
定年後、お金より大事なものは? 江戸・明治の暮らしに学ぶシンプルライフ モノに頼らず幸せに暮らす、その秘訣を探る
豊かさとは、モノの多さやお金の有無で決まるものではありません。江戸や明治時代の庶民の暮らしには、シンプルながらも心豊かに生きるためのヒントが詰まっています。働くことの喜び、限られたモノで生み出す楽しみ、自然とともに生きる知恵––––それらを現代に取り入れることで、充実した人生を送ることができるのではないでしょうか。
本記事では、江戸・明治時代の暮らしを参考に「定年後の楽しみ方」を考えます。これからの人生をもっと豊かにするためのヒントを、ぜひ一緒に探してみませんか?
※本稿はふくしまゆきお・著『定年後を豊かにするシンプルライフ お金・モノに頼らない生活の実現へ』(ごきげんビジネス出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
1.定年後に必要なのは「お金」より「楽しみ方」?
「定年後の生活」と聞いて、あなたはどんなイメージをもつでしょうか?
「悠々自適な暮らし」「旅行三昧」「趣味に没頭する毎日」––––そのような理想を思い浮かべる人もいれば、「お金の蓄えがあるか不安」「何をして過ごせばいいかわからない」と戸惑う人もいるかもしれません。
現役時代は仕事に追われ、気づけば時間が足りない日々を過ごしてきたはず。しかし定年を迎えた途端、今度は時間が余りすぎてどうしたらいいかわからない、という声をよく耳にします。
そして多くの人が「お金さえあれば、楽しく過ごせるはずだ」と考えがちです。
ですが、本当にそうでしょうか?
お金があっても「楽しみ方」を知らなければ幸せになれない
実際のところ、お金があるからといって定年後が充実するとは限りません。旅行や趣味にお金をかけても、すぐに飽きてしまったり、満足感を得られなかったりすることもあります。
その理由は私たちが「楽しみ方」を知らないからです。現役時代は仕事中心の生活で、楽しむことに時間をかける余裕がなかったかもしれません。すると、いざ時間ができても、何をして楽しめばいいかわからず、結局はテレビをぼんやり眺めたり、スマホをいじったりして1日がおわってしまう……。そのような生活に陥ってしまう人も少なくありません。
では「お金がなくても楽しめる生き方」とは、どのようなものなのでしょうか。
江戸・明治時代の庶民に学ぶ楽しみ方の知恵
ふくしま氏の本では、江戸・明治時代の庶民の暮らし方から、現代にも応用できる「楽しみ方のヒント」を学ぶことができます。
当時の人たちには、現在のように便利なサービスも大量のモノもありませんでしたが、自然のなかで働き、人とのつながりを大切にしながら日々を楽しんでいました。農作業や漁をしながら季節の移ろいを感じたり、収穫の喜びを仲間と分かち合ったり。忙しい時期を乗り越えたあとは、祭りで思い切り盛り上がり、旅に出る人も多かったとか。お金がなくても楽しむ工夫をしながら充実した人生を送っていたのです。
このように楽しみ方のコツさえつかめば、お金をかけなくても心豊かに過ごせるのです。
いまこそ自分に合った「楽しみ方」を見つけよう!
