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乞食の耳に…

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「乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話」をまとめてみました😄
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乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話 ✩後日談ふ…

 私は今、鰯田寺の裏山に来ている。  裏山と言っても、鰯田寺の境内から10分程登れば山頂に…

鰯田イノ
1か月前
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乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話 後日談

 足の臭い和尚とキノの話はこれで終わりなのですが、後日譚があります。  都市計画論のレポ…

鰯田イノ
1か月前
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乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話 (九)

 座敷に残されたすめるは腰掛に座ったままぼう然としていた。憐れんでいたはずの小間使いの女…

鰯田イノ
1か月前
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乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話 (八)

 キノは、誰よりも早く起床した。硬い煎餅布団を畳んで戸を開けた。外は東の空が白み始めてい…

鰯田イノ
1か月前
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乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話 (七)

 光忠との花見はすめるの置かれた状況を何ら変えることはなかった。  すめるは相変わらず奥…

鰯田イノ
1か月前
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乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話 (六)

 さて、弾正台では花見が催されていた。源光忠は隣に座らせているすめるに話しかけた。 「噂…

鰯田イノ
1か月前
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乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話 (五)

 ある春の日のこと。  寺に一通の書簡が届いた。それは、大納言である源光忠がすめるの徳の高さを一目見たいと仰られているので、これこれの日時に弾正台におわす光忠殿の屋敷にて花見を致しましょう、といった内容だったそうな。  寺の者共は困り果てた。すめるは法要の一件からずっと奥座敷から出ていないからだ。寺の者共はすめるの足の臭いによって寺の威厳が損なわれることを酷く心配するようになっていた。寺の者共は如何なる法要にもすめるを出すことを許さず、食事も雪隠も座敷でするようにとすめる

乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話 (四)

 すめるは大法要の大役を外されていた。 「お主を思ってのこと。もしものことがあればお主が…

鰯田イノ
1か月前
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乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話 (三)

 法要の日がやってきた。  誰より早く目が覚めたすめるは座敷の板戸を開け、白い息を立てな…

鰯田イノ
1か月前
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乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話 (二)

 ある日のこと。〝すめる〟がお勤めする鰯田寺にとても偉いお坊様がお見えになることになった…

鰯田イノ
1か月前
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乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話 (一)

 鰯田寺には、ある和尚がいた。  寺には和尚がいて当然なのですが、兎に角この和尚、詳しい…

鰯田イノ
1か月前
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乞食の耳にイカを詰めて腐らせたもののような臭いのする足を持つ和尚の話 プロローグ

 九月も中頃のことです。  神戸にある「元井ビル前駅」の南口改札を抜けて、ロータリーから…

鰯田イノ
1か月前
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