赤ワインと鰹節
赤ワインが苦手な鰹節屋の代表です。
以前、我が愛しの奥様のご実家で少しお高めの赤ワインを飲む機会をいただき、苦手やけど高そうやから試してみよかなの浅はかな精神で飲ませてもらいました。
うーん。わからん。ふふふ。
が感想です。
しかしながら飲み進めていくうちに、あれ?出汁っぽい旨味がするぞ、と思い始めたのは酔いがまわり始めた頃合いでした。
ちょっと面白い発見をしたなと思いながら、さてこれをどうやって自分の中で整理しようかと考え行くうちにとりあえずnoteにまとめておくというところに落ち着きました。
①赤ワインの出汁っぽさについて
②赤ワインに含まれる旨味成分は何や
③ほな赤ワインと鰹節使ってなにが出来る
この3つを簡潔にまとめたいと思います。
①そもそも赤ワインって発酵熟成させて作っていくものであって、その過程で際立っていくのが香り・酸味・渋みの3つだと私は思っています。
ではなんで出汁っぽく感じたのか。それはおそらく、おそらくですよ、
飲んだワインが高級だったから。
ここに考えが着地しました。
いわゆる年代物・しっかり寝かせることで先に挙げた3点がまろやかになって奥底に眠っていたであろう果実由来の旨味成分が顔を出してくれたのでしょう。
②ほなその旨味成分はなんやろかと調べてみると
やはりありましたね。グルタミン酸。
アスパラギン酸も同程度含まれていたのを見るとこいつも出汁っぽさに貢献してると考えてもいいかと。
しかし発酵過程でいなくなるはずのこのアミノ酸達(発酵のトリガーはアミノ酸です)がわずかに生き残り、熟成の過程でその生き残りがまた増えていくと考えると赤ワインもなかなか面白いやないかと思えますよね。
③関西出汁の基本は昆布と鰹節
さて、グルタミン酸があるということは鰹節などに代表されるアミノ酸
「イノシン酸」と相性抜群のはず。
ご存じの通り、合わせ出汁の基本は「昆布(グルタミン酸)と鰹節(イノシン酸)」を使ったもので、昆布だけでは引き出せない旨味を鰹節が何倍にも引き出してくれる、といった合体技でお料理の土台を支えてくれています。
同じ理由で、赤ワインの旨味成分と鰹節で旨味倍増するのではないか。
フランスに代表される赤ワインがまさか日本の伝統食材の鰹節と合わせるなんて誰が想像したか。
いや、想像してるどころか、フランスに鰹節の製造工場立てた人がいました。
その話はまたいつかするとして、ほな赤ワインと出汁を使って料理をしようと思いついたのが、日本人みんな大好き
「カレー」
作るなら煮込みがいいと考えてカレーを作ってみました。
レシピはこちら
・牛肉ブロック200g(一口サイズにカット)
・出汁(水500mlに昆布10gと花かつお10g)
・赤ワイン250ml
・玉ねぎ一個(みじん切り)
・市販のカレールー(1箱の半分)
①お鍋を弱火でしっかり温めてバターを溶かします。
②溶けたら玉ねぎを入れてきつね色かつ軽いアメ状になるまで炒めます。
③赤ワインをいれて弱中火で火にかけて、軽く沸騰したら牛肉をいれます。
④灰汁を取りながら1時間煮込みます。長いけど頑張って。
⑤1時間後、出汁を入れてまた軽く沸騰させます。
⑥カレールーを溶かし入れたら完成です。
あまりの美味しさに写真を撮り忘れてしまったのですが、とりあえず高級ホテルに出てきそうなくらい美味しいカレーが出来上がってしまいました・・・
まとめ
やはりどうしても赤ワインの渋みと香りが和出汁特有の香りの邪魔をしてたどり着いたのがスパイスで誤魔化す、でした。
プロのフランス料理人ならもっとうまく活用してくれると信じて、そしてこの記事を読んで和出汁を取り入れてみようと思ってもらえると願って
今回はこれで終わりにしておきます。
次回また気が向いたら更新します。