クチコミとサービスマーケティングの関係性
9月に入り、今年も残すところあと3か月となりました。
年初に立てた目標は着々と実行できてますか?
新入社員の皆さんも入社から4か月がたち、覚えることが多く業務に忙殺されている状況かと思います。
一旦立ち止まり、自分が行っている業務は何のためにやっているのか考えると、初心に帰り視野が広がるので是非やってみてください。
今回はサービスマーケティングとクチコミの関係性について書きたいと思います。
サービスマーケティングに関してはこちらの記事も参照してください。
クチコミを語る前に、「Moment Of Truth:真実の瞬間」をご存じでしょうか?これは「消費者の行動における重要な顧客接点」のことを意味します。
1981年経営の危機にあったスカンジナビア航空をV字回復させたヤン・カールソン氏が打ち出したのが「Moment Of Truth」を重視する経営ビジョンでした。
当時のスカンジナビア航空は年間約1千人が利用しており、一人の顧客は、1回あたり平均5人の乗務員と約15秒の接点を持つ計算となります。
その15秒で競合となる素晴らしい体験を提供できれば、明確な差別化ができ、市場競争に勝てるとしました。その15秒を「Moment Of Truth」としました。
それからしばらくして、2005年に米国P&Gの元CEO Alan G. Lafleyアラン・ラフリー氏は、「消費者は2回評価する」と提唱しました。
それが、1回目の真実の瞬間(First Moment Of Truth)と、2回目の真実の瞬間(Second Moment Of Truth)です。
消費者は店頭に行き購入する前に3~5秒で判断し(First Moment Of Truth)、家で使用して再購入をするかを判断する(Second Moment Of Truth)という内容です。
2006年には、同じくP&Gの Pete Blackshawピート・ブラックショウ氏が第3の瞬間(Third Moment of Truth)を提唱しました。
一部の消費者は、商品を繰り返し利用しているうちに、ファンになり周囲の人々へ商品を勧めるために、クチコミやレビューを発信するという考えです。
第3の真実の瞬間から始まる活動が、別のユーザーの購買行動に刺激を与えるというものです。
それからしばらくして、今度はGoogleが(Zero Moment-Of-Truth)という概念を発表しました。今はインターネットの時代、検索やSNSはあたり前なので消費者のニーズが顕在化した時点でお店に行く前にネットでスペックや商品レビュー、クチコミを検索してどの商品を買うかをほとんど決めてからお店に行っているというわけです。
お店がFisrts、その前だからZeroというわけです。
今まで4つのMoment Of Truthを紹介しましたが、よく考えてみると
Zero→First→Scond→Third→Zero・・・と循環してるんですね。
商品をつかってファンになった人たちがクチコミや周りの人たちに勧めることによりZero Moment Of Truthに刺激を与える形となっています。
そしてThrid Momen Of Truthこそサービスマーケティングが得意とする分野なのです。今までは商品を購入したらそこで終わりでしたが、今は購入後も消費者との関係が続いています。
商品を購入後も消費者との関係を続けることを前提とした商品設計が必要となってきているのです。