なんでも屋、疾る!
藩邸差配役日日控 著・砂原浩太朗
私、歴史が好きです。なので、面白い時代小説に巡り逢えるとテンションが俄然高くなります。
さて、このお話の鍵である『差配役』について、ざっくりいいますと、藩邸の管理を中心に殿の身辺から襖障子の張替え、厨(くりや)のことまで目をくばる要職、いうことになります。わかりやすくいうと、なんでも屋ってことですね。
本書の主人公・里村五郎兵衛は差配役であり、要人探索や不正解明、男女問題や障子の張り替えなど何でもこなします。
この時代、物事が上手く解決出来ないと、あわや切腹なんてことになりかねませんから、命懸けですね。その苦労は計り知れません。
五郎兵衛もご多分に漏れず、体調不良の時なんかも問題解決の為に奔走します。
お世継ぎ問題で派閥が暗躍するなか、見どころは嫡子・亀千代ぎみの一挙手一投足ですね
一話の「拐かし」である冒険をして、五郎兵衛の肝を冷やした亀千代ぎみですが、要所要所で現れ、時には五郎兵衛を助ける姿は少しずつ成長している様で、将来がたのしみでもあります。
『無理に見つけずともよい』という不穏な一言も終盤で理由が明かされ、思わず唸ってしまいます。また、結ばれられない切ない恋心はどう落ち着くのか。
日々の暮らしが思い浮かぶ情景がかかれていて、江戸の暮らしに浸れ満足の一冊です。
以上、ここまで拙い感想をお読みいただきありがとうございます。
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