#短編小説
バレンタイン・キッス
朝の朝礼で課長が自分の机の前の大量のチョコレートを指しながら説教していた。
「君らは我が社のコンプライアンスをどう理解しているんだ!この私の机に置かれた大量のチョコレート。そして係長やリーダーの机に置かれた少数のチョコレート。自分の机にチョコレートが置かれていた男性社員もいるだろう。私は別にチョコレートを置いた女子社員を責めるつもりはない!きみたち女性は未だに続いている男性優位主義の犠牲者なの
【毎週ショートショートnote】カエルとウサギを。
#鳥獣戯画ノリ お題に挑戦します(む、難しい…💦)
「これが欲しかったの」
目の前の彼女はやや興奮気味だ。
「俺にはそれ、普通のトートに見えるんだけどな」
「分かってないわね。シンプルなキャンバス地に墨一色で鳥獣戯画。味があるじゃない」
「うーん。侘び寂びってやつか?」
いつもの電車、5駅も乗り越してようやく着いた小さな雑貨店。店内に入って一直線にお目当てのものへと突進する彼女。
「あの
DATEMAKIの国際フリーター
「お、伊達巻のCMなんか流れてる」
赤だしに口をつけたフリーターの土山は、店内に流れていたテレビ画面を見て思わず声を出す。ここはある回転すしのお店。全国的な大型の店ではないが、ここでは寿司が回っていて、リーズナブルに寿司が食える。
「それがどうしたのさ」土山のフリーター仲間の吉野が返事をしたのは、鯛の握り寿司を食べ終えた直後。
「ああ、ちょっと懐かしくてね。僕が今までの人生で唯一の海外出張が伊