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劇場版 「きのう何食べた?」 京都旅行でシロさんとケンジが食べたカレーうどん【ミニチュア再現】

前回に引き続き、最近DVDで視聴した 劇場版「きのう何食べた?」(原作:よしなが ふみ, 講談社)より、印象に残った料理をミニチュアで再現してみました。

【お題:カレーうどん】

今回のテーマは、映画の冒頭から始まる京都旅行のシーンより、「日の出うどんのカレーうどん」です。日の出うどんは、京都市左京区の南禅寺からも歩いていける距離にある人気店。シロさんとケンジも、お昼ごはんにカレーうどんを食べた後、南禅寺を訪ねていました。

ふたりがカレーうどんを食べる様子がとても美味しそうで。
以下は、コミック版の該当シーンです。

よしなが ふみ「きのう何食べた?」講談社,」,8巻,p44 

京都旅行の場面は、映画の中でも特に好きです。
竹林の中でケンジが石段につまづいた時、シロさんが手をとってくれるシーンでは、毎回笑います。

確かにあの場面は、脚本のト書きに「まるで曽根崎心中の道行である」と書かれていて、「どう表現するんだろう?」と思っていたんですが・・・。

公式ガイド&レシピ きのう何食べた?~シロさんの簡単レシピ2~ 講談社,2021年10月11日第1刷発行 p26 西島さん対談コメント

「曽根崎心中」を過去に見たことがなかったのでYouTubeで確認し、改めて映画をみると、そのシーンの面白さや浄瑠璃的表現をより一層味わうことができました。

【制作工程】

まず、器を作ります。

計量カップに石粉粘土を詰めて、乾燥させます(直径2.2cmくらい)
やすりで縁の厚みを整えます
高台をつけて、着色した状態

お盆を作ります。

木製マドラーと、角形の楊枝を切り出します
着色した状態

具材をつくります。

鶏肉と、油揚げ(いずれも樹脂粘土)
100均のフローラルテープ(花束の茎をとめるもの)を、輪っかができるようにボンドでとめました。表面の質感がちょうどネギに適していたのと、グリーンが2色あることでよりリアルな表現ができると思いました。
ネギをカットしたところ。ちなみに樹脂粘土でも作ったのですが(右端のもの)、カレーうどんに載っているネギのイメージとは異なったので、不採用としました。

器に麺・具・スープを盛り付けます。

器に、樹脂粘土で上げ底をします。
麺を盛り付けます(ビニール袋にペースト状に緩めた樹脂粘土を詰めて、先端から絞り出しました)

この上に、
●鳥入りカレーうどん(ケンジ注文):鶏肉、ネギ
●あげきざみカレーうどん(シロさん注文):油揚げ、ネギ

を載せて、UVレジンでスープを表現します。

【問題発生 ~樹脂粘土を乾燥させる重要性~】

器に上げ底をした後、麺、具、スープを入れて一気にUV照射を行ったのですが、ハッとしました。

上げ底にした樹脂粘土と、麺を乾燥させていなかったのです。

樹脂粘土というのは、ポリマーと水分が混ざったものです。水分のおかげで、手でこねられるくらいに柔らかくなっています。
自然乾燥でカチカチに固まりますが、これは重合しているのではなく、もともと含まれていた水分が抜けるためです(よって、乾燥後は若干縮みます)。

そのような特性をもつ樹脂粘土を乾燥させないまま、上からUVレジンで蓋をしてしまうとどうなるか・・・

図解

図のように、水分を含んだままの樹脂粘土を封鎖してしまうと、例えば気温が上がった時、水分が膨張しても逃げ道がないため、作品自体に亀裂等の影響が出る恐れがあります。
そこでとった対応策が、器の高台側から穴をあけ、水分の逃げ道を作ることです。

高台側から彫刻刀で穴を掘り、上げ底用粘土にアクセスすることができました

これで一安心。
やはり、穴を開けてすぐの時は上げ底用粘土は柔らかい状態でしたが、2日ほど経つとカチコチになっていました。

【作品完成】

パーツがそろいました。

ガラスのコップは、市販のモールドを使いました。
ほうじ茶の入った湯呑(石粉粘土とUVレジン)、レンゲとレンゲ置き(樹脂粘土)、割りばし(木製マドラーを切り出したもの)も作成。

完成!

ぜひ、日の出うどんのカレーうどんを食べてみたいです。

セブンイレブンの肉盛り牛カレーうどん

居てもたってもいられず、セブンイレブンのカレーうどんを購入しました。

大変おいしくいただきました。


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