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業務パフォーマンスの向上にはインプットの意識が大事な理由

会社で働いている人であれば、必ず自身のアウトプットを少なからず意識していると思います。さらに、業務におけるパフォーマンスといった効率についても意識していることが多いのではないでしょうか?業務パフォーマンスが向上するということを簡単に想像すると、仕事がサクサクと終わっていくようなイメージになると思います。そこで、もう少し掘り下げ、業務パフォーマンスの要素、そして、業務パフォーマンスを向上させるために考えるべきことは何かについて考えたいと思います。

成果とパフォーマンスの違いとは?

業績を評価する際の軸として「成果」と「パフォーマンス(効率)」という二つの軸が考えられると思います。成果は、結果のことであり、簡単にいうとアウトプットになります。営業の場合であれば、売上高であったり利益額だったりします。マーケティングの場合ですと、創出されたリード数であったりすることが考えられます。

これに比べ、パフォーマンス(効率)とは、どんなことを指すのでしょうか?パフォーマンスがあがるということは、効率的になるということなので、営業の場合であれば、成約するまでの労力が少なくなるということや、マーケティングの場合は、リード創出にかかるコストの削減だったりすることが考えられます。よって、パフォーマンスとは、業務における生産性(プロダクティビティ)とも言えます。

一般的に生産性(プロダクティビティ)は、インプットとアウトプットの比率によって表されます。生産性向上の良くある例としては、自動化(オートメーション)があり、人の手でやっていたことを機械に置き換えることで、同じ人数でもより多くのアウトプットが可能になるというものです。例えば、3人の作業員によって、毎日120個の製品が作られていた生産工程が、同じ3人の作業員であっても、自動化によって、毎日360個の製品を作ることが可能になったのであれば、インプットである作業員数に対して、アウトプットの生産製品数が、1人の作業員あたり40個から120個と3倍になっています。これは、パフォーマンスが3倍になり、結果的に、成果も3倍になったと言えると思います。

業績の分析においてインプットも意識することが重要な理由

例えば、ある商品を販売しているとし、商品の販売件数が、100件から120件へと伸びたとします。つまり、販売における成果が伸びている状況です。これだけを見ると販売件数が伸びている素晴らしい状況にあると考えられます。しかし、もし同じ時期に商品に対するお問い合わせも200件から400件へと増えていた場合、パフォーマンスとしては、1件のお問い合わせあたり、0.5件の商品が販売されていたところ、1件のお問い合わせあたり、0.3件と販売におけるパフォーマンスが落ちていることになります。もちろん、お問い合わせの質にも影響されるため、実際は、一概には言えませんが、お問い合わせが急激に増えたことにより、1件あたりの対応の質が落ち、販売パフォーマンスが落ちてしまったといった事態が考えられることになります。このような状況にあるのであれば、全く嬉しい状況ではなく、人員の補充等を行わなければ、機会損失が拡大してしまうということが言えます。よって、成果であるアウトプットが向上するということは良いことでありますが、パフォーマンスにも注目することで、アウトプットの向上が、適切なパフォーマンスの上に達成されているかどうかを確認することができるようになります。そして、パフォーマンスは、インプットとアウトプットの比率になりますので、そのパフォーマンスを計測するためには、アウトプットだけでなく、インプットの数値が必要となります。

成果が向上してもパフォーマンスが落ちている例

指標の組み合わせは無限大

インプットとアウトプットを意識するといっても、どの指標をインプットやアウトプットとして利用するかによって、結果は大きく変わってきます。例えば、営業において、案件化された件数をインプット、案件成約数をアウトプットとして、案件成約率をパフォーマンスとして計測した場合、案件成約率というパフォーマンスの数値が向上していたとしても、売上高をアウトプットとして、案件単価をパフォーマンスとして計測したところ、案件単価が下がっているということもありえます。もちろん、インプットにおいても、案件化された件数でなく、新規見込客獲得数とすることによっても、数値がいろいろと変わってきます。さらに、どの指標の組み合わせが適切かについては、業務によっても異なってきますので、一概には言うことはできません。

どの指標の組み合わせが最適化は一概には言えません

また、もう一つ難しい点としては、適切であろうとする指標が必ずしも取得できる訳ではないと言うことです。例えば、駅の構内に広告を出し、そこから、どのくらいの人が商品を購入したかのパフォーマンスを知りたいとします。しかし、残念ながら、正確に広告を見た人の計測は不可能です。もちろん、購入者アンケート等によって、ある程度把握し、それをベースにパフォーマンスを計測することで代替することはできます。よって、色々な指標を考えることができたとしても、それが本当に計測できるのかという点も考慮しなければいけません。

とりあえず始めて継続することが大事

予め仮説があり、それを検証することによって、適切なパフォーマンス測定方法を知ることはできます。しかし、どんなパフォーマンスが適切か分からない場合は、とにかく計測できる指標を計測することをオススメしたいと思います。データさえあれば、後から、いろいろな組み合わせの試行錯誤ができるからです。さらに、データも1回だけ計測するのではなく、同様の行動に関する指標を継続的に計測することによって、トレンドが見えてきたりしますので、まずは、とりあえず、計測ができる指標から計測を始め、それを継続することが、結果的に適切なパフォーマンス評価をするための近道になると思います。


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