのランプがまだ1つか2つしかついてない状態、ということが多いんです。

「そんなにメディアに出る必要ありますか?」

僕がこの話をするようになったのは、著者や編集者の方々から、「そんなにメディアに出る必要ありますか?」「テレビはいいけど、ラジオに出る必要ありますか?」という質問をよくされるからです。
そんなときは喩え話として、この話をします。

すると、「たしかに、自分自身がモノを購入しよう、と思うときもそうだな」と深く納得してもらえるようです。そして、「よし、ランプを3つ点灯させよう!」とやる気になってもらえます。

テレビなど影響力のある大きなメディアで紹介されたとしても、点灯するランプは1つです。

たくさんの人たちのランプを光らせることができても、光るのは、それぞれの人が持っている3つのランプのうちの1つだけ。一気に3つを光らせることはできないんです。

けれど、ほとんどの人たちは、ここでやめてしまいます。

面白いのは、これが大きなメディアである必要はないということです。友達からの一言、フリーペーパーでの紹介記事、電車に乗っていたときに目の前に座っていた人が読んでいた、といったきっかけでも、テレビで知ったときと同様にちゃんとランプ1つが点灯するんです。

メディアの方に、本や著者を取り上げてもらう確率をあげるためにも、3つのランプを光らせるという手法が有効なのは同じです。そこで、メディアの方の中の3つのランプが点灯することを目指して頑張ります。

ぼくはいつも、みんなの胸に3つのランプがあることをイメージしてPRしています。

「お花屋さんを開くとしたら」で考える3つのランプ

ここで、たとえば「もしぼくがお花屋さんを開くとしたらどんなPRをするか」を、この3つのランプ点灯の法則を使って考えてみることにします。

家賃が高いので駅前には出店できず、駅から7〜8分ほど歩いた場所に出すことになったとします。でも、センスはあって駅前のお花屋さんには負けていない。知ってさえもらえれば、みんな来てくれるはず。そんなお花屋さんをPRしていきます。

【ランプ1】 毎日1投稿、1日1PRでSNSの投稿

1つ目のランプは、やっぱりInstagramなどのSNSでしょう。地元の人や、車で通りかかる人にも、買ってもらえるようにSNSはスタートします。これは地道にやる必要がありますが、絶対に必要です。毎日1投稿(1日1PR)を続けます。

【ランプ2】 ついつい人が言いたくなるお花屋さん

2つ目のランプは、そもそもどうやって、最初のお客さんにきてもらうかです。”やれることは全部やる主義”のぼくとしては、SNSだけでは心配です。ぼくの経験上、3人の濃いお客さんをつかまえると、あとは口コミで広がっていきます。そのためにも、濃いお客さんを見つけたい。

そこでどうするか。駅前のビラ配り? 地元のフリーペーパーに広告を出す? これは絶対にやりません。

「ついつい人が言いたくなるお花屋さん」これがポイント。

ぼくはお花屋さんの近隣で、お花が必要なカフェやレストランを運営している方などを探します。そして、InstagramのDMやHPのお問い合わせフォームからご連絡します。

「お店ができまして、いま10店舗限定で、お客様のカフェをイメージしたお花をプレゼントしています。もしよろしければ、一度、ご挨拶させていただいてもよろしいでしょうか」

もちろん、会う前にそのカフェのことを調べて、どんなお花があうのかをイメージしておきます。お会いしたときに、イメージをできるだけ細かく聞いて、後日お持ちすることを伝えます。さらに、2つの質問をします。1つ目の質問はこれです。

「いまお花を買われる際に、お困りごとはありませんか?新しくこのエリアにお店をだしたので、みなさんがどんなことにお困りかを聞いて、少しでもお役になれるサービスをつくっていけたらと思っています」

その答えの中に必ずオンリーワンのサービスをつくるヒントが隠れているはずです。もう1つの質問は…。

「いま、サービスであと8店舗にお花をおつくりできるのですが、お知り合いでお花が必要な方はいらっしゃいませんか?」

地元で長くやっているお店の方なら、業種を問わず素敵なお花を必要としている方を知っていて、紹介してくれるかもしれません。

そして重要なのはもちろん、次回訪問時に、圧倒的に素晴らしいお花を持って行くことです。「こんなお花屋さんあるんだなー」、そう思ってもらえるように全力で考えなければいけません。この1回が自分の人生を変えてしまうターニングポイントだと考えます。

詳しくはこちらのnoteを参考にしてください。

【ランプ3】 毎日一つ新しいサービスを考える

最後に3つ目のランプです。

来店したお客さんを徹底的に満足させるサービスを行います。
「何このお花屋さん、めちゃくちゃ親切なんだけど!」そんなサービスです。お花を買った人が、そのお花を持っていくパーティや、持って帰る家で、「なんか今日のお花屋さんすごかったんだけど!」と言いたくなるぐらいです。

”毎日一つ新しいサービスを考える”を日課にします。他業種がやっているサービスを徹底的に研究して、毎日試していきます。うまくいったものを続けて、駄目なものはやめる、それを繰り返すうちにオンリーワンのサービスができていきます。

ちなみに、こういったお花屋さんは、めちゃくちゃ忙しくてお客さんを待たせてしまって対応できないときがありますよね? そんなときは、可愛いカードを用意しておいてください。

「ごめんなさい! 今日混んでてお時間かかっちゃうんですけど大丈夫ですか? もしまたいらっしゃるときがあれば、このカードをお持ちください。お好きなお花を1本サービスさせていただくカードです」

こうやって、すべてのお客さんにホスピタリティをだしていきます。

ぼくがお花屋さんをオープンさせるとしたら、この3つのPRを行います。メディアに売り込むことだけがPRではありません。どんな方法でも、3つのランプが点灯すれば、人の心は動きます。

メディアへのアプローチはいつするの?

最初からメディアにアプローチすることはしません!

なぜなら、この段階ではまだメディアの方々が取材したくなる「ネタ」がないからです。

この3つの施策の強みは、口コミを生み出す力にあります。ネットやSNSがなくても、結局、口コミが最も強力なのです。

口コミによって「3つのランプ」を点灯させることができれば、それ以上に効果的な方法はありません。

口コミが広がれば、地元で有名なお花屋さんになり、芸能人が噂を聞いて買いに来ることもあるかもしれません。

そうなれば、地元の新聞やメディアに取り上げられ、自然と取材が来るかもしれません。

ここで、ようやくメディアにアプローチをします。

例えば、お客様に喜んでもらった場面に密着取材ができる人を見つけ、母の日やクリスマスの特集でテレビに提案するんです。

「母の日に(クリスマスに)、このお花屋さんのお客さんたちが、誰にお花を渡して、どんなドラマがあるのか見てみたくないですか?」

「実際に、当店のお客様には、こんな方々がいらっしゃいます。取材の相談も可能です」

こうして、身近な場所で点灯しはじめた「3つのランプ」が、メディアの力を借りて、さらに多くの人たちのランプの点灯へと広がっていきます。

ぼくがPRするときにいつもイメージしているのは、このみんなの胸の中にある「3つのランプ」なのです。





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