卸営業①バイヤー対応
前回、卸売業の営業業務を「バイヤー対応」「社内対応」「メーカー対応」のセグメントに分けてみました。今回は「バイヤー対応」を深掘りします。念の為伝えておきますが、たくさんの企業を俯瞰して、グルグルガッチャンしてますので、勘ぐりは無しです。
更に言うと、みんなキツイツライと文句を言っていますが、30年以上積み上げてきたビジネスモデルの集大成です。熟し切ってますね。んま、30年のうち、20年は少しずつ「アップデート」してきましたが、その後の10年は「維持」というのが私の印象です。では深掘りましょう。
価格交渉
EDLP、日割、エンド、インプロ、と、なんといっても価格交渉です!これに尽きますね笑。
特売を例に挙げると、営業は、前年の送り込み数量と比較をして、今年はそれ以上の物量を提案します。そして、小売業は販売実績をみて、実績が低ければ、そのギャップを原価交渉で穴埋めをします。そして実績が良ければ、希望に沿うことで原価交渉をします。つまりどちらにしろ原価交渉が走ります。そりゃ小売業も切実です。そして卸もメーカーも数字を持ちます。僕自身も営業時代は100%交渉ありきで商売をしていました。なんだかんだ言って「30年ビジネス」は伊達じゃありません。
商品手配
これも大変です。価格交渉を済ませ、いざ店舗への納品となると、様々な調整が入ります。肉体的にも精神的にも最もきついのが、やはり「欠品」です。発注漏れ、製造欠品、店舗未発注、等々、日々商品手配でトラブります。特に「日割チラシ」の商品が欠品になると、原因は何であれ、意地でも揃えないといけない使命感のもと、その日の予定が全てキャンセルになります。そして、その対応が、基本「電話」です。営業は5分に1回は電話をしている要因のひとつです。
至るところとの調整
んま、「なんでも屋」です笑。商品部と店長、店長とアソシエイトさん、商品部と上層部、バイヤーとサブバイヤー、等々、様々な組織や人の間に入り調整します。商品手配やマスタ登録や販促物の説明等、商品を売るまでやりぬくのが卸営業です。そりゃ俯瞰してみると、サービスレベルであったり、小売業内のガバナンスの問題もあると思います。しかし何度も言う通り、これが「ビジネスモデル」の基本です。
どうでしょう?大変だと思いますか?「大変」の捉え方が重要です。このようなビジネスプロセスに身を投じている以上、全て”数字”に変えることが優秀な営業であり、一方で全て「やらされ感」になると、数字も上がらず、結果を伴わない「愛の奴隷」と言われてしまいます。
卸営業は、「30年ビジネス」という耕され尽くしたベースの上で、コトモノ全てを数字に変えるゲームプレイヤーなんです。
僕個人としては、卸売業の時間の中で、営業時代が一番楽しかったです。商品力を磨き、人間関係を築き、異世界の中で笑「決してあきらめないこと」を学びました。一生懸命やった甲斐があって、当時の得意先は今では共創する仲間です。ん?結局根性論かって?そうですよ。プロセスの多くはデジタル化できます。ただ「卸営業の本質はAIに置き換わらない」と誇りを持っています。
次回は「社内対応」を解説します!解説できるかな笑
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