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【ザ・会社改造編19(終):総集編~改革の連鎖~】

本マガジンのこれまでの投稿は上記リンクに入っています。

本マガジンでは、本noteの最初に出てきた健が登場します。元々工場の課長だった健は本社に異動し、新規事業部長となり2年が経ちました。そして今回、既存事業の関連子会社に社長として出向するようになります。内示は本社副社長の哲也からです。 健の出向する子会社は、近年の中国競合企業による市場の価格破壊からシェアの激減・業績不振が続いているようです。健のミッションはその事業の立て直しと長期的な成長です。そのため出向前に哲也から三枝匡氏の「ザ・会社改造~340人からグローバル1万人企業へ~」解説してもらっています。これまで、18回にも掲載してしまいました・・。今回は総集編として、これまでの投稿をまとめて掲載します。ざっくりと、流し読みしていただき気になった章を覗いてもらえれば嬉しいです。

◆ザ・会社改造を解説する背景と三枝さんの紹介

 薄っぺらい言葉になってしまいますが、コロナ禍云々は抜きにしても日本の製造業まだまだ厳しいです。ただ、そんな中でも輝いている会社はあります。そして、そういう会社は変わり続け、進化(創造)を継続しています。ミスミもその会社の一つだと思います。逆境を跳ね返すために”変わり続ける”、”進化し続ける(創っていく)”ということの構造を自分自身学びたい、そして発信したいと考えていました。元々三枝さんは、超エリートで天才経営者・プロ経営者で、かつ複数のビジネス小説を書かれている方でした。ザ・会社改造はその三枝さんがミスミでの12年間にわたる改革の実体験を記載した本ということもあって、ヒントになるのではと考えてマガジンを開始しました。

◆社長就任までの葛藤と覚悟

三枝さんは、社外取締役になった三か月後に社長就任を創業者の田口さんから打診されます。複数の面を調査しながら社長になるかを検討していきます。ミスミの時間戦略をベースとする「ミスミQCT(品質・コスト・時間)モデル」の強みを見つけるとともに「8つの弱み」を見つけ、この強みをさらに強く、弱みを革新的に改善していくのが三枝さんのものがたりになっていきます。最初に三枝さんの経歴紹介もしています。

◆改革シナリオの作成

人生の最後の挑戦として社長になることを決意した三枝さんは、ミスミQCT(品質・コスト・時間)モデルと8つの弱みをベースに、改革シナリオを徹底的に考えシンプルな下記チャートを作成します。そして、グローバルで勝負ができる会社に成長させながら、世界と勝負ができる経営人材を育成するという大きな目的を掲げ、改革を始めていきます。

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◆FA事業部の事業改革

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 早速改革に手を付けていきますが、ミスミには3つの主要事業があり、これをどう手を付けていくかが重要だと三枝さんは考えました。王道はどれか一つでモデルケースを作り上げそれに成功したら、他の事業に広げるやり方だといいます。なぜなら、改革の際は社員の心を揺らすことになる。組織の不安定化の心理をむやみに社内に広げる「全面戦争」仕掛けてはならないからです。そんな中、FA事業部を改革対象に選び実行していきます。ABC分析、PPMの構築などダイナミックな挑戦を行っていきます。

◆ABC分析

ここで、FA事業部改革の際に活用したABC会計システムについて解説しています。商品の収益分析をしても、分析自体が間違っていれば正しい努力ができません。正しい努力のための準備の位置づけですね。その方法を解説しています。

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◆ミスミの中国展開

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FA事業部の改革と並行して中国進出も果たします。元々ミスミの海外展開は小さく実施ていていたものの戦略があるどころか管理すらできていない状態でした。当時、最重要国として位置付けた中国進出を図っています。その中で、商社であったミスミは協力メーカーを巻き込み上海ミスミ村を構築するという壮大なプロジェクトを実施していきます。

◆生産革新

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三枝さんは創る、作る、売るのサイクルを早く回すことが競争力のカギだと昔から考えていました。そのサイクルの中で、ミスミは商社という特性から「生産」が弱みだと感じていました。また世界のメガトレンドを見ても、このサイクルの重要が増しており、その生産の弱みが致命的なものになることは明らかでした。そして、駿河精機との経営統合という選択肢を取ることとします。この統合は規模の拡大ではなく、生産強化という戦略的なものでありました。さらにトヨタ生産方式を取り入れ社内の生産革新に入っていきます。変わりたくない、自分の現場は悪くないという大きな抵抗との戦いでもあったようです。

◆カスタマーセンターオペレーション改革

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カスタマーセンターも8つの弱みのうちの大きな問題でした。この改革は2度の挫折を経験し、3度目にやっと完遂しています。この改革には生産革新に用いられたトヨタ生産方式の一個流しの考えがカスタマーセンターのオペレーションで適応されています。システム改善で起こりうる典型的な失敗が描かれています。

◆ミスミ流組織モデル

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三枝 さんがミスミの社長に就任した時「この 元気 を 失っ た 日本 で、『 この 元気 な 会社 あり』 と いわ れる 新しい『 日本 経営 の スタイル』 を 生み出し たい」と考えていたと言います。そしてミスミ組織モデルを構築します。

一通り見てみると、多くの改革を同時並行的に世界的に展開してきたことがわかります。そして、記載してきたチャートから分かるようにすべて戦略上のポジションを明確にして長期的な活動を行っています。当然、多くの壁が立ちはだかっていましたが、それぞれを乗り越えそれを連鎖させていっています。この改革の連鎖が、変化、進化を続け競争力を保つ秘訣なのだろうなと感じます。1発じゃないですよね。やはり、戦略に基づいた革新の連鎖、積み上げが競争力を作っていくのだと痛感しました。まだ本書をお読みでない方、ぜひ一度読んでいただくことお勧めします。

さて、本マガジンはここで終了です。次回、番外編を挟んで、トヨタ生産方式のJITおよび自働化の肝となる「自工程完結」編のマガジンを始めていきます。これは現場だけでなく営業やバックオフィス業務にも適応できる考え方ですのでお楽しみに💪

 下記の固定記事に、このnoteのコンセプト、これまでのマガジンについて説明しています。ご興味あればスキ・フォローいただければ嬉しいです。

番外編マガジンもあります。是非覗いてみてください💁‍♂️

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