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【勝手な詩】 空が忘れる前に
雨が降りそうなとき、
空は密やかな青に溶け、
骨の奥から軋む音がする。
雲が言葉を忘れ、
風は指を絡ませて踊る。
体は空の予言を聞き取ろうと、
鉛の靴を履きながら
乾いた砂の上を歩く。
一歩、また一歩。
呼吸は鳥籠の中、重たく響く。
木々が耳を傾け、
土が何かを隠そうと囁く。
「まだだ、まだだ」と、
遠くで水音がこだまするが、
誰も見たことのない川が
心の中で溢れ出す。
雨はまだ来ない。
でも、調子が悪い。
誰がその理由を知ろうか?
空と体は、遠い昔からの
秘密を共有しているだけだ。
静かに崩れていく自分に、
誰も気づかぬまま。
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