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#78_通知表を「つくる」
「通知表」と聞いて、パッと思い浮かぶのは……?
教科ごとに区切られた表のなかに「教科名」「評価の観点」「観点別評価」「評定」がズラッと並びます。さらに「道徳」や「総合的な学習の時間」の評価が記述され、「特別活動の記録」として、学級での係活動や学校での生徒会活動、学校行事で担った役割が記載され、「出席すべき日数」とともに「遅刻・欠席・早退」の日数が記載され、最後に、学級担任の先生から「所見」が記載される。これが一般的な「通知表」のかたちではないでしょうか。
多くの学校では、「通知表」のかたちは「あらかじめ決まっているもの」であったり、校務処理システムの会社によって「すでに誰かによって設定されたもの」であることがほとんとではないでしょうか。
フォーマットが決まっている、もしくは、フォーマットを変えるためには労力がかかる。だから、私たちは「決められたフォーマット」に沿って、子どもたちの情報を入力し、出力ボタンを押して、各種の情報がきれいに並べられたプリントを子どもたち、そして、保護者のみなさんに「通知」として手渡します。
それでは、この一連の作業を「学校の主体性」という視点からとらえなおしたとき、どのような課題を発見することができるでしょうか。
各学校が「特色ある学校づくり」をしているにもかかわらず、「通知表」のフォーマットは全国どこでもそんなに変わらない。
各学校が「特色ある学校づくり」をしているのであれば、「通知表」のフォーマットを各学校で開発してもいいのではないか。
学校には「学校の教育目標」があります。そして、この「学校の教育目標」から「子どもたちに育てたい資質・能力」が導かれ、「子どもたちに育てたい資質・能力」を実際に育てるための具体的な実践事項を決めています。
「こんな力を育てたいんだ」と言い、「そのためにこんな教育実践をするんだ」と言うわけです。そうであるならば、「この子は、こんなところで、こんなことを、こんなふうにがんばりましたよ」という情報が、そして、「学校で育てたい力は、今、こんなふうに高まってきていますよ/こんなふうに高めていけるといいですね」という情報を、子どもたち自身、そして、保護者のみなさんにお届けする必要があるのではないかと思うのです。
その方法は「通知表」だけに限られるわけではありません。しかしながら、「学校で育てたいと思っている資質・能力」が子どもたちにどれくらい高まってきたのかをきちんと把握し、きちんと子どもたちに、そして、保護者さんに伝えていくことは、学校にとってとても大事な仕事になるのです。
「ナスビの学校」では、いったい、どんな「通知表」をつくるのか。これから具体的なフォーマットを考えていきたいと思います。
「通知表」をつくるということは、「学校」をつくるということ。