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日本人は本当にマラソンが好き(1)
ランニング人口は今や1000万人を突破し、日本人のマラソン熱は高まるばかり。お金もかからないし、ダイエットにもなるし、健康にもいい――。いいこと尽くしかと思いきや、実はとんでもない危険が潜んでいます。マラソンやハードなランニングは健康にプラスになるどころか、逆効果になるおそれがあるのです。マラソンは心臓や血管に大きな負担をかけます。特に動脈硬化が進む中高年にはお勧めできません。では、キロ6分台~7分台でゆっくり走るジョギングはどうか?ジョギングでは心臓への負荷は確かに減りますが、その代わりにマラソンより歩幅が小さい、いわゆる「チョコチョコ走り」となるため、股関節の可動域が狭くなり、さらに遅筋繊維しか使われないため手足が細くなり、さらに大臀筋が削がれていきます。いわゆる老人体型に拍車がかかることになります。単独の筋肉としては一番大きい大臀筋が小さくなるため、見た目が老人化するだけでなく基礎代謝量も減ります。
加齢に伴い筋量は減っていきます。そこにジョギングなどの有酸素運動を行えば、ガリガリ(しかしお腹はポッコリ)体型に拍車をかけることになります。筋量が減れば冷え症になったり、太りやすい体質になったりするだけでなく、見た目も若さがなくなってしまいます。一般にマラソンで持久力が高まると体力の向上や肥満の予防(太りにくい体質になる)、そして冷え症の改善など、加齢とともに低下しやすい機能が高まり、健康で長生きするための体力の基礎をつくることができる、などと言われていますが、すべて嘘です。
中高年の人がマラソンを続けると腎臓、心臓の機能が低下し、体が省エネ仕様になるため基礎代謝量が落ち、さらにジョギングは股関節の可動域を狭め、瞬発力のない体になりガリガリの老人体型となります。どうしても走りたい、と言う場合は、インターバル走(例えば200m全力で走って、100m歩く)をお薦めします。インターバル走ならば速筋繊維が鍛えられるので、ダラダラ長時間ジョギングした場合より、走った後も脂肪が燃焼される時間が長くなると言われています。またマラソンをしていると毛細血管の発達を促すと言われていますが、これもかなり懐疑的です。私はこのエビデンスは人によって異なると考えています。少なくとも私の場合は毛細血管は発達しませんでした。それどころかマラソンは循環器の病気を誘発します。最悪、突然死です。突然死しなくても不整脈になる危険性は非常に大きいです。特に心室性期外収縮から心房細動、心房粗動に移行させる原因となります。スポーツ医療関係者によると、「市民マラソンで心肺停止状態になるケースはかなり多い」のです。実はマラソンが命を縮めることは様々な医学研究でも報告されています。英国の医学誌『ハート』は、アメリカの心臓専門医が30年にわたり、5万2600人に行った追跡調査を報告しています。これによると、週に32~40キロのランニングをしている人は、それ以下の人と比べて死亡率が高かったとのことです。また、別な追跡調査によると、ジョギングする運動習慣を持っている人は大幅に死亡率が低かったが、自転車ぐらいのスピード(時速13キロ)でランニングする人は死亡率が高かったのです。さらに同誌では、「激しい運動を行うアスリートに心房細動(不整脈の一種で、心不全や脳梗塞のリスクが高くなる)が多いことは心臓専門医の間でよく知られた事実。ハードな運動は心臓の摩耗と機能低下を起こすおそれがある」と、警鐘を鳴らしています。この報告を見る限りジョキングは良い結果をもたらすように思えますが、前述したように別な問題を引き起こすことも忘れてはいけません。
日本でもランニングと突然死に関する疫学調査が行われています。東京都監察医務院と日本心臓財団が84~89年にかけて運動中に突然死したケース645件のケースを精査したところ、39歳以下ではランニング中がダントツの1位。 40~50代では2位(1位はゴルフ)、60歳以上では3位(1位ゲートボール、2位ゴルフ)となっています。「突然死の原因は2割が脳卒中(脳梗塞と脳出血)で、残り8割が心不全です。ランニングが心臓に悪く、命を縮めることは様々な研究からみても明らかです。