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お金はちょっと足りなくらいがいちばん楽しい!/夫の遺産、足りなくてありがとう
およそ3年まえ。わたしが42歳のとき。
夫が突然亡くなった。
それからわたしはお金の不安をずっと抱えていた。
子どもたちはまだ中学生と小学生。まだまだお金がかかる。
夫の会社の退職金と幾ばくかの保険金を受けとったけれど、そんなものは秒で無くなった。入ってくるお金もたくさんあったけど、出ていくお金もたくさんあった。人が一人亡くなるということは大変なことだった。
幸いなことに持ち家のローンはなくなり家賃はタダになった。学資保険も残りの払込は免除になった。遺族年金と民間の保険年金がこどもたちが18歳になるまでもらえる。(遺族年金はそれ以降ももらえるけど、こどもが18歳以降は金額がグッと減るらしい)
それでも毎月10万円くらいずつ赤字だった。
じわじわと貯金残高が減っていく。
そこはかとない不安をずっと抱えながらも、わたしは動けなかった。
あまりの衝撃で心身のダメージがハンパなくて回復するまでに2年半かかった。
わたしはシングルマザーになって、こどもたちのためにお金を稼がなくてはならなくなった。普通の精神状態ならすぐに働きだすところだろうけど、わたしにはとても無理だった。これ以上じぶんに鞭を打つことはできなかった。
ごはんを作って掃除をして犬の散歩をする。それ以外のほとんどの時間を寝て過ごした。生きてるだけでやっとだった。わたしにはそうやってじぶんを労る時間が必要だったのだ。貯金残高は減る一方だったけど、じぶんを騙し騙しなんとかやり過ごした。
でも下のむすめが私立中学校に入学したころ、わたしの不安はついに爆発した。
ちょうど同じ時期にむすこも私立高校に入学して、お金が湯水のように出ていった。
それはもう不安を超えて恐怖だった。比喩ではなくガクガク震えた。
わたしは恐怖で身動きがとれなくなった。
お金がなくなることが怖くて怖くて朝から晩まで震えていた。
あたまの中はお金のことでいっぱいだった。
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