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読書/こんな雨の日に-映画「真実」をめぐるいくつかのこと
是枝裕和監督の新作映画「ブローカー(仮)」の予習で、著作を続けて読んでいます。
癒される、励まされる
是枝監督の著作にハマるのは、どうも予習だけが理由ではないみたい。
コロナ対策への不満やオリパラ開催をめぐる問題など、世の中に蔓延するのはコロナウィルスだけではなく、軽すぎる言葉、心無い言葉、無責任な言葉…
そんな言葉に触れると、思った以上に気が滅入るのはなぜだろう?
自分もこんな世の中に在って、知らないうちにそんな言葉に慣れてしまうんじゃないか?なんとなーく不安になってしまう。
自粛生活疲れか?リモートワーク疲れか?
そんなタメイキの出そうな日々に、是枝監督の著作を読むと、誠実な言葉やまっすぐに仕事に取り組む姿勢に、癒され、励まされます。
自分の仕事を作る仕事?!
映画「真実」が生まれるまでの過程、是枝監督の記録、写真、絵コンテなどがたくさん。
驚くのは、是枝文字と絵コンテのかわいらしさ。小さめの丸文字風文字に、丁寧な手書きの枠線など、女子高校生のノートのよう。
カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークなど出演者たちとのエピソードや、過去の映画の出演者にも触れられています。
特に大女優ドヌーヴの年を重ねてもなお可愛らしい素顔、言動、スタッフを振り回すワガママっぷりにキュンキュンします(笑)
映画を一本作るのにこんな仕事もあるのか~と驚いたり、登場する日本人スタッフやフランスで雇ったスタッフたちの個性あふれる言動も面白い。
どんな仕事も大変なものだけれど、フランスに行って、フランス語で、フランス人のスタッフや俳優と資金獲得から交渉、撮影・・・(日本人スタッフは最少人数)
こんな誰もトライしたことがないような、一から作る仕事、ってあるんだ。自分の仕事を自分で作りながら。
そして、これまたどんな仕事でも同じですが、人を育てながら、立場の違う人とのコミュニケーションを大切にして進めていくこと。いや、本当に大変なことですね。
プロデューサーの福島さんに興味津々
フランス語ができるがゆえに、監督とスタッフ出演者との間で板挟みになる、プロデューサーの福島美由紀さんのエッセイの章が面白い。
実は、彼女に一番興味がありました。私は語学はできませんが、仕事上の立場が似ているかも(笑)
しかし福島さんはとても有能。映画「インサイド・ヘッド」で言うところの「怒り」のボタンが壊れている人(仏のような人?)らしい。
フランスでの仕事は子連れ長期出張なんだとか。さらっと言ってるけど大変なことでしょう。すごい人がいるんですね。
是枝監督に負けず劣らず文章もうまくて丁寧。福島さんのエッセイもぜひ読みたい!