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彗星は何処に!?離島だから楽勝で見えると思っていたのだが…
8万年ぶりにアトラス彗星が接近中だった。珍しい自然現象には、狂的にそそられる謎のパワーがあるようだ。一目でも、一瞬でも見たいと思う強い欲望が頭の中を渦巻いていた。
だが、現実は厳しいもだ。
日没間際の時間帯が最適な観測時刻であるのに、仕事が日没後に終わる。休日に限って曇り空が広がる。彗星と自分のサイクルが全く噛み合わず見れずじまいだ…。
最大の観測チャンスは昨日であった。仕事が日没前に終わり、空も雲が少なく茜色に空が焼け始めていた。さっそく港へ行き、西の空が見渡せるベストポジションにて待機した。
海の香りが大好きだ。落ち着くのと、懐しさを感じる。生まれ育った場所が港町で、海がすぐ側にあった。都会の海は漆黒のようにどす黒く、異臭を含みベタヘダと不快にさせる海風が吹き抜ける。当時は海が好きという感覚はなく、上記のような不満的想い出が浮かぶだけだ…。だが、故郷を想うとき、海の香りも何となくだが思い出す。脳内では故郷と海の強い相関関係が成立しているのだろうか。
この島の海の香りは上等である。港は船舶や施設からの若干の人工物臭はあるのだが、純度の高い自然の海の香りである。
沈む太陽と、波の音を聴きながら少し故郷を思い、まだかまだかと彗星を待っていた。
ところが肝心の彗星は何処へやら?
ただの夕焼けをポツンと1人で見ている男と化していた。
今日は夕方から雨である。彗星観察はこれにて終焉を迎えた。彗星への強い興味も、もう見れないと分かると彗星のごとく消え去り後悔すら感じない。
天体ショーに囚われた数日間の想いであります。読んで頂きありがとうございます🌕