竹林整備8・・番外―庭木編(ナンテンの剪定・伐採)
今朝の、早朝の風景。一本遅めの電車を使う。
オババの家の近くまできた。ちょっとした坂道。その脇に、蓮池(正確には、ヒツジ草)がある。そこに氷が張っていた。
その池の脇を横切る小路に、セキレイがちょん、ちょんと道を渡り、池にドブン?(あれ、消えた・・)いや、氷が張り詰めた池の上を、セキレイがスケートをするかのごとく、ちょんちょんとしていた。
なぜか、オババ当たり周辺は、陽があたるのがおそく、一段とひえこむ。
家についても、鍵がかかってはいれない。先日の、格闘の残骸の痕を、みてまわる。オバアが、すでに片づけた模様。
焼き場のそばには、珍しく葉の付いた小枝、枝、太い木と分別してわけられていた。
じゃあ、今日は、どんな仕事じゃろう?
と、玄関のチャイムを鳴らす。オバアは、耳が遠いので、なかなか出てこず。
3度目ぐらいに。「あ、あんたか!」
裏の鍵をあけてもらって、通称お勝手口から、入り込む。
状況を一通り聞いて、寒いから、ストーブの前に座り込む。
が、私が聞いてないって思っても、オババのひとり言「こんなに寒いのにでてくるなんて、気がふれたかも・・」とはっきり聞こえていた。
実家あたりでは、言葉は刃のごとく、口が悪い。
聞き流して、突然、刃は、刃返しをするのが、私の流儀。
だけど、オババは、物忘れか、性格なのか、その都度気分がコロコロかわるんで、ききながし。
今日ほめた言葉も、次の日には、悪口にかわっているから、今頃、ズタボロにいわれているが、気にせず。
仕事は、少し早いが、裏庭のオヤジが植えた水路沿いのナンテンの剪定かつ伐採。こじんまりさせたいようだ。
陽がさしてきたのは、9時30分ぐらい。何本あるか、数えたことがないが、垢隠しなのか、「難を転じて福となす」のためか、謎。
ノコは、15センチノコを使う。
黙々とマイペースで、やるのが私なので、オバアは、それを熟知して、「歩きに行ってくるわ!!」とでかける。
今年実がつかなくてもいいから、短くすくようにして!!のご依頼。
剪定バサミも持たず、ただ、実の付いたナンテンをねらい、根本を確認しては、ノコをいれる。それの繰り返し。
短時間でも、休憩する。中庭で、炭酸水を飲んでいたら、なんか赤い羽織を着た人の気配がして、靴音のような?誰かきたのかな?
その謎の人の気配を感じたのは、2度。2度目は、帰ってきたオババに見に行ってもらった。「誰もおらんよ!」「ほんなら、静子バア(祖母)かもしれん(幽霊)」
言葉の刃返しは、1度目のときにでた。「信用金庫の人かもしれん?」
近所の目は、見られていないようで、光っているのが田舎。
「近所の人がなにか言うたら、気のふれた下の娘が・・というとって!」
オババ、激怒?「自分の娘のことをそんなこというかいな!そんなこと言うなら、もう来んでもええ!!」
時間差で、それぞれお昼ご飯を済ませる。わたしは、日清のカレーヌードルあっさり。いつも、その匂いがオババの食欲をそそる。「なんかいい匂いやなあ~。今日はカレーか・・」
オババは、私がナンテンに取り組んでいるときに、姉のお手製の食事をとっている。
山椒の木が一本あって、その辺りがいつも、草木、ツタで、山椒の若葉(葉芽)が出始めた頃、採りずらいとおもい、周囲をさっぱりさせた。
姉が季節になると、五平もちづくりをするからだ。
そして、その山椒の木も、もう古くなって、昨年から朽ちた枝木がツタで絡まって、ぐちゃぐちゃだったので、整理していたが、寒い時期、ツタもまだ伸びておらず、手の届かないようなところは、剪定して、腐った部分を取り除いておいた。
剪定・伐採ゴミは、一か所に集めて、山のようになってしまった。
最後、廊下で、オバアが、日向ぼっこしながら、編み物。自分は帰り仕度の準備。今日の仕事内容を話して。「あ、そや、今日は、叔母さん(K子さん)の命日やった!!」と、オバア。「そやもんで、人の気配がしたんやなあ・・」
オバア、「せんべい、食べる?」「仏様に供えてあるやつ?」
「綺麗に、封をあけんと・・」「ええわ、ええわ、バリっとやってしまえ!!」
「缶入りやね・・」「缶が役にたつねん!」
「私なんか、缶がじゃまだから、封を開ける前にピンピンとやって、缶とわかると、封開けずに誰かに食べてもらってるよ」
オババ、「しょうゆ煎餅がええなあ・・」と、言って、無邪気にパリパリ。
「あんたも、好きなもの、持ってけ!!」
「しょうゆ煎餅・・少しもらってくわ・・」
オババ、「また、呼び出すかもしれんし、気が向いたら、遊びにくるだけでもええよ!」と。
たわいのない会話。
(叔母は、昨年、コロナ禍のおり、フレィルがひどくなり亡くなった。オババよりも年齢的に若い。)
元気でいることが、一番!と、メールが入っていた。
追伸:今日から、「村の小人」から、「裏庭のトットちゃん」に変更しました。自分がいて、安心できる場所は、オバアの家の裏庭と竹藪だからです。
何かに躓いたとき、落ち込んだ時、逃げ場は、裏庭なんです。
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