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劇場版 「きのう何食べた?」 京都旅行でシロさんとケンジが食べたカレーうどん【ミニチュア再現】
前回に引き続き、最近DVDで視聴した 劇場版「きのう何食べた?」(原作:よしなが ふみ, 講談社)より、印象に残った料理をミニチュアで再現してみました。
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【お題:カレーうどん】
今回のテーマは、映画の冒頭から始まる京都旅行のシーンより、「日の出うどんのカレーうどん」です。日の出うどんは、京都市左京区の南禅寺からも歩いていける距離にある人気店。シロさんとケンジも、お昼ごはんにカレーうどんを食べた後、南禅寺を訪ねていました。
ふたりがカレーうどんを食べる様子がとても美味しそうで。
以下は、コミック版の該当シーンです。
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京都旅行の場面は、映画の中でも特に好きです。
竹林の中でケンジが石段につまづいた時、シロさんが手をとってくれるシーンでは、毎回笑います。
確かにあの場面は、脚本のト書きに「まるで曽根崎心中の道行である」と書かれていて、「どう表現するんだろう?」と思っていたんですが・・・。
「曽根崎心中」を過去に見たことがなかったのでYouTubeで確認し、改めて映画をみると、そのシーンの面白さや浄瑠璃的表現をより一層味わうことができました。
【制作工程】
まず、器を作ります。
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お盆を作ります。
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具材をつくります。
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器に麺・具・スープを盛り付けます。
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この上に、
●鳥入りカレーうどん(ケンジ注文):鶏肉、ネギ
●あげきざみカレーうどん(シロさん注文):油揚げ、ネギ
を載せて、UVレジンでスープを表現します。
【問題発生 ~樹脂粘土を乾燥させる重要性~】
器に上げ底をした後、麺、具、スープを入れて一気にUV照射を行ったのですが、ハッとしました。
上げ底にした樹脂粘土と、麺を乾燥させていなかったのです。
樹脂粘土というのは、ポリマーと水分が混ざったものです。水分のおかげで、手でこねられるくらいに柔らかくなっています。
自然乾燥でカチカチに固まりますが、これは重合しているのではなく、もともと含まれていた水分が抜けるためです(よって、乾燥後は若干縮みます)。
そのような特性をもつ樹脂粘土を乾燥させないまま、上からUVレジンで蓋をしてしまうとどうなるか・・・
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図のように、水分を含んだままの樹脂粘土を封鎖してしまうと、例えば気温が上がった時、水分が膨張しても逃げ道がないため、作品自体に亀裂等の影響が出る恐れがあります。
そこでとった対応策が、器の高台側から穴をあけ、水分の逃げ道を作ることです。
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これで一安心。
やはり、穴を開けてすぐの時は上げ底用粘土は柔らかい状態でしたが、2日ほど経つとカチコチになっていました。
【作品完成】
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ガラスのコップは、市販のモールドを使いました。
ほうじ茶の入った湯呑(石粉粘土とUVレジン)、レンゲとレンゲ置き(樹脂粘土)、割りばし(木製マドラーを切り出したもの)も作成。
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ぜひ、日の出うどんのカレーうどんを食べてみたいです。
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居てもたってもいられず、セブンイレブンのカレーうどんを購入しました。
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