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コンサルはどうやってプロジェクトを獲得しているのか

対象読者
• これからコンサル業界に入る人
• コンサルタントとしての営業力を強化したい人
• 事業会社でコンサルと関わる立場の人

コンサルタントといえば、クライアントの課題解決を担う「提案型」の仕事。しかし、その仕事を受注するまでのプロセス、つまり「営業活動」についてはあまり語られません。特に、事業会社から転職した人や、未経験でコンサルに入った人にとって、営業の難しさは想像以上です。

本記事では、コンサルの営業活動の本質に迫り、「どのように案件を獲得し、継続させるのか?」を解説します。

コンサルの営業は「提案営業」ではない


一般的な営業といえば、「お客様の課題を聞き出し、それに応じた提案をする」という流れが基本です。しかし、コンサルの営業は一味違います。

最大のポイントは、「顧客自身も自覚していない課題を示すこと」です。

クライアントは、自社の問題を把握しているつもりでも、実は本質的な課題を見落としていることがほとんど。コンサルの営業は、単なる「ニーズヒアリング」ではなく、「隠れた課題を言語化し、それを解決する手段を示す」という高度なスキルが求められます。

例えば、クライアントが「DXを進めたい」と相談してきた場合、単にDXの進め方を提案するのではなく、「なぜDXを進めたいのか?」を掘り下げる必要があります。それが競争力強化のためなのか、業務効率化のためなのか、あるいは市場でのポジションを変えたいのかによって、アプローチは大きく変わります。

また、コンサルタントが効果的に営業を行うためには、クライアントが納得しやすい形で示すことも重要です。過去の成功事例や、データに基づいた分析を活用し、「この施策を取れば、こういった成果が期待できます」と具体的に伝えることが求められます。

案件を獲得する「営業チャネル」の違い


コンサルの営業チャネルは、大きく分けて3つあります。

1. リピート営業


既存のクライアントからの追加案件を獲得する方法です。コンサルティング業界では最も重要な営業チャネルであり、単発のプロジェクトよりも継続案件の方が多くなります。プロジェクト終了後も定期的にフォローを行い、次の課題を見つけて提案することが欠かせません。

2. 紹介営業


既存クライアントや業界のネットワークを通じて新たな案件を獲得する方法です。クライアントから「知り合いの企業が同じような課題を抱えている」と紹介されるケースが多く、成功事例を積み重ねることで紹介案件は増えていきます。

3. 新規営業


まったくの新規クライアントに対してアプローチする方法です。ただし、コンサル業界では難易度が高いとされています。信頼を得るためには、実績を示すことが不可欠です。過去のプロジェクトの成果を資料にまとめたり、業界イベントでの講演を行ったりすることで、新規クライアントからの問い合わせを増やすことができます。

コンサル営業で最も大事なのは「信頼の蓄積」


営業活動で即決してもらえるケースは少なく、多くの案件は「数ヶ月~年単位での関係構築」の中から生まれます。

信頼を得るためには、まず無料でも役立つ情報を提供することが有効です。例えば、クライアントの業界に関する最新トレンドや他社の成功事例などを定期的に共有することで、「この人は信頼できる情報源だ」と認識されます。

また、小さな成功体験を積み重ねることも大切です。最初の案件が小規模であっても、確実に成果を出し、クライアントの期待を上回る結果を出すことで、次の案件につながります。

さらに、クライアントの社内政治を理解することも欠かせません。経営層の関心を引くようなレポートを作成したり、現場担当者が納得しやすい形で提案を行ったりと、関係者ごとに適切なアプローチを取ることで、スムーズな営業が可能になります。

営業を強化するために今すぐできること


コンサル営業のスキルは、日々の意識次第で強化できます。今すぐできることを以下にまとめました。

1. クライアントの業界を徹底的に研究する


クライアントの課題を正しく理解するためには、その業界の最新動向を常にキャッチアップすることが不可欠です。業界ニュースを毎日チェックし、クライアントが直面する課題を深く掘り下げましょう。

2. 過去のプロジェクト事例を整理する


クライアントに提案する際、実績があるかどうかは大きな判断材料になります。過去のプロジェクト事例を整理し、どのような課題を解決し、どんな成果を出したのかを説明できるようにしておきましょう。

3. 既存クライアントとの関係を強化する


営業は新規案件の獲得だけではなく、既存クライアントとの関係構築も重要です。プロジェクトが終わった後も定期的に連絡を取り、業界の最新情報を共有するなどして、継続的な関係を築きましょう。

4. 自分自身のブランディングを強化する


コンサルタントとしての信頼を高めるためには、自分自身のブランドを確立することも重要です。業界のイベントで登壇したり、専門的な記事を発信したりすることで、「この人に相談したい」と思われる存在を目指しましょう。

まとめ


コンサルの営業は、単なる「提案営業」ではなく、「クライアントの隠れた課題を言語化し、解決策を示す」ことが本質です。そのためには、業界知識の蓄積、成功事例の整理、クライアントとの長期的な関係構築が欠かせません。

営業力の強化には時間がかかりますが、日々の意識次第で大きな差が生まれます。クライアントにとって価値のある存在となることを意識しながら、営業活動に取り組んでいきましょう。

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