【📖読書遺産巡り】心理的安全性のつくりかた(後編)

こんばんは、前回の続き「心理的安全性のつくりかた」読書感想文の後編です。今回は行動分析、言語行動、導入アイデアの視点で見ていきます。

第3章　行動分析でつくる心理的安全性

前提として、「行動分析」とは何か。「行動分析」という概念は1930年代、ハーバード大学のB・F・スキナー教示が創始した学問で、行動を分析することによって人や動物の行動を変えていく手法です。

行動分析のフレームワークは、この3つの要素で成り立っています。
【きっかけ】→【行動】→【みかえり】

「行動」は「きっかけ」と「みかえり」に制御されおり、この「きっかけ」と「みかえり」を分析することで人の行動に変化を起こし、心理的安全性も高まると言われています。

例えば、
【きっかけ】…自分が設定のミスをした
【行動】…上司に報告をした
【みかえり】…大きな声で怒鳴られた

この場合、みかえりが最悪すぎて次に報告するのが億劫になってしまいます。。。
このように、またその行動を起こす確率がさがる（弱化）みかえりのことを「嫌子」と言います。

一方で、
【きっかけ】…自分が設定のミスをした
【行動】…上司に報告をした
【みかえり】…一緒に改善方法を考えてくれた
このように、同じ行動を取る確率が増えるみかえりのことを「好子」と言います。

心理的安全性を高めるには、この「嫌子」を減らし、「好子」をたくさん増やしていくのがいいとされています。

私の場合、会議などで提案がうまくできなかった時に、話を流されてしまうことが数回あり、それ以降発言することが億劫になってしまいました。

この状況を変えて行くために、分析をしてみると、

〜自分サイド〜
【きっかけ】…自分の発言が微妙で話を流されてしまった
【行動】…会議での発言方法で気をつけるべきことを上司に聞きに行く
【みかえり】…発言に説得力をもつことができた

〜上司サイド〜
【きっかけ】…部下の発言が微妙だった
【行動】…発言の仕方を教えた
【みかえり】…部下の発言が説得力を持つものになった

状況を変えて行くには、理想は両サイドの行動が変わるのがベストですが、このように自分で変えていける行動を探し、変化を起こす主体性が大事なんだなと思いました。

第4章 言葉で高める心理的安全性

言語行動は、先ほど見ていた「きっかけ」を言葉によって変化させる手法になります。
人の行動には以下の３パターンがあると著者は述べています。
①言われた通り行動
②確かにそうやな行動
③そんな気してきた行動

言葉のきっかけによって①→②へ、②→③へ促すことが心理的安全性を高めるとしています。
例えば、「この設定作業を行いなさい」という仕事があったとします。

①言われた通り行動の状態では、作業者は何も考えずそのまま作業します。この時、みかえりは何もありません。

そこで、「この設定作業を行うことで、チームの業務改善につながる」という言葉のきっかけがあるとします。

②確かにそうやな行動の状態では、チームの作業効率がたしかに上がった、とみかえりとして気が付く場合があります。

さらに、「この設定作業は君の慎重さがないとできない」という言葉のきっかけがあるとします。

③そんな気してきた行動の状態では、元々慎重な作業が得意だった作業者が、さらに会社にとって重大な任務を任されていると実感し、やりがいが増強していきます。

このように、言葉のきっかけによって、好子を増やして行くことが心理的安全性につながるとされています。

第5章　心理的安全性導入アイデア集

ここでは多くの導入アイデアが紹介されていましたが、一部を紹介すると、
・感謝を伝える
・メンバーをよく見ていることを示す
・話しかける
・相談を促す　etc….
このように、当たり前に見えて、当たり前のことができない職場が多いと指摘されています。
心理的安全性を作り出すまず一歩として、自分から感謝を伝えたり話しかけにいくことの重要性を感じました。

まとめ

職場を心理的安全性を高めて行くには、まずは自分が心理的柔軟性を養い(メタ認知)、チームにおいて実はおかしいと思っていたきっかけやみかえりを見直し、主体的に行動を変えていく。
これが心理的安全性を作り出す第一歩だと学びました。