現代の私たちにとっても、江戸・明治時代の楽しみ方は大いに参考になります。自然のなかで何かを育てたり、DIYや手仕事を楽しんだり、人と集まって交流したり––––どれもお金をかけずに充実感を得られる方法ばかりです。
定年後の生活を充実させるカギは「楽しみ方を知ること」。お金に頼らず、心から満たされる毎日を送るために、本書で紹介するヒントをぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
2.「働く楽しさ」を取り戻す
定年後の生活といえば「ようやく仕事から解放されて自由に過ごせる」と思う人が多いかもしれません。しかし、いざ退職してみると、「何をしていいかわからない」「毎日が退屈だ」と感じる人も少なくありません。仕事はストレスもあるけれど、生きがいや充実感を与えてくれる一面もあるのです。
昔の人たちは仕事を単なる「労働」としてではなく、日々の生活の一部として楽しんでいました。
とくに江戸・明治時代の庶民にとって、働くことは生きることであり、生活そのものでした。農作業をすることで四季の変化を肌で感じ、手を動かすことで達成感を味わう。そんな「働く喜び」が当たり前にあったのです。
では、現代の私たちが定年後に「働く楽しさ」を取り戻すには、どうしたらよいでしょうか。
目に見える成果がある仕事をする
現代の仕事はパソコンや書類を扱うデスクワークが多く、結果が目に見えにくいことがよくあります。
江戸・明治時代の人たちは、畑を耕し、魚を獲り、木を伐る、といった作業のなかで、自分の手で何かを生み出し、それを目にすることで喜びを感じていました。
定年後は自分の手でかたちに残るものをつくることを意識してみてはいかがでしょうか。
家庭菜園をはじめて野菜を育てたり、DIYで家具をつくったり、陶芸や木工に挑戦したりするのもいいですね。こうした活動は目に見える成果があるため、達成感や満足感を得やすいのです。
人の役に立つことをする
江戸・明治時代の人たちは、近所の人たちと協力しながら仕事をしていました。農作業を助け合ったり、村のお祭りを一緒に準備したりと、人とのつながりのなかで働く喜びを感じていました。
現代においても「人の役に立つことをする」ことで、働く楽しさを見いだすことができます。地域のボランティア活動に参加したり、町内会やシニア向けの活動グループに加わったりすると、人との交流が生まれ、感謝される喜びを感じられるでしょう。
近年ではシニア向けの短時間労働や、趣味を生かした仕事をする人も増えています。書道が得意なら子どもたちに教えたり、料理が好きなら地域の食堂で腕を振るったりするのもよいですね。
自分のペースで楽しめる仕事を見つける
現役時代は時間に追われ、ノルマやプレッシャーに押しつぶされながら働くこともあったでしょう。しかし定年後は「自分のペースで楽しめる仕事」を見つけることが大切です。週に数日だけ働ける仕事や、趣味を仕事にする道もあります。ハンドメイド作品を販売したり、ブログやYouTubeで知識や経験を発信したりする人も増えています。
こうした活動は、お金を稼ぐこと以上に「自分の好きなことをして、誰かに喜んでもらえる」という点で働く楽しさを感じられるのです。
「働く=苦しいもの」ではない
「もう働かなくていい」と思っていたのに、いざ仕事を辞めると寂しさを感じる––––そんな人も少なくありません。実は、働くことには充実感や達成感を味わう側面があるのです。
江戸・明治時代の人たちのように、目に見える成果を楽しみ、人の役に立つことで喜びを得る。そのような「働く楽しさ」を取り戻せば、定年後の生活はもっと充実したものになるでしょう。
これからは「生活を楽しむために働く」という視点をもって、自分に合った働き方を見つけてみませんか?
