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【勝手な詩】 ウヰスキーペプシのしあわせ

琥珀の川が、
ペプシの波間に揺れる。
氷の船は、グラスという湖を漂い、
気泡が星々のように踊る。

ひとくち、
甘さが舌先を抱きしめる。
ほろ苦さがその後を追い、
まるで夢が通り過ぎた夜明けのようだ。

バブルの中で生まれる夢は、
ウヰスキーの深淵に溶け込み、
ペプシの軽やかさに運ばれて、
記憶の岸辺へ届く。

耳を澄ませば、
グラスの中に小さなオーケストラ。
氷の割れる音が指揮を取り、
炭酸の泡が笛となり、
アルコールの影が太鼓を叩く。

それはしあわせ。
壊れやすく、儚く、でも確かなもの。
夜の片隅に佇む二人の囁き、
または一人きりの静かな祝祭。

ウヰスキーペプシ、
君は偶然と調和の産物。
誰かが落とした天の欠片、
一杯の中に詰まった無限の宇宙。

飲むたびに、
時が少しだけ柔らかくなる。
そして、しあわせは氷とともに溶け、
また次のグラスへと誘われるのだ。

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