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#77_「学習観」が変容する学び

社会科で自由進度学習を進めています。

単元の導入段階で、子どもたちに「ゴール」を伝えます。「知識・技能」に関するゴールと、「思考・判断・表現」に関するゴール、この2つを設定することが多いです。

たとえば、中学校の地理的分野だと、こんなふうに。

北海道地方の特色を大きくとらえよう!
 ❶ 教科書p.261「学習のまとめ」
 ❷ Google earthでめぐる旅
 ❸ Qubena厳選ワークブック

「知識・技能」に関するゴール

北海道地方を舞台に「日本の医療問題」を考えよう!
❶ 「分配」の考え方を学ぼう。
❷ 北海道の現状を知ろう。
❸ 「分配」の考え方を使って、北海道を舞 台に、日本の医療問題を考えよう。

「思考・判断・表現」に関するゴール

ゴールを示したあとは、子どもたちが計画を立てます。たとえば、こんなふうに。

「学びのログポース」

3時間構成であれば、3時間分の計画を一気に立てます。もちろん、計画は変更されることもあります。

子どもたちは、それぞれ、自分が立てた計画にそって学習を進めます。1人で進めてもいいし、仲間と一緒になって進めてもいいようにしています。

1時間の授業が終わるたびに、実際に何がどこまでやれたのか、そして、自己評価をして、ふりかえりを書きます。

まだまだ自由進度学習の駆け出しではあります。しかし、子どもたちからはいろんな声が聞こえるようになってきました。

そのなかでも、私の心に残っている声があります。

自由進度学習をやってみて、私はこれまで、どれだけの授業時間をムダに過ごしてきたんだろうと思いました。自分の立てた計画に沿って、必要に応じて助けを借りながら学習を進められる。これが当たり前のかたちですよね。

このような子どもの声を聞くと、子どもたちの「学習観」が更新されていっていることを実感せずにはいられません。

子どもたちは小学生のころから「授業とはこんなものだ」「学習とはこうやって進めるものだ」といった「授業観」や「学習観」を形作ってきています。

自由進度学習は「授業とは、先生の話をよく聞いて、みんなでペースをそろえて進めていくものだ」という「授業観」に変容を迫ります。

自由進度学習は「学習とは、先生の指示に沿って、決められた時間のなかで、決められたタスクをクリアしていくものだ」という「学習観」に変容を迫ります。

自由進度学習をすることで、「授業についての学習」や「学習についての学習」が実現していきます。そして、それらの学習は、子どもたちの「授業観」や「学習観」を更新していく可能性を大いに秘めています。

中学校の社会科で自由進度学習がどれくらい実現できるか。

子どもたちと一緒にチャレンジを続けてみようと思います。

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