3.「モノがなくても楽しい」生活のヒント
江戸・明治時代の庶民の暮らしを紐解くと、私たちが忘れかけている「モノがなくても楽しい」生活のヒントが数多く見つかります。当時の人たちは限られた資源のなかで工夫しながら日々を楽しんでいました。それは単に貧しい生活ということではなく、心豊かに暮らす知恵に満ちていたのです。
この項では、現代の私たちが取り入れられるシンプルライフのポイントを紹介します。
「自然とともに働く楽しさ」
江戸時代の庶民にとって、自然とともに働くことは、ごく当たり前のことでした。農業や漁業、職人の仕事も、自然のリズムと調和して行われていました。農作業は季節の移り変わりに沿って進められ、天候や土地の変化を感じながら働くことで、生活そのものにリズムが生まれます。
現代社会では、デスクワークや都市型の仕事が増え、自然のなかで働く機会は減ってしまいました。しかし庭やベランダで植物を育てたり、週末に畑仕事をすることで、自然と触れ合いながら働く楽しさを取り戻せます。実際に昨今では都会でも「シェア農園」や「週末農業」が人気を集めています。自分の手で作物を育て、その恵みを味わうことは、何にも代えがたい喜びとなるでしょう。
「手づくりの喜び」
江戸時代の庶民は、日用品や衣服をできるだけ自分たちでつくる生活を送っていました。着物は繕いながら長く使い、壊れた道具は修理して使い続けるのが一般的でした。モノを大切にするだけでなく、手を動かして何かをつくること自体が楽しく、創造的な時間になっていたのです。
現代では便利な既製品があふれていますが、手づくりのものには特別な愛着がわきます。手編みのマフラーや自家製の梅干し、DIYでつくった家具など、自分でつくることで、そのモノに対する思い入れも深くなります。
「ミニマリスト」や「シンプルライフ」を実践する人たちのあいだでは、手づくりの価値が見直されつつあります。時間をかけて何かをつくることは、心の豊かさにもつながるのです。
「地域のつながりを大切にする」
江戸・明治時代の人たちは、地域のつながりをとても大切にしていました。冠婚葬祭はもちろんのこと、日常生活のさまざまな場面で助け合う文化が根付いていました。井戸端会議や家族ぐるみの付き合いが当たり前だった時代、孤独とは無縁の社会だったのです。
現代では人とのつながりが希薄になりがちですが、地域のイベントに参加したり、商店街で顔なじみのお店をつくることで、人とのあたたかい交流が生まれます。とくに地方では田舎暮らしを楽しむ人が増えており、古民家を再生してカフェを開く人も多くなっています。
「人とのつながりが心の豊かさにつながる」という考え方は、現代にも当てはまるでしょう。
「遊びの原点に戻る」
江戸時代の子どもたちは、モノが少ないなかでも工夫して遊ぶことを楽しんでいました。竹とんぼや凧揚げ、石けり遊びなど、自然の素材を使ったシンプルな遊びが主流でした。現代のようにデジタル機器に頼らずとも、十分に楽しい時間を過ごせたのです。
現代の私たちも遊びの原点に戻ることで、より豊かな時間を過ごせるかもしれません。キャンプやハイキングなどのアウトドア活動は、自然のなかでシンプルに遊べる、よい機会です。家庭でも、ボードゲームや手づくりおもちゃで遊ぶことで、家族のコミュニケーションが深まります。
デジタルデバイスに頼らない時間をもつことで、本当の意味での「楽しい時間」を取り戻せるでしょう。
江戸・明治時代の庶民の暮らしから学べるのは「モノがなくても楽しい」生活の知恵です。自然のなかで働く喜び、手づくりの楽しさ、地域のつながり、そしてシンプルな遊び。これらを現代の暮らしに取り入れることで、心の豊かさを感じながら生きることができます。
便利さに慣れすぎた私たちが、あえて「不便を楽しむ」ことで見えてくるものがあるかもしれません。江戸時代の暮らしの知恵をヒントに、あなたなりのシンプルライフを見つけてみませんか?
関連書籍
『定年後を豊かにするシンプルライフ お金・モノに頼らない生活の実現へ』
著・ふくしまゆきお/ごきげんビジネス出版/発売:2025年1月17日
第1章を全文無料公開中! ぜひ立ち読みしてください📖
▼本の詳細と購入はこちら
電子書籍版(Kindle)
紙版(ペーパーバック)
* * *
ごきげんビジネス出版のLINE公式アカウントでは、新刊情報、お買い得情報、noteに投稿している第一章全文や書き下ろしコラムの紹介、イベント・セミナーに使えるクーポンなど、生活や仕事に役立つ情報をお届けしていきますので、ぜひ「友だち追加」をしてください!
登録いただいた方に、オリジナルブックや動画など豪華三大特典付きです!!
↓↓「友だち追加」はこちらからお願いします↓↓
