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なぜその本を読もうと思ったか。
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記事一覧

あとで読む・第60回・北畑淳也『マイナ保険証6つの嘘』(せせらぎ出版、2024年)

毎月桁違いの医療費を支払っている私にとって、現行の保険証制度の有無は文字通り「死活問題」…

三上喜孝
3週間前
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あとで読む・第59回・松本創編著『大阪・関西万博「失敗」の本質』(ちくま新書、2024年…

昨年の夏ごろから、2025年開催予定の大阪・関西万博の行く末について並々ならぬ関心を持ってい…

三上喜孝
1か月前
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あとで読む・第58回・ハン・ガン『菜食主義者』(きむ ふな訳 CUON、2011年)

韓国文学翻訳家の斎藤真理子さんのトークイベントを聞きに行ったのは、2年ほど前の2022年のこ…

三上喜孝
1か月前
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あとで読む・第57回·武田砂鉄『テレビ磁石』(イラスト堀道広、光文社、2024年)

武田砂鉄さんの本はなるべくサイン本を入手することにしている。しかし刊行記念のトークイベン…

三上喜孝
1か月前
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あとで読む・第56回・イゼルディン・アブエライシュ著、高月園子訳『それでも、私は憎…

ドキュメンタリー映画『私は憎まない』(タル·バルダ監督、2024年、カナダ・フランス合作)の…

三上喜孝
1か月前
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あとで読む・第55回・広河隆一『パレスチナ』(岩波新書〈黄版〉、1987年)

実家に立ち寄って、私が若い頃に買った本を漁っていたら、広河隆一さんが書いた岩波新書の『パ…

三上喜孝
1か月前
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あとで読む・第54回・猪股忠『追跡 阿部次郎 校長排斥スト事件』(ブイツーソリューション、2021年)

前回のnoteで、柄にもなく阿部二郎の『三太郎の日記』を取りあげたのは理由がある。先月(2024年7月)、私がかつて住んでいた山形に仕事で訪れた際、山形市の老舗書店「八文字屋」に立ち寄ってみると、猪股忠『追跡 阿阿部次郎 校長排斥スト事件』という本が平積みされていて、そのタイトルを見てつい一目惚れをして買ってしまったからである。たとえていうならば、ペットショップに行って、かごの中のさまざまなワンちゃんを見ていたら、つい自分と目が合ってしまい、その途端に情が移ってしまった、とい

あとで読む・第53回・鴻上尚史『ロンドン・デイズ』(小学館文庫、2018年、初出2000年…

TBSラジオ「武田砂鉄のプレ金ナイト」で鴻上尚史さんがゲストの回だった時、番組の後半でレギ…

三上喜孝
3か月前
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あとで読む・第52回・アーヤ藍編著『世界を配給する人びと 遠いところの声を聴く』(…

「最弱」という言葉が好きだ。 前の勤務地でボランティア活動をしていた頃、各地で同様の活動…

三上喜孝
4か月前
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あとで読む・第51回・水道橋博士『本業2024』(青志社、2024年)

四半世紀というのは、ひとつの区切りなのだろうか。以前この場でとりあげた岸本佐知子さんの『…

三上喜孝
4か月前
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あとで読む・第50回・岸本佐知子『わからない』白水社、2024年)

「心地よい底意地の悪さ」。 これが私の岸本佐知子さんに対する印象である。以前にも書いたが…

三上喜孝
5か月前
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あとで読む・第49回・季刊誌『kotoba』56号(2024年夏号)特集「喫茶店と本」(集英社…

以前の職場の同僚で、いまは同じ中央線沿線に住む友人のAさんから、たまに思い出したようにメ…

三上喜孝
5か月前
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あとで読む・第48回・尹雄大『聞くこと、話すこと 人が本当のことを口にするとき』(…

尹雄大(ユン・ウンデ)さんの本を読んでみたいと前から思っていた。手始めに何を読んだらいい…

三上喜孝
5か月前
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あとで読む・第47回・内田樹『小田嶋隆と対話する』(イーストプレス、2024年)

Twitterといちばん相性がいいのはつぶやきシローではないだろうか。なぜなら、Twitterが生まれるはるか以前からツイート芸をしていたから。 …というツイートを考えてみたのだがどうだろう。実際、つぶやきシローのTwitterは舞台芸そのままのネタだけを禁欲的につぶやいている。「脳のおなら」というTwitterの本来の使い方を遵守しているのがつぶやきシローなのである。 もう1人、小田嶋隆さんもまたTwitter芸の名手である。140字の中にいかに自らのこねくり回した表